[2222] 情報漏えいだとマズイから、ブロックチェーンと言っとこう

~その記事、論点ズレてませんか?【ニュースの視点】~

読売本紙は16日のトップ記事で、銀行・郵便・通信の大手三社が予定している「顧客情報の共有実験」のアウトラインを伝えた。
参加するのは、みずほ銀行・日本郵政・NTT東日本。
例えば、引っ越したときなど、上記いずれか一社に伝えれば、その情報が共有されるのだという。

このシステムを支えるのが「ブロックチェーン」という仕組み。
ここでくどくど説明するより、検索したほうが早いでしょう。
要は、情報を一括管理するのではなく、いくつもの並行処理端末に分散させておくらしい。
これにより、1箇所の端末が改ざんや被害を受けても、残りのデータでカバーできますよと。
また、元情報の正当性を判別する基準として、多数決の原理が採用されているとのこと。
したがって、並行処理端末の過半数を改ざんした時点で、ソッチが「元情報」になってしまうそうです。

ブロックチェーンを報じる読売の記事
ブロックチェーンを報じるYOMIURI ONLINE(全文を読むにはログインが必要)

なるほどね。
大枠は理解した。
ただ、銀行・郵便・通信のような生活を基幹で支える業界はいいとして、ここにメーカーとかが乗ってきちゃったら、どうなるんだろう。
引っ越しするたびに、勧誘の営業マンとかが来るのかな。

そうなるとですね、我々市民に求められるのは、「あの会社とあの会社がブロックチェーンしちゃったら、こういうことが起こり得るな」という想像力なんでしょう。
それをもって、これから登場し得る数々のブロックチェーンサービスを判断していかなくちゃならない。
例えば、病院と保険会社が組んだら、もはや無敵ですよね。
入りたい保険へ入れない可能性もあるし、逆に、うってつけが選べる場合だってある。
くそ、ややこいな。
また、メーカーが個人の金融情報にアクセスできちゃったら、足元読まれますよね。
50万円の商品・サービスで十分なのに、500万円のブツをオススメされたりしないのだろうか。
それとも、そういう意味の情報共有ではないのか。

まっ、ちょっと、正直怖いですよ。
こういう感覚は、日本人固有の閉鎖性って話じゃなくて、慎重さという特性・特長として評価してほしいですよね。
だって、「ほら、見たことか」ってケースがあり得るもの。
記事では、「幅広い企が活用できるようになる見通し」って言ってるけど、断りは入れてよ。勝手にやらないでよ、頼むから。
スポンサーサイト

[2221] ミサイル防衛に「参加しない」というコトバの意味

~その記事、論点ズレてませんか?【ニュースの視点】~

中国が韓国に示したとされる「三不原則」。
・THAADの追加配備をしない
・日米のミサイル防衛システムに参加しない
・日米韓3カ国で軍事同盟をしない
このうちの「ミサイル防衛システムに参加しない」について、事実上の降伏だとかなんとか騒がれてますけど・・・。
いいですか、「ミサイル防衛システムを持たない」とは言っていないんです。

例えば、初詣の町内企画があったとしましょう。
これに対し、「イイネ、オレも行く」というように、積極的な支持を示すのが「参加」なんです。
一方、「余計なお世話、他人のことなんか放っとけ」というのが「拒否」。
それとは別に、「企画参加はしないけど、ちょうど同じ神社に立ち寄ったし、お参りしていくか」みたいな「消極的是認」ってあり得るじゃないですか。

中国による三不原則
「三不原則」を報じる『朝鮮日報日本語版』の記事

自分は、「ミサイル防衛システムに参加しない」というコトバの中に、消極的是認の余地を感じるのです。
進んで手を挙げたりはしないけど、拒否もしませんよと。
アメリカがミサイルを置いていくことに対してまで、口出ししたりはしませんよと。
グルメイベントに「参加」はしないけど、楽しそうだし、やったらいいじゃないかと。料理が配備されたら、さぞかし盛り上がるねと。

Well come じゃなければ、すなわち拒否かというと、そうとも限らないんですよね。
玉虫色にして逃げる余地を持ったというのか、米中のどちらから刺されてもいい顔を保てる政治的文言というのか。
おそらく、考えた末で、このコトバを使っているんじゃないでしょうか。
ライターとしては、そう思います。

[2220] サザエさんが美容整形する、平成30年という時代

~その記事、論点ズレてませんか?【ニュースの視点】~

「あすを創る技術の東芝がお送りいたします!」
でおなじみだったサザエさん。
どうやら東芝は、スポンサーから降りる検討をしているらしい。
変わって名乗りを上げたのが、某美容系のクリニック。
もう、どうなっちゃうんでしょうか。

テレビ制作の仕組みからいえば、誰がスポンサードしても文句は言えないわけで。
お金を出してくれる人がいるからこそ、番組が続いていくのでしょう。そこに「良い出資者」と「悪い出資者」なんていません。
ただ、イメージってものがありますからね。
何ダロ。「国民的アイドルがどこぞのIT会社の社長と結婚した」くらいのミスマッチ感がありますな。

「サザエさん」のスポンサー変更
一連の流れを報道する「ハフィントンポスト」

言うまでもないことですけど、サザエさんの舞台は、「まだモノを持っていない時代の、標準的な国民」でした。
そこに、エアコンだ電子レンジだと、生活を便利にする仕掛けを投げかけていたわけです。
メーカーは違いますが、「ナショナル」というブランド名も、対「国民」的な理念があったから。
なので、サザエさんを見ていても「安心」できていたのでしょう。

ところが・・・まだ、可能性に過ぎないものの・・・エステは「個人」でしょ。
しかも、日常的な生活とはほど遠い、趣味・好みの世界。
さらにいえば、オトナの事情だし。
子どもが見ていて「安心」できる環境なんでしょうか。

まあまあ、テレビ自体オトナの事情ですから、落ち着くところに落ち着くんでしょうけれど。
それでも、「家族」から「個人」という時代の変化を、目の当たりにした気がしました。
少なくとも、明るい未来を見つめていた長谷川町子のメッセージ「RUN UP THE SKY」は、72年目にして消え去ったようです。

[2219] 美容医療のbefore・after、「学会」がキーワードか

~その記事、論点ズレてませんか?【ニュースの視点】~

医院やサロン・医薬品などで定番の、いわゆる「ビフォア・アフター」が、今後はできなくなるという話。
報道を見る限り「サイトに写真 禁止(朝日新聞)」という表記があったので、テレビはOKなのかと思いきや、そうでもないらしい。
参考になったのは、厚労省の資料。
それによると、実は今年の6月まで、ウェブサイトを「原則、広告として取り扱っていな」かったらしい(「」部は資料原文ママ)。
なんじゃ、それ。

つまり、紙や波、看板などについての「広告」は以前から規制されていたものの、それ以外のメディアは「やりたい放題」だったのだ。
そこで今回、「それ以外のメディア」の典型として、ウェブサイトにメスが入ったと。
確かウェブって、メディア別の広告費で、すでに2位でしたよね。
・・・調べてみたら、プロモーションを入れると3位でした(2016年 電通調べ)。
いずれにしても、このルーズーさって、何なんだろう。

医療法等の一部を改正する法律(厚労省・H29)
「医療法等の一部を改正する法律」の概要について(医療に関する広告規制の見直し)(平成29年6月14日)/厚労省のページ

「やりたい放題」は言い過ぎでした。
正確には「罰則なし」でした。
それが今年の6月に改められ、さらに来年、包括的な「ビフォア・アフター」の禁止に乗り出すと。

ちなみに、審美ではない本来の医療で、患者が本当に「ビフォア・アフター」を知りたい場合、抜け道を残しておく予定とのこと。
それが「学会」というわけです。
「学会」の公式サイトのみ「ビフォア・アフター」をヨシとし、それを紹介する分には構わないと。

あのですね、医科のサイトを作成している身で言わせてもらうと、ザルですよ。こんなの。
だいいち、取材をするうえで最も気を遣うのが、俗に言う「ガッカイ」なんです。
例えば、A氏とB氏という、腹黒い二人の医師がいたとしましょうか。
A氏は独自に「A学会」を設立、B氏も同様に「B学会」を設立。
で、相互に「A学会認定B医院」「B学会認定A医院」を名乗り合うと。
そういうことができちゃうでしょ・・・っていうか、実際にやっているんですけども。
だから、民間の「学会認定」を避けるんです。ボクらは。

自分に言わせりゃ・・・というか、この業界の常識として・・・「ガッカイ」ほどインチキな広告コピーはありませんよ。
もちろん、まっとうな「学会」もありますけどね。
でも、何ていうか、読者に何かを信じ込ませる呪文みたいなところがあるでしょ。「学会認定」って。
まっとうであれ、インチキであれ。
「学会」だけをヨシとする理由がわからない。
そのうち、「学会」のサイトが「ビフォア・アフター」だらけになるんじゃないですか。唯一、許されている広告手段として。
というか、「ビフォア・アフター」を載せたいがための「ガッカイ」サイトが増えるんでしょう。
笑っちゃうよな、ホント。

[2218] A.I.がレスする「ごみ分別アプリ」、実は職員が回答

~その記事、論点ズレてませんか?【ニュースの視点】~

横浜市は、ゴミ分別を徹底させる取り組みとして、LINE調のアプリを実証実験してきたそうです。
捨てたいモノを入力すると、ゴミ袋を模した「イーオ」というキャラが回答してくれる仕組み。
17日の報道で、初めて知りました。

このアプリのユニークなところは、必ずしも「ゴミ」に限らないこと。
質問内容に「旦那」や「脂肪」などを打ち込んでも、気の利いたセリフを返すそう。
そんなサービスが人気を呼び、このたび、実験の全面実施が決定したのだとか。
ちなみに、「旦那」の回答とは・・・、

~本当に‼︎「人間は判断力の欠如によって結婚し、忍耐力の欠如によって離婚し、記憶力の欠如によって再婚する」ってアルマン・サラクルーは言っていたよ。忍耐力を鍛えてみたら、どうかな。~

イーオのごみ分別案内
「脂肪」の例を紹介する『カナロコ』の記事

なかなかオモシロイなと思って調べてみたら、もともとの意図は、A.I.の有効活用にあったらしい。
じゃあ、じゃあ、A.I.がアルマン・サラクルーを引用したのかと思えば、さにあらず。
市の職員が作成した回答もあるのだとか。
なんじゃ、そりゃ。

報道は、ここの部分をかなりあいまいにして書いていますよね。
論点を整理すると、市と民間企業の試みは、A.I.の自動回答にあったと。
ところが、話題になったのは、「生協の白石さん」的な職員のセリフだと。
これっぽっちも、リンクしてないじゃないですか。
逆に、A.I.の限界と、人知の優位性を示す結果になったんじゃないの?
全面実施に結び付く成果か? これ。

目的が「ゴミ分別を徹底させる仕組み」だったら、別にいいんですよ。
一定の効果をもたらす、エポックメイキングな手法といえるでしょう。
でも、本件は、そうじゃないですよね。
人工知能に何を言わせるかが主眼なのに、人が回答しちゃってんだもの。
誰も矛盾を感じないのかな。
それとも、矛盾含みを知らしめる報道だったんだろうか。

自分がこの記事の担当だったら、インチキとは言わないまでも、虚偽の可能性に触れるけどな。
だって、人が中に入っている「ロボジー」みたいなものでしょ。
この次はどうするんですか・・・っていう部分が主眼になるはずなんだけど。

[2217]「バカの壁」が世界を覆うとき

~その記事、論点ズレてませんか?【ニュースの視点】~

朝日新聞の副読紙『GLOBE』10月1日号の特集は、世界に存在するさまざまな「壁」の特集でした。
移民・難民、宗教、労働市場などの諸問題を受け、現在、猛烈な勢いで増殖中とのこと。
同紙によれば、90年代まで「15」前後で推移していた壁の数は、2000年になってから5倍以上に急増しているそうです。
もう、こうなってくると、「ベルリンの壁」のような固有名詞ではなくなってきますよね。
どこにでも散見される、フツーの壁。
とくに名前も付かない、アノ壁。

で、「日本にもあるんだろうか」と探し始めたんですが、そんなことするまでもなく、あったじゃないですか。
そうです、養老孟司氏の著作、「バカの壁」です。

GLOBE「壁が作る世界」
『GLOBE』の特集、「壁が作る世界」

氏の著作をダイジェストするなら・・・、
「自分が受け入れがたいことに対し、防御線という壁をはって、聞かなかったことにする」
あるいは、「到底受け入れられない主張に対し、相手をバカだと思うことで、自己を正当化する」
そんなニュアンスではなかったかと記憶しています。

これって、根本をなす部分は、物理的な壁と一緒なんですよね。
「思想的バックボーンの異なる民族を受け入れられない。だって、あいつらバカだもの」
「勝手に我が国へ入ってくるなよ、オマエら、バカか」
で、壁を作ると。
ですから、壁問題って、多かれ少なかれ、どこでも起きていることなんじゃないかと思います。
「こんな仕様書を送ってくるなんて、あの担当はバカか」
「この程度のプレゼンが通ると思ってんのか、バカ代理店」
そういう発想がロヒンギャを生み出している・・・と思うんですよ。

つまり、他人ごとではないわけです。壁問題というのは。
何て言うのかな、「許容度や肝要さというものが、どのような場面のときに狭くなっていくのか」。そこじゃないですかね、根本は。
そうなると、原因は、思想的な統一にあるんでしょう。
必ずしもナショナリズムに限らず、職場の雰囲気や風土、生活習慣なんかも関係してきます。

「オマエ、お好み焼きでご飯食べるの?」ってときに、「バカか」とならず、「へぇ、オモシロイね」と言えるかどうか。
「みんなでランチに行こうよ」と誘われて断った人がいた場合に、「あの人変わってんのよ」とならず、「じゃあ、あしたはどう?」と言えるかどうか。
そういう、もっとも日常的な部分に、壁の土台が埋もれているのではないでしょうか。
お仕事のお問い合わせ
カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
プロフィール

てつまる

Author:てつまる
神奈川県を中心にフリーで活動しているライターです。
超IT系を除き、医療・各士業・経営者・アスリートへの取材、アーティストプロモート(情報発信)、イベントレポなどを手がけています。

最新記事
カテゴリ
お世話になっているサイト様
最新コメント
最新トラックバック
コトバカウンター
special thanks to
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR