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[2365] しぼりこむ、絞りこむ、しぼり込む

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

朝日新聞で、「しぼりこむ」という表記を見つけました。
同じコラムの中に「もりこむ」もありました。
えー、そうなんだ。
記事本文ではなくコラムなので、ウォッチする必要はあるでしょうが・・・。

まず、「こむ」の部分ですが、これは副詞的用法なので、ひらがなということなんでしょう。
「絞り」あるいは「盛り」が主たる動作であって、「込む」という意味合いは弱い。
似た用法として、
 助けてください(下さい)
 飛びでる(出る)
 弁償していただきます(頂きます)
などがあります。
このような場合、後に付くニュアンス補完のための動詞は、ひらくのがトレンド。
よって、絞りこむ、盛りこむなら理解できます。

朝日新聞のQ&Aコーナー
ところが・・・なぜなんでしょうね?

ちなみに、「しぼりこむ」というキーワードでニュース検索をしてみたら、定見はないようでした。
「しぼりこむ」「絞りこむ」「しぼり込む」の入り乱れ状態。
加えて記者ハンは、「しぼり込む」と「絞り込む」を変換候補として出してきます。
副詞的用法をひらくのは最新のトレンドですから、まだ、記者ハン化されていないのでしょう。
それは大目に見るとして、「しぼり込む」自体が変換候補にあるんですね。

絞りと盛りをひらがな化してきたのか・・・。
それとも、こむの用法として、オールひらがなになりつつあるのか。
はたまた、コラムだっただけに、この記者固有のクセなのか。

検索結果を見る限り、副詞的用法の「こむ」は広く使われているみたいだから、従来どおりの解釈で進めましょう。
主たる動作だけ漢字にして、意味をわりやすくする。
飲みこむ
抑えこむ
煮こむ・・・うーん、これは煮込むにしたいところだけど。だって、煮込みっていうじゃんね。
仕こむ・・・あれ? 1字+こむは、何だかなじみませんね。
寝こむ・・・これはこれでいいな。

仕込むの「仕」は、仕えるという動作じゃないから、意味不明になっちゃうんでしょうか。
いろいろ含めて、まだ観察が必要みたいです。
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[2364] 「とる」系でとくに注意したい「採る」

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

「取る」は、他にも変換候補が多く、どれにしようか迷います。
そんなときは、「とる」にするのがベスト。
これなら、間違いとは言い切れないからです。

一応、記者ハンでは、「取る」「撮る」「捕る」「採る」の4つのみを認めています。
「撮る」は写真や音声を記録すること。
「捕る」はつかまえること。
「採る」は入れて集めること。
それ以外のケースは「取る」を使いなさいと。「盗る」とか「獲る」は非推奨ですよと。

この中で微妙なのは「採る」ですよね。
多数決を「採る」のほか、山菜を「採る」のように、採集の場面でも使われます。
じゃあ、動物が「捕る」で植物が「採る」かというと、さにあらず。

生麦の海岸で貝のじゅうたん
なぜなら、貝も「採る」だからです

ですから、イメージとしては、動かない小さなブツを手でガッシガッシ集めるのが「採る」。
金を採るのも同様で、採掘なんて言いますしね。
ハンディな行為が「採る」なんでしょう。

一方、「指紋を採る」「優秀な社員を採る」という使われ方もするので、意識していないと間違えそうです。
採決的な「採る」は、しばしば「取る」でスルーしがちですし。
採集、採用、採決みたいな熟語を常に意識して、当てはまりそうだったら「採る」。
あっ、そうか。クワガタも採るなんだな。動くけど。
昆虫採集なんて言いますから。
ほかにもどこかで間違えていると思います。
とにかく「とる」だけは注意しておいて、判断がつかなかったら、ひらがなで逃げる。
ひらがなにしておけば、少なくとも間違いではない。

また、意図してなら、「タイトルを捕る」だってアリです。
タイトル争奪戦みたいな状況でしょうか。
あー、やっぱ、基。タイトルは取るだな。

[2363] 「美しい日本語」は自己陶酔のためにあるんじゃないか

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

目の前の相手が散々な目に遭ったとき、
「まじ? だいじょーぶ?」
ではナニなので、
「心中、お察しいたします」
と言いましょう・・・みたいな用例を、「美しい日本語」と呼ぶんだそうです。
なんだかなーって気がしませんか。

体裁が整うと、相手をおもんぱかることになるんだろうか。
それより、「きちんと言えてる」自分に陶酔しちゃってるだけなんじゃないだろうか。
だいたい、そこだけ丁寧な言い方をしたところで、ほかが崩れていたら、いかにも付け焼き刃じゃないですか。
「それは大変でしたね、あまり無理しないでくださいよ」
で十分。よっぽど心がこもっているような気がします。何より自分の言葉だし。

つるされたイノシシ
「心中、お察し」的な茶濁でございます

話をひっくり返すようですが、個人的な体験で、気に入っている文言があります。
それは、
「メールを送ります」
ではなくて、
「メールをご送付申し上げます」
これ、電話口で相手の雰囲気が伝わってくるほど、場面が引き締まります。
この人はイイカゲンな人じゃないな、それ相応の対応が必要だな・・・みたいな。
敬語の役割って、そういうところにあると思うんですよね。
自分を飾るためではなく、相手とつながるために使う。
いわゆる「美しい日本語」で、はたしてつながれるかな。
何て言うか、装飾品ですよね。アクセサリー。
言葉は日用品なんだから、ちょっとした心遣いを込めるだけで十分でしょ。
手土産に、ン百万円もする宝石とか持っていきますか?
せいぜい、3000円くらいのお菓子じゃないの?
だったら、言葉も、そのレベルに合わせましょうよ。
いきなり「心中、お察し」って、ビックリしますよ、むしろ。

[2362] 読者のIQが30だと思って、文章を書いてください

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

先日、新しく立ち上げるメディアの打合せがありまして。
そこで言われたのが、標題の衝撃的な内容なんです。
何でも、いまの若い人は、文章を「わかろうとしない」のだとか。
タイトルも、「思いっきり、バカっぽくていいです」とのこと。

うーん。ここからは、自分の解釈なんですが・・・。
要は、左脳によるロジックな読み取りができなくなっているということなんでしょう。
全部、右脳の直感的な情報処理で済ませちゃっている。
右脳の処理で解釈できなくても、その先へ進まない。
これはね、文章そのものが意味を持たなくなりかけてますよ。

街路樹の説明書き
説明書きは単なるオブジェ

なぜ、こんなことになっているんでしょう。
あくまで「考えられる一因」にとどめておきますが・・・。
まず考えられるのは、マンガの影響。
マンガだって読解力が必要という意見、ごもっともです。反論するツモリはございません。
ただし、ビジュアル的な助けがないと、「わかろうとしない」傾向があるんだと思います。
次に考えられるのは、以前にも書いた、会話の短文化。
「すごーい」「やばーい」「たのしー」だけでコミュニケーションが進みますよね。
これも、どちらかというと、右脳直裁型の情報処理です。
左脳によって文章化されていない。

いやはや、IQ30ですか。
単語の多くを、文章にバラさないといけなそうですね。
例えば「情報処理」なんて言葉も、怪しくなってきます。
「自分の考えをまとめること」とかになるんでしょうか。
右脳直裁型は、もはや右脳の説明なんてしていられないので、「思ったままを行動に移すタイプ」などに書き換える必要がある。

単語を文章に置き換えると、助詞を使うんですよ。当たり前ですけど。
そうなると、助詞のカブリを親の敵だと思っている自分としては、ワーディングに制限が加えられます。

右脳直裁型の情報処理
→思ったまま「を」行動に移すタイプが自分の考え「を」まとめること
ほら、「を」がかぶっちゃったでしょ。

右脳直裁型の情報処理が散見されます
→思うままに行動するタイプ「が」自分の考えをまとめること「が」散見されます。
今度は「が」がカブった。
→思い込みで突っ走る人が多く見受けられます。

これね、ものすごく、めんどくさいわけ。
簡単かつわかりやすくって、究極のテクニックなんですよ。でもって、自分の信条である助詞はカブらせない。
いやー、鍛えられるな、ある意味。

[2361] 箇条書きや併置は、品詞をそろえる

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

標題の件。
まずは、好ましくない箇条書きの例です。

■おいしいベーカリーの法則
中身がモッチリ、外がカリッツと焼けている
住宅街立地
イートインが完備されている
奥さんが優しい

名詞・動詞・形容詞が入り混ざっていますよね。
これでは単なる感想の羅列です、項目の併記ではありません。
私文ならいいですけど、お仕事だったら、品詞をそろえましょう。

●名詞の例
中身がモッチリで、外がカリッツと焼けている食感
住宅街立地
イートインの完備
奥さんが優しいこと

●文体の例
中身がモッチリ、外がカリッツと焼けている
住宅街に立地している
イートインを完備している
奥さんが優しく対応してくれる

カボチャのカップル
理想的な併置としての茶濁でございます

次は、一つの文章の中に出てくる併置です。
「や」や「と」でつながれるワーディングも、品詞を統一しましょう。
それだけで、ものすごく読みやすくなります。
逆に、統一されていない文体は不安定で、主語や述語のかかり方がわかりづらくなります。

×考慮すべきは、住宅街という立地条件と、そのような店舗が少なくなっているので注意が必要です。

途中から項目の併置ではなくなってしまいましたね。
校閲をしていると、こうした文章をかなりの頻度で見かけます。
自分で何をやっているのかわかっていない。
例えば、平文で、

住宅街という立地条件を考慮しつつも、そのような店舗が少なくなっているので、よくよく探してみましょう。

ならいいんですよ。
そうではなくて、「考慮すべきは」に続く併置を書くなら、品詞を統一してください。

○考慮すべきは、住宅街に位置して買い求めやすい立地条件と、そのような店舗が少なくなっているという事実です。

箇条書きと文中の併記は、品詞を統一すること。
言われてみれば当たり前なんですけど、いわゆる「ライター」といわれている人でも、できていないことがあります。

[2360] 見出しで省略できる「を」

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

「世界とつながり 活路さぐる」
朝日の副読紙で見かけた見出しです。
活路「を」さぐる
とはしてないんですね。
ほかにも、こんなタイトルが紙面を埋めていました。

外国の若者、夢持てる県に
若き担い手と、海外めざす農園
海渡る、被災地発ソーシャルビジネス

この記者の個性と見ることもできますが、まあ、あってもいいワーディングではないかと。
ただし、見出し固有のテクニックであって、平文では使えなさそうですね。

朝日「GLOBE」の表紙
もちろん、「を」付きのタイトルもありました

同様な助詞の省略は、しばしば「の」でも行われます。

二児母、叫び届かず
梨出荷、全国で始まる

みたいな感じで、これは意識の中にありました。
しかし、今回改めて気付きましたね。「を」も省けるんだと。
ケースによりけりですが、報道っぽい気分が出るようです。

リピーター稼ぐ、究極の方法
時短への取り組み、成績伸ばす
見る目変わる、越後屋のかき氷

うん、おもしろいですね。
クセになりそうです。
あっ、最後のは「が」の省略でした。
結構、なんでもいけるって話なんですかね。
ということは、主客の区別が付きにくくなるリスクをはらんでいそうです。

政府待つ、民間主導の動き

この場合、政府「を」待っているのか、政府「が」待っているのかが、判別できません。
やっぱり、ケースによりけりなんでしょう。
二義が起こり得るときは、省略しないで、きちんと助詞を入れる。
意味合いが明らかなときは、試みに直結してもいい。
あーでも、知っちゃうと、中毒性があるな。
今後、このブログで急増していく予感です。
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てつまる

Author:てつまる
神奈川県を中心にフリーで活動しているライターです。
超IT系を除き、医療・各士業・経営者・アスリートへの取材、アーティストプロモート(情報発信)、イベントレポなどを手がけています。

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