[2334] 同じ助詞の繰り返しを避けなければならない理由

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

日本語には、関係代名詞という概念がないんです。
一つの文の中なら、主語や述語は常に一つ。

最も言いたいのは、私は、日本人は優しいと思われていることが不思議だということです

こんな日本語を書いてちゃ、ダメ。
因数分解してみると、

最も言いたいのは、[私は、[ [日本人は優しい]と思われていることが不思議だ]ということです

文章の構造が分からなくて、不安になってきます。
主語に限らず目的語も同様で、

この料理には、血を抜いた魚を使います

なんて「を」のカブリも、本来は正しくない。
おしなべて、テニヲハがカブっていたら、その時点で悪文と考えていいでしょう。
もちろん、「の」だけは例外です。

一葉だけの紅葉
主格や目的格を1つに絞り込めてこそ、正しい日本語といえる

ただし、現実問題として、複雑なニュアンスを盛り込みたい場面はあります。
そこで、関係代名詞の代わりになるのが、カッコなんですね。

私は「日本人は優しい」と思われていることを不思議に思う

これはセーフです。
さらに、読点で区切られた文なら、主述の再構成ができます。
もちろん、関係代名詞のように挟まないで、独立した文を並列させます。

「日本人が優しい」と思われている現象について、私はいつも不思議に感じています

でも、まあ、あくまで最後の手であって、本来なら、1主語+1述語が望ましい。

はたして日本人は優しいのでしょうか。私はいつも不思議に感じています。

冒頭の組んずほぐれずした稚拙さは、どこにもありませんよね。
しかし、テレビで聞く原稿でさえ、あまりこの点に注意を払っていないんです。

明け方「に」降り出した雪「に」関する緒注意「を」促す放送「を」防災無線など「を」通じて市民「に」呼びかけています

デタラメですよ。こんなの、電波に乗っけちゃ、ダメ。
意味がわからない。

明け方から降り出した雪に関する緒注意が、防災無線などの手段を通して、市民へ呼びかけられています

どうにでも、やりようはあるんだけどな・・・。
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[2333]「また、」がダブるときの代替語

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

接続詞の「また」は大変便利なコトバで、それだけに気をつけていないと、繰り返し使っていたりします。

当店の自慢はイチゴを使ったスイーツ各種です。また、イチゴそのものの通販も取り扱っております。
また、直接、来店された方には・・・

みたいな感じですね。
ダブっていることに、気付きました?

さて、「また」の意味するところは、煎じ詰めると「プラスして」ということですから、さまざまな代替が可能です。
なかでも気に入っているのが「加えて」。

当店の自慢はイチゴを使ったスイーツ各種です。加えて、イチゴそのものの通販も取り扱っております。
また、直接、来店された方には・・・

クスノキのまた
クスノキの「また」という茶濁でございます

「加えて」の使いやすいところは、頻度の高い助詞を伴わないこと。
たとえば「さらに」で置き換えた場合、続くコトバに「に」が使われていると、助詞のダブリを起こしてしまいます。

さらに、基本的に、お持ち帰りいただくことが可能です。
加えて、基本的に、お持ち帰りいただくことが可能です。

なので、第一優先としては、常に「加えて」。
ほかの代替として、「さらに言えば」「付け加えるとするなら」なども考えられるんですが、それぞれ、「・・・ば」「・・・なら」を繰り返してしまう可能性があります。

付け加えるとするなら、ご来店いただいた方なら、10パーセントお値引きいたします。

その点「加えて」は、フリーというのか、余計な表現が含まれていないんです。
あえて言えば「て」ですかね。

加えて、無農薬であることを確認して、原材料を取り寄せています。

まあ、読めなくもなくもない。
どうしても気になるようだったら、「確認し」にするか「確認してから」に変えればいいだけの話で、「加えて」の使いやすさは不動です。
こんなに便利なコトバがあるかっ、てくらい重宝。

「が」のダブリのときの「ものの」(軍師が指揮したが負けた/軍師が指揮したものの負けた)。
「また」のダブリのときの「加えて」。
これらは、自分の中のツートップです。
余計なことを考えず、置き換えるだけ。代替による再調整は、ほぼ、要りません。

[2332] 形を帯びる、色を帯びる、「帯びる」の使い方考

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

「実現できる場の整備があってこそ、私たちの理念は『形を帯びる』のです」

そう書いてから、何となく「色を帯びる」のほうがいいんじゃないか・・・という気がしてきました。
何となくじゃ、いかんですな。
コトバはロジック。
その一つ一つに、厳格な理由が存在しなくては。

そこで「帯びる」の意味を調べてみたところ、「ある性質や要素を含む」ということのようです。
つまり、付帯ということ。
もともとは「刀を帯びる」のように使われ、この場合でも、あくまで刀のトッピングなんですね。
コトの本質がまるっきり別方向へ変わるのとは、訳が違う。
お侍さんはお侍さんで変わらないんだけど、外出するときなんかに、ちょこっと二本差しを「帯びる」。

セブンヘアーのPOP
やおらコミカルタッチを帯びた、理髪店の広告

ということはですよ、「形を帯びる」にしてしまうと、トッピングの域を出ちゃいますよね。
丸だったものが三角になる。
今回言いたいのは、ダイナミックな変化ではないわけです。
あやふやだった正体が、うっすら見え始めてきた。
モノクロイメージだったところへ、鮮やかな色合いが付いてきた。
答えを誘導しちゃってますけども。
いずれにしても、「色を帯びる」のほうが好ましかろう・・・という結論に至りました。

この「帯びる」。どうやら、使い方に注意が必要ですね。
基本は、お侍さんあっての、刀ちょい差しなんですよ。
「平和だった田舎町が、突然、戦国時代の様相を帯びてきた」
なんてのは、行き過ぎ。
ここまで変わると、「呈してきた」になるのかな。
ホンモノの戦国時代なら、「突入した」。

影響度の弱い順にまとめると、
「帯びる」
「呈する」
「突入する」・・・突入じゃなくてもいいけど、要は、すっかりシフトしちゃったというレベル。

冒頭、「舞台があってこそ、プレイがハッキリする」というニュアンスなら、やはり「色を帯びる」。
理念の形が変わるという話ではないので。
と、ここまで来ておいて「中身を伴う」にしようかなと、迷い始めています。
そこまであやふやじゃないから、やっぱ「色を帯びる」か。
結論。あすの内校でもう1回考えます。

[2331] 新聞の事例研究-その2-「子供」と「子ども」

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

この間、読売本紙が「子供」表記だったことに気付き、いまさらですけど、驚きました。
例えば「労働者供」とか「怪物供」といったように、「供」には見下して突き放すニュアンスがある。
なので一般には、「子ども」とすることが多いです。
ちなみに記者ハンは、どちらでもいいとしています。

それにしても、いままでちっとも気付きませんでしたな。
他紙はどうなんだろうと思って、一応「朝毎読」の記事検索をかけてみたところ・・・。

読売でもブレがあり、感覚値で1割は「子ども」。
朝日は正反対で、ほぼ「子ども」。
毎日は良くわからず、原則「子ども」ときどき「子供」といった感じでした。
もちろん固有名詞と字数制限のかかるタイトルを外しています。

読売新聞の「子供」表記例
今回のきっかけとなった読売の記事

上記写真。タイトル以外でも、本文上段の真ん中あたりに「子供や赤ちゃ」んの表記が確認できます
確かに、「大人」と対比するときなど、「子供」にしたい場面ってあるんですよね。
記事に限らず、料金表や薬の注意書きもそう。

大人・・・1回2錠
子ども・・・1回1錠

実際は詳しい年齢を入れたりしますが、大枠としてはこんな呈で、字余り感が出る。
小人っていうのも何ですしね。
遊園地とかプールの料金表だと、たまにありますが。
話を戻して、子ども。

侮蔑的なニュアンスがある以上、個人的には「子ども」かな、やっぱり。
漢字をひらがなにしたところで、やっていることに代わりはないものの、字面がストレート過ぎる。
虐待とか差別を扱う記事の場合、さすがに手控えてしまいますね。「子供」表記は。
障害者とせず「障がい者」にする動きと一緒で、ひらいたなりの柔らかさというものは否定できないでしょう。
よって、今回の個人的な結論は「子ども」。
事例研究は、今後も続けていきます。

[2330] プロフィールは、生い立ちの記ではない

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

プロフィールには、淡々とした事実だけを詰め込むべきであって、「読ませよう」としちゃダメだと思います。
「読ませよう」というのは、事実とは言い切れない心の動きや文章的な装飾を、盛り込むこと。

例えば、人生を左右するような恩師に出会ったとして、
「○○先生に師事する」「○○氏から薫陶を受ける」くらいはセーフでしょう。
しかし、「○○先生の自然を大切にする考え方に大きな影響を受け、自らをネイチャリストと捉えるようになった」なんてのは、本文でやってクレって話です。
極論するなら、「読んでいておもしろかった時点で、プロフィールじゃない」。
おもしろさを感じるということは、物語ってことですからね。
プロフィールは、事実の併記にとどめておくべきです。

二宮尊德のテロップ
小職が画像提供をした、某モーニングショーから

これはプロットですが、プロフィールとして見るなら、すこし色を付け過ぎ。
とくに「猛勉強の末」は不要でしょう。
だって、事実とは言い切れないもの。
どちらかというと、人が下した評価ですよね。

「貧しい」はギリあってもいいくらい。
とにかく、農家出身で、農政改革の指揮を執り、武士の身分を許された・・・そこまでが事実。
間にある紆余曲折は、本文で書くべき内容。
これ、ものすごく注意してくださいね。
といっても、ライター以外には関係ないことですけど。

とかく物足りなさを感じて装飾してしまいがちなのが、プロフィール作成の落とし穴。
コツとしては、略歴や参加団体などを箇条書きにして、それを横につなげるだけでいい。
■■卒業「後」とか、■■勤務「を経て」とか、最低限の接着剤は使ってもいいけど。
あと、会の所属などは、いちいち、
▲会所属、▲会所属
なんてやらずに、
▲会、▲会、各会所属。
でまとめちゃいましょう。

あっ、規定文字数に足りませんか。
じゃあ、しょうがないので、「猛勉強の末」を入れましょう。
言っときますけど、最後の手段ですからね。
出身地や生年を追記するとか、大学以降じゃなくて高校まで含めるとか、いろいろやり尽くしたうえでの「猛勉強の末」。
第一、本文で書くことなくなるでしょ。
そういうダブリが起こること自体、好ましいプロフィールとはいえないわけです。

[2329]「湧く」と「沸く」

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

このところ同音異義語ばかり追っているので、次回あたりから改めます。
今回は、とりあえず、「湧く」と「沸く」。
最初に、記者ハンの講釈を聞いてみましょうか。

「湧く」・・・水や涙が自然に出てくること。または、虫などが発生すること。
「沸く」・・・水が煮立つこと。熱狂すること。
つまり、「タクサン」なときは「湧く」で、「アツイ」ときは「沸く」だよと。
じゃあ、人気が集まったときなどは、ドッチの「ワク」なんでしょう。
熱狂のような気もするし、量的な評価のような気もするし。
これでときどき、手が止まるんです。

大山の名水が「湧く」
わかりやすい湧き水の茶濁でございます

たとえば、温泉が「ワイテ」いるときなんかも考えちゃいますよね。
源泉からお湯を引いていて、その場所はドコなんだというときは、「量」を示す「湧く」なんじゃないかな。「湧泉」なんてコトバもありますし。
そうじゃなくて、ボコボコいってる描写だったら、煮立ち系の「沸く」。
まあ、でも、実質「沸く」か。
決断がつかなかったら、「出る」とかにしちゃいましょう。
「温泉が出る」・・・何かチープですね。やっぱり「ワク」を使いたい。でも、ドッチだかわからない。

同様に「人気がワク」。
おそらく、定性にもっていきたいか、それとも定量で表したいかで、選択するんでしょうよ。
深夜まで「沸いた」。
昨年より10倍の勢いで「湧き上がった」。

10倍で「沸く」っていったら、1000度で沸騰ってことですから、そういう意味じゃないこともある。もちろん、そういう意味の場合もあるけれど。
まあ、でも、実質「沸く」か。
決断がつかなかったら、「出る」とかにしちゃいましょう。
「人気が出る」・・・いいじゃん、それで。
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てつまる

Author:てつまる
神奈川県を中心にフリーで活動しているライターです。
超IT系を除き、医療・各士業・経営者・アスリートへの取材、アーティストプロモート(情報発信)、イベントレポなどを手がけています。

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