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[2373] 新聞の事例研究-その9-複合動詞のひらがな再考

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

複数の動詞を連続させた「動きはじめる」などの複合動詞。
主たる意味のほうを「漢字」とし、副詞的用法は「ひらがな」にする。
いままで、そういう意識でライティングしていました。
敬語表現もふくめると、

お書きください
お乗りいただけます
動きはじめる
走りすぎない
考えうる
壊しかねない

の用例収集はできていました。
しかし、すべての複合動詞に該当するかというと、そうともいえないようです。

複合動詞に漢字を使う場合のサンプル
読売本紙から、「送り出す」「戦い抜く」「取り組む」の各用例

いずれも会話文ですけど、ひらくかどうかは内容と関係ないので、用例にしていいでしょう。
気になるのは「送り出す」で、たしか「飛びでる」という用例が収集できていたと思います。
改めてこの3つを、記者ハンに聞いてみましょうか。

送り出す・送りだす・・・どちらも可。
戦い抜く・戦いぬく・・・どちらも可、ただし「闘い」という変換候補を出してきました。蛇足です。
取り組む・とり組む・とりくむ・・・あれ? 何で。

おそらくですけど、「とりくむ」の主たる動作は、「組む」のほうだろうと。
取得とは違う意味なので、取るを回避してきたんだと思います。なるほどねー。
それはそれとして、結局、ケース・バイ・ケースなんですな。
統一されていない。
読売さんはもともとクセがあるんだけど、もう少し用例収集を重ねていかないといけなそうですね。

個人的にも、漢字の勢いを生かしたい複合動詞があって、例えば「走り続ける」なんてのは続けたいですよ。
記者ハンは、「走り続ける」と「走りつづける」を出してきますけどね。

さて、どうしたもんでしょうな。
とりあえず、敬語の副詞的用法「いただきます」「ください」は、完全にデフォ。
「える・うる」と「かねる」も固定でいいでしょう。
ほかは、使う場の性格次第かな。
ただし、どこかのメディアでひとたびひらいたら、同じメディアでは徹底してひらく。編集から直されない限りね。
ということで、この件、暫時、保留。
実務上は原則としてひらく派、副詞的用法のニュアンスが強い場合に漢字。

・・・にしても「とり組む」かぁ、悩むな。
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[2372] ら抜きを問う前に、ら入りを問え

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

「食べれる」「当てれる」などのら抜き言葉には、アレルギーを持っています。
記者ハンを装備している限り“避けられる”ので、実際に書くことはないですけどね。
その一方、い抜き言葉は、状況により使っています。
「使ってます」「わかってない」の類いです。
いかん、本題から反れました。

さて、読売の本紙で「作れる」というコトバを見かけ、一瞬、ドキっとしました。
ついに、容認へ動いたかと。
でも良く考えてみたら、五段活用は、もともとら抜きなんですよね。
「働ける」「動ける」などと同様で、ただ、「作れる」の場合は語尾がラ行だから、ら抜きに思えてしまっただけ。
「寄りかかる」の可能も、「寄りかかれる」が正しくて、「寄りかかられる」とは言いません。

「作れる」の実例として読売新聞から
「作る」は五段活用なので、「作れる」でいい

このドキっの原因はおそらく、「作られる」というコトバが、それはそれとしてあるからでしょう。
例えば、様々な細胞“から”ときたら、「作られる」ですよね。
これが、混同の元だとにらんでいます。

そう考えると、難しいという観点だけでなく、構造が不安定という意味でも、ら抜きを是認すべきかもしれません。
定着してしまえば、いずれ何とも思わなくなるわけで。
無理に・・・といか、下手に矯正させようとすると、上記のようなケースでも「作られる」としかねない。
実際、「様々な細胞が作られる」が正しいと思う人もいるでしょう。
iPSの性質は抜きにして、文法上だけの話とすれば、むしろコッチが間違い。
あっ、記者ハンは、可能のダブリを指摘してこないんですね。
わちゃー、ら抜きを問う前に、ら入りを問えってことです。
「寄りかかられない」と「作られる」の違いって、ほとんど違和感の有無ですよね。
文法として意識しているわけじゃない。
とりあえず、五段活用で語尾がラ行のコトバ集合! 大調査、開始っ。

送る・贈る-「贈れる」でいいんだぞ。あれ?「贈られる」って何だ?主客の転倒か。
折る-「折れる」でいい。「折られる」は主客。
刈る-「刈れる」でいい。「刈られる」は主客。

ざっとしか思いつけていませんが、多くの場合、主客で使い分けられそうですね。
そんななか、「作れる」「作られる」だけは注意しとけと。
ふぅ、ら抜き派に入りたくなってきた。

[2371] 許可と認可

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

この間、テレビを見ていたら、
「○○の場合、『許可』ではなく『認可』です」
というようなテロップが流れたんですね。
タレントが「許可」という言葉を使った直後に出していました。
この両者、わざわざテロップを打つほどの違いがあるんだ。
少し、調べてみましょうか。

さて、その答えは、Webで簡単に拾えました。
「許可」は、もともと禁止されている行為をできるようにすること。違反すると罰則が科せられます。
他方の「認可」は、禁止されていない行為が対象。この場合、違反しても、その行為が無効とみなされるだけ。
・・・なんだか、わかったような、わからんような。

浦賀の渡し船
練習問題として、船賃を取る「渡し船」

「渡し船」で検索すると、その法律的な事業名称は、「一般旅客定期航路事業」でした。
そこで「一般旅客定期航路事業」を検索すると、国交省のサイトがでてきて、「許可制」であることがわかります。
つまり、「渡し船」は一般に、禁止行為だったんですね。
自動車の運転も同様で、無免許運転には罰則が科せられる。
このように、免許が必要な行為は・・・あたりまえですけど・・・許可制。

他方、「渡し船」のルート変更は、「認可制」でした。
運賃やルート変更自体は禁止されていない。よって、認められればOK。

そんなことで、認可か許可かで迷ったら、法律的な事業名称をたどっていく必要がありそうですね。
だって、禁止行為かそうでないかなんて、わからないもの。
テキストの場合はまだいいほうで、調べる時間的な余裕があります。
問題は、収録でしょう。
知っていないとボロが出る。

たとえば、「栽培したしいたけを販売する行為」・・・どちらでしょう。
あっ、適当に書いたんですが、個人でやる分には、許可も認可も要らないんですね。
一定の規模になると、保健所の営業許可が必要。
よって、無人の販売小屋なんてのは、許可でも認可でもない。
「認可を受けた正式なスタンドなんですか?」なんてレポは、それ自体がヤボということになる。

じゃあ、鮮魚はどうだっ。認可を受けた魚屋さんなのか、許可を受けた魚屋さんなのか。
答えは、食品衛生法第52条第1項および食品衛生法施行規則第67条第1項による「許可制」でした。
へー、魚屋さんって、禁止行為だったんですね。
まあ、生もの絡むからな。

そんなら、旅行業やったろかいっ。
これもまた複雑な話で、原則、届出制らしいです。許認可はともに不要。
よって、「認可を受けた旅行会社」なんて言い方はしない。
「ちゃんと、登録済みなんですよね?」みたいな聞き方ならOK。まあ、あえてするならですけど。

結局ね、調べないとわからん。
もしくは、主たる業種を張り出しておいて一覧できるようにするとかね。
そうだ、「許可」とか「認可」なんて言葉を使わない・・・という手もあるか。
これかな、もっとも確実な方法といえるのは。
どうしても使う場合は、デリケートに選ぶこと。

[2370] 一刻一秒と一国一城

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

「一刻一秒を争う」
と書いておいて、はたして正しい表現なのかなと、考え込んでしまいました。
こういうセルフチェック、大切です。

試しに「一刻一秒」で検索してみたら、使われてはいるようなんですね。
ただ、著名なWeb辞書は取り上げていない模様。
紙の『新明解』にも載っていませんでした。

そこで思ったんですが、もしかしたら「一国一城」との混同ではないかと。
そもそも「一刻」を現代の時間で表すと、30分になるそうじゃないですか。
つまりは1800秒。
1800や1を争うって、ずいぶんルーズーですよね。
緊迫感がない。
結局、『新明解』になかったこともあるし、使わないことにしました。

姫路城で一刻一秒
一国一城の茶濁として、姫路城様のおでましです

こういう誤用というか混同って、ほかにもありますよね。
そう言いつつ、ぱっとは出てこないんですけども。
そうだっ、「弥が上にも」と「いやが応でも」が混ざった、「いやが上にも」とかね。

その一方、こうした誤用は、マジョリティになると市民権を得るんです。
カラオケで、「いやが上にも」盛り上がっちゃう。
あながち間違いとは言い切れなくなってくる。
コミュニケーションの可否は受け手側の問題なので、使っている側が「違う」と言ったところで、受け手に通じれば十分。
その線引きは、市民権を得ているかどうか。
名だたる辞書が用例を載せはじめたら、「得た」と言っていいでしょう。
さて、「一刻一秒を争う」はいかに。

難しいですよね。
うーん、現代小説などでは散見されるもの、まだ、「得てない」んじゃないですか。
もっともらしい記事で「一刻一秒」を見かけると、ちょっとバカっぽく思えちゃう。
少なくとも、自分はそうならないように気をつけます。

[2369] ダイアかダイヤか

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

ダイヤモンドに限らず、「ア」か「ヤ」で迷う場面は、多々あります。
このようなときは、「ダイヤ ダイア」などで検索し、マジョリティーに従いましょう。
何度も言いますが、コミュニケーションは、受け手がどう思うかで決まるんです。
ルールや自説をいくら振りかざしても、相手が「?」と思えばそれまで。
多数意見に従っておけば、その「?」を極力減らすことができます。

一応、ルールとして、文科省からガイドラインが出ています。
外来語の表記:文部科学省

それによると、
~4 イ列・エ列の音の次のアの音に当たるものは,原則として「ア」と書く~
そうです。
つまり「ダイア」が正しいということになるものの、例外となる慣用も認めているんですね。

「ダイア」か「ダイヤ」かを判断するガイドライン
ガイドラインというより、レポートのような現有是認

コトバは生き物なんだから、ルールで縛るべきではない。
「ヤ派」が多いなら、「ヤ」でいいじゃないか。
まっ、そういうことです。
なので、検索してみて多く使われている方を、その時点でのデフォとする。
じゃあ、練習問題、いってみましょうか。

プレミアムとプレミヤム
Google で「プレミアム プレミヤム」と検索してみたら、
「もしかして: プレミアム プレミアム」
と促されました。ガイドラインとも合致していますし、これは「プレミアム」でいいでしょう。

ヘアケアとヘアケヤ
Googleさんは、
「次の検索結果を表示しています: ヘアケア ヘアケア」
と返してきました。さっきより強気です。
同じくガイドラインと合致。問題なしですね。

ニアピンとニヤピン
おっ、Googleさん、何も言ってきませんね。
続く検索結果を見てみると、「ニアピン」が主流派。よって「ニアピン」決定というわけです。

ちなみに、文科省が認めている例外のダイヤル。
「ダイヤル ダイアル」で検索してみたところ、やはり「ダイヤル」優性でした。
ところが置き順を逆にして「ダイアル ダイヤル」としたところ、今度は「ダイアル」が優性に。
先に置いた方を優先するんですかね。
そこで、検索結果のページを追っていくと、3ページ目くらいから逆転現象が起き始めます。
ここ、注意が必要みたいですね。

【結論】
文科省ガイドラインで原則としている「ア」を先にして、「ヤ」とともに検索する。
Googleが何か言ってきたら、その通りに従う。
何も言ってこない場合、検索結果をしばらく追ってみる。
そのうえで、「ヤ」の量によって最終判断とする。
そんなところでしょうか。

[2368] 五七調と九九

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

「昭和の香りをコピーで出したい」
編集会議で、そんなムチャ振りをされまして。
そのとき思い浮かんだのが、五七調だったんですね。
例えば、

きわだつあまさ とちおとめ
かぞくのえがお みたいから
おかいもとめは まるよしで
ここでやらねば だれがやる

関係ないのが1個まざっちゃってますけども。
昭和の時代、こういった五七調が全盛でしたよね。
歌詞とかもそうでしたし。
例えば「忍者ハットリくん」とか。

そーらをとーび たにをこえ ぼくらのまちへ やってきた・・・以下略。

あのリズム感って、昭和って感じがしませんか。

銭湯の手描き看板
良く数えると字余りだが、ギリのところで七七調

ここから話が反れていきます。
日本語は、1文字1音で表せますよと。
だから、短歌や川柳のような文化が楽しめる。
それは日本人の遺伝子といってもよく、五七調だと、聞いていて収まりがいい。
で、いきなり九九の話題へ飛んだんです、なぜか。

そういえば、一桁の数字って、1音か2音だよねと。
イチ、ニ、サン、シ、ゴ・・・以下省略。
だから、九九のヨミを短くかつ同じ程度の文字数でまとめられる。
ニニンガシ、サザンガク・・・以下略。
一方の英語は長い。ファイブ、シックスなんてのもあるし。
スリー・エン・スリー・イズ・ナインなんて、リズムが悪いわよね。
日本語の特徴が出せる五七調のようなコピー、ちょっと作ってみましょうか。

あれ? 主眼って「昭和の香り」じゃなかったでしたっけ?
いつから「日本語の特徴」になったんでしたっけ。
まあ、思った方向に流れていったんで、口出ししませんでしたけども。
一応、議事録として、ここに書いておきます。
決めたのは、あなたですからね。
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てつまる

Author:てつまる
神奈川県を中心にフリーで活動しているライターです。
超IT系を除き、医療・各士業・経営者・アスリートへの取材、アーティストプロモート(情報発信)、イベントレポなどを手がけています。

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