[2113] ライターから見たジャンル研究その5「歯科医院」

~ライターとか、やってます【文章で食べていく方法】~

■ 総論
士業と並び、丸投げをしていただいていい鉄板分野です。

とかく、専門用語が頻出する。
このうち、歯周病のことを「カリエス」と言うことがあるくらいの知識は、知っておかなきゃいけないレベル。
そうじゃないと、取材が成り立たない。
一方、骨の再生治療に「PRP」と「CGF」があるとかのウンチクなどは、「何ですか? それ」って聞いていいレベル。
この見極めが難しい。
だから、質を問わないメディアで、とにかく場数を踏むこと。
20院くらい経験すれば、おおむね専門用語が出そろうので、そうなってから専門性の高いメディアを狙う。
歯科医院の数はコンビニより多いとされ、競争が激しいので、仕事は困らない。

■ 発注元
医療系メディアか、サイトコンテンツの制作会社。
練習になるのは前者。
「治療のことはホームページに書いてあるから、それ以外の気持ちやメッセージを載せようよ・・・」というスタンスだと、専門性が低くなる。
加えて、フィーが低い案件なら、最初からライターのスキルを求めていない。
ここで、練習。
一方、サイトコンテンツになると、「メタルボンドは受けが悪いから、ハイブリッドとセラミックだけでいいよ」みたいな話が続出する。

歯科医院内のイメージ
どこだかわからないような茶濁でございます

■ 注意点
保険か自由診療か。
あるいは、厚労省の認可を受けていない治療方法なのか。
これらの3区分を、常に意識しながら取材する。
厚労省の認可を受けていない治療方法は、どんなに力を入れていようと、載せるべきではない。
国が認めていないのだから、事故の責任は医院にある。
しいては、その広告へ加担したライターにも、「道義的」責任が生じる・・・と思う。
自由診療は、できれば価格を入れたい。少なくとも、取材時は聞くこと。
歯科医院に限らないが、「歯周病とは」「むし歯とは」・・・なんてことをやっていても、読まれないバイナリデータを増やしているだけ。
なぜなら、他院との差別化が行えないから。
総論のページなら・・・
・理念・ポリシー
・なぜこの道を目指したのか
・実際に学んでみて、志とのギャップはあったか
・それを、どう、現在の治療に生かしているか
・患者とのコミュニケーション
・ハコ・設備の特徴
など。
各論ページなら・・・
・その治療で心がけていること
・そのために医院でしていること
・患者さんに知っておいてほしいこと
・自宅でできること
など。

■ 個人的な感想
「細かな情報をたくさん詰め込んでおくことが、ホームページの役割だ」
そう考えている編プロや医師が多い。
つまり、「こんなに、いろいろなことを知ってるゾ」というのが、強みになると誤解しているんですね。
そうではなく、集患を考えたら、「こんなに、あなたのことを想っていますよ」でなきゃいけない。
極論すると、患者へのラブレターなんですよ。
よくあるメリット・デメリット論も、「こんなに、良いこと・悪いことが起こります」が本意。
それを忘れて技術論に陥るくらいだったら、載せない方が好ましい・・・と思う。
指定文字数が未達だったら、そのときはじめて、ウンチクで文字を稼ぐ。
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[2112] 仕事を得るためには、とにかく「人と直接会う」こと

~ライターとか、やってます【文章で食べていく方法】~

ジャンル研究は1回お休みして、久々にこの欄の本題、「食べていく方法」です。

夏から秋にかけて新規営業をしてみたところ、結構な収穫がありました。
具体的な仕事へ発展したのは、主に4社。
一つめは、コンテンツマーケティングを得意としている編プロで、ハナマルキやドコモ社などのオウンドメディアを受託。
二つめは、受けた編プロからダイヤモンド社の担当者を紹介され、書籍のライティングを手掛けることに。
三社目は代理店で、自分の手掛けた商品紹介ページが、はや、今週末にもUPされます。
四社目も同業の紹介で、BtoCのサイトコンテンツ制作が始まりそうです。

これらに共通しているのは、きちんとした面会をはさんでいること。
クラウドのような、[登録-案件待ち]のスタイルではないんです。
人と会うと、半分くらいの確率で、何かしらの結果が伴います。ホント。

フェイス・トゥ・フェイスのオブジェ
顔を合わせるという茶濁でございます

この業界、仕事は、見かけよりあると思います。
ただ、コネというかルートのないライターに、オイ・ソレとは発注しないだけ。
それが、例え1回でも顔見知りになると、突破口が開ける。
仮に自社案件がなくても、知り合いや他社を紹介してもらえるんです。

この動き、笑っちゃうくらい早い。
会って3日後に、案件が振られてきたりします。
[登録-案件待ち]じゃ、考えられないスピード感。

ですから、前にも書きましたけど、ライターの取り扱われ方って二層構造になっていると思うんですよ。
下層は、人や内容を問わない、「誰でもいいゾーン」。
一応、登録した得意分野に沿って発注したりするものの、別にその人じゃなくてもいい。
対する上層は、会ったことのある相手を見込んで仕事を振る、「アンタに任せたゾーン」。
仕事があるのは、おそらくコチラのゾーンです。
ですから、同じ営業をする場合、登録型は避け、個別面会型を選びましょう。
ギャラ交渉も一からするし、何より、人として扱ってくれますよね。

[2111] ライターから見たジャンル研究その4「スイーツの商品紹介」

~ライターとか、やってます【文章で食べていく方法】~

■ 総論
文章の中身よりも、「リズム」が問われる仕事だと考えています。
考えさせるのではなく、イメージを染み込ませられるテキスト。
「こんがりと焼き色を付けたパウンドケーキの中には・・・」
とかじゃなくて、
「秋色を探しに収穫の散歩径を歩けば・・・」
みたいな、フワフワした書き方が好まれる。
ただし、テキトーじゃダメで、フワフワした中にも、しっかりとした訴求ポイントが含まれてなきゃいけない。
最もレベルとセンスが問われる分野だと思います。

■ 発注元
究極はメーカー直ですが、代理店をはさむことが多いかな。
メーカーありきで、それを狙って受注するのは難しいでしょう。
スイーツの実績がある編プロや代理店に行き、おこぼれをもらうことからスタート。
後述する書き方のコツをつかめば、後は・・・相性や文のセンスがマッチするかどうかですね。

追分まんじゅう
茶濁としての、きな粉を使った和まんじゅう

■ 注意点
ぜひ、図書館へ行って、グルメ本を手に取ってみてください。
レシピ集とかじゃダメですよ。
名のある人が、評論・紹介をしている本。
彼らのボキャブラリーは非常に豊かで、大変、勉強になります。
ただし、なぜか「しっとり、なめらか」だけは共通している。
逆に言うと、「しっとり、なめらか」の確認できる本が、テキストとして参考にすべき本ということ。
一方、感性や勢いで書いちゃっている人の文章には、品が感じられません。
この差は、比較してみると、ものすごく違う。
自分が商品紹介として発注するなら、間違いなく前者です。

■ 個人的な感想
イメージの紡ぎ方に尽きますな。
法律用語や家電製品の取説を書いているのとは、訳が違う。
難しいことをわかりやすく・・・という筋ではないんですね。
訴求要素を詩にするというのかな。かといって、ポエムに走り過ぎるのもダメ。
難しいですよ。
700字の原稿に、丸1日かかったりする。
フワフワしたイメージだけで書いていると、ロジックが立っていなかったりすることも。
「味覚の変化がもたらす、季節の移ろい」
・・・もたらさないって。
「季節の移ろいを感じさせる味覚の変化」
ですよね。
結局、リクツっぽくてNGにしましたが。

[2110] ライターから見たジャンル研究その3「タウンレポ」

~ライターとか、やってます【文章で食べていく方法】~

■ 総論
あくまで、自分の場合ですが・・・。
例え、「知らない街を歩いてその魅力を発見する」記事でも、カッチカチにリサーチします。
取材したい店があったら、事前に企画概要を送って了承を取ります。
そのうえで、「おっ、こんな店がありましたよ」的なレポをするんです。
だって、その場で取材NGをくらったら、話が続かないじゃないですか。
「こんな店発見」は、あくまで演出なんですよ。
仕込みは全然、別の話。

■ 発注元
地域メディアかラテを担当する代理店。
全駅制覇的な企画物の場合、ライターが行き先を選べることもある。
また、先に企画アリキで、ライターがロケ先を絞ることもある。
例えば、「ネコの島、江の島探訪」など。
レポートする側が、ある程度絡める。
代理店の場合、すでに企画書ができていたりするが、それなりにコッチの意見も通りやすい・・・と思います。

シーサイド商店街
街の「七福神」を選んだときのタウンレポの様子

■ 注意点
町会長・理事長の確保が最優先。
その人の協力があれば、後は、「会長の了承を得ています」とか、ヘタしたら「理事長から紹介してもらったんですけど」などのセリフが使い放題になる。
店舗とアポを取る場合は、前の店のロケによって時間が前後する旨を伝えておく。
そうじゃないと、本番中に携帯が鳴って、「時間通り来ないじゃないか」なんて怒られたりする。
タレントを使う場合、かなり余裕を持っておくといい。
集合時間からして、遅れて来たりします。
ロケマップ、必需。
当日に迷わないよう、スケジュール感と移動イメージを頭の中にたたき込んでおく。
店主がたまたま不在だったりしたら、戻り時間を確認して、次のロケ先と入れ替える。

■ 個人的な感想
ロケイメージがしっかりできていれば、余裕ができて、その分、楽しめると思います。
また、あらかじめ話を付けておくと、アポなしでは決して出てこないような秘蔵ネタを用意してくれていたりする。
総じて、仕込みをしておいて損をする・・・なんてことは、絶対にない。
当日の協力具合も断然違う。
店主とやたら仲良くなっちゃって、後日、別のテレビロケが入ったときに、「きょう、来られないかな・・・何をしゃべったらいいか、相談に乗ってほしいんだよ」なんて電話がかかってきたこともある。
行き当たりバッタリのスタイルを好む人もいるだろうけれど、自分からすると、リスキーで怖い。

[2109] ライターから見たジャンル研究その2「イベントレポ」

~ライターとか、やってます【文章で食べていく方法】~

■ 総論
前回の映画評と違い、本当に見てきたことを書く仕事。
ただし、リリース資料と支給画像だけでこなす場合もある。
文字数が比較的ショートなものは、後者のタイプ。
その辺は、読めばわかると思います。
実体験型の場合、主催者側のコメント取りとイベントレポートの2段階になるのが基本。
別日程の場合もあれば、当日一緒に済ますこともある。

■ 発注元
地域メディアか特定分野に特化した編プロ。
編集者が独自に探してきたり、主催側から送られてきたリリースなどに触発されたり。
ライターから「行かせてください」というパターンは、ほとんどない。
発注タイミングは、早くて2週間前くらい。遅くて前日。
この手の仕事が好きなら、ある程度ヒマか、週末を空けておくこと。

ステージ袖から見た観客席
一般人の立ち入り禁止区域に入れるのも、ギョーカイっぽさのひとつ

■ 注意点
ここでは、土日のイベントで、土曜入り-日曜朝出しという速報パターンを想定しています・・・。

イベント担当者との連携。
当日にコメント取りで落ち合う場合、携帯番号はもちろん、服装などの特徴も伝えておく。
質問事項をあらかじめ渡しておくと、時間が短縮できる。
また、校正をお願いするタイミングと戻しの段取りを決めておくこと。
例えば、土曜日に現場へ入って日曜の朝イチにUPする場合、土曜日の夜に原稿のやりとりをする必要がある。
編集の内校もあるだろうから、結構、スケジュールがタイト。
一例として・・・14時撤収、18時までに原稿作成と編集者の内校、19時担当者渡し、20時戻しなど。この確約を、絶対にもらっておくこと。
また、わかっている部分があるなら、前日までに書いておく。
日時、場所、何回目か、主催、協賛・・・。
あと、夜までに入場者数が出せるかどうかも、担当者へ確認しておきたいところ。
実人数ではなく、最寄り駅の乗降客数から想定した値の場合もある。
「校正の戻しまでに、実人数出ます?」
なんて聞くと、いかにも場数を踏んでいるライターっぽい。

■ 個人的な感想
夏と雨が天敵。
秋晴れだったとしても、その日は校了まで、マトモな飯が食えないことを覚悟しておくべき。
とにかく忙しいので、現場での移動スケジュールを、ぜひとも組んでおきたい。
どこで何時に何が行われるかを整理して、「行ってみたら終わっていた」なんてことは避けたい。
開会式→イベントA→フードコート→ステージB→参加者のコメント取り→パレードC→主催者のコメント取り・・・など。
思っているより「歩く」。「疲れたし、この変でいっか病」にならないよう、ハイテンションで望むこと。これが、一番大切かな。
「いっか病」にかかってしまうと、後日、ライバル誌に圧倒的な差を付けられる。
逆に、どの記事よりも充実していると、疲れが吹っ飛ぶ。

[2108] ライターから見たジャンル研究その1「映画評」

~ライターとか、やってます【文章で食べていく方法】~

■ 総論
特定の映画を、いかにも見てきたかのように書く仕事。
インターネットで検索すれば「あらすじ」がわかるので、視聴の有無を問わずに書ける。
ただし、ネタバレをせずにネタをバラすという高度なテクニックが求められるため、ストーリーを知っているに越したことはない。
自分の場合、「ここを注意して見ると楽しめるよ」という着目点の紹介にとどめ、筋や展開には、あまり触れないことが多い。
フリーという性格上、ヒマなときにBSなどで映画を見られることが多く、この仕事との相性は良い方。
実際、見たことある率は「7割以上」か。

■ 発注元
映画の配給先だと、いわゆる「ひも付き」になってしまうため、内容が偏る。
好きな会社の映画をとことんライティングしたいなら、配給先もありだろう。
そうではなく、バラエティに富みたいなら、版権や関連グッズ商売をしている編プロ・代理店がお勧め。
ロイヤリティを扱うプロなので、版元からの依頼に加え、独自の情報配信サービスを行っていたりする。
(例・カーナビメーカーをクライアントとした「ロケ地紹介」コラムなど)

みんなの映画ランキング
自分なりに、一番気に入っている映画紹介の一例

■ 注意点
あらゆる意味でディズニー。
おそらく、直轄のプロモーションしか成り立たないのでは。
ディズニー以外から仕事が出ることなんて考えられないし、仮に出たとしても、協力は得られない。
唯一あるとしたら、ジャケ画などの公式アイテムを載せずに、私文扱いの感想で済ます程度。さすがに個人の考え方なら、口をはさんでこない。
映画評ではないけれど、ロケ先の撮影時には、ディズニーキャラを撤去してから行うのがセオリー。

■ 個人的な感想
プロモーション扱いになることが多いため、フィーの条件は良い方だと思う。
いわゆる「文字あたりいくら」の仕事ではなく、一式ン万円(自分の場合)。
ジャケ画などを借りる相手は企業の広報であるため、きちんとした手順さえ踏めば、即レスが期待できる。遅くて2日、早くて2時間後とか。
「素材提供承諾書」に、使用目的、使用媒体名、使用期間、想定読者層や人数、掲載期日が終わった後の処理方法(画像を破棄することの明記程度で可)、マルシーの確認などの基本事項をきちんと盛り込んでおくこと。この手間が、「映画評」の最たる部分。
テキストワーク自体は、ぜんぜんややこしくない。
ただし、「あらすじ」に終始しないような哲学が求められるだろう。この着目点が、シロートとプロを分ける。
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てつまる

Author:てつまる
神奈川県を中心にフリーで活動しているライターです。
超IT系を除き、医療・各士業・経営者・アスリートへの取材、アーティストプロモート(情報発信)、イベントレポなどを手がけています。

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