[2308] 三人称「だ・である」で注意したい、伝聞と推量の見極め

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

テキストの発注時に確認すべき重要なポイントとして、「です・ます」なのか「だ・である」なのかという記述の問題があります。
さらにいうと、一人称なのか三人称なのかも必要で、一般的な組み合わせとしては以下となるでしょう。

○一人称です・ます
取材対象者の口調
「当事務所は常日頃より、満足のいくサービスを目指しております」

●三人称だ・である
取材者の口調
「同事務所が常に目指しているのは、満足のいくサービスだ」

可能性としては、「一人称だ・である」や「三人称です・ます」も考えられるんですが、実際のところ、あまり使われません。

避難勧告が解かれた富士山方面
自然現象のような一人称がなじまない場合は、「三人称です・ます」もあり得る

話を標題に戻しまして。
「です・ます」のカブリは、もともと丁寧な言い方だけあって、そんなに気にならないんです。

当社は常日頃より、満足のいくサービスを目指しております。
そのために必要なのは、お客様への感謝だと考えています。
「満足なくして感謝なし」がポリシーとなっています。

一方の「だ・である」は、基本的に上からなので、カブリがきつくなるのだ。

同社が常に目指しているのは、満足のいくサービスだ。
そのために心がけているのは、顧客への感謝の心だ。
「満足なくして感謝なし」が同社のポリシーだ。

これを回避する便利な方法として、言い切ってしまう体言止めや、三人称を生かした伝聞調などが考えられます。

同社が常に目指しているのは、満足のいくサービス。
そのために、顧客に対する感謝の心を忘れないという。
「満足なくして感謝なし」が同社のポリシーとなっている。

体言止めを嫌うところもありますけどね。
また、伝聞はヨシでも、推量をダメとしてくる編集もいます。なぜなら、本当かどうかがぼやけるから。

「満足なくして感謝なし」が同社のポリシーといえるだろう。

ここは、要注意ですね。
「ポリシーといえる」だけでも微妙なところで、なぜなら、書き手の考えにすり替わっちゃうんです。
したがって、置換候補とはなり得ません。
近い表現ですけど、「ポリシーだという」はセーフ。これなら、取材対象者のコトバですから。
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[2307] わかりやすさと正確さは反比例する

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

標題の件。
以前にも書いたと思いますが、ちょっとしたジレンマに陥っているので、また、取り上げてみたいと思います。

きっかけは、骨の再生治療について取材したときのこと。
詳しく説明すると論文になってしまうので、ここでは、骨をくっつける接着剤のようなものがあったとしてください。
で、最新の接着剤は、液体ではなくて半固形状に加工することができるんだと。
だから、好きなところへパテのように盛れるし、糸で縫い付けることもできる。
これを自分は、「とろけるチーズ」に例えたわけです。
溶けたチーズは流れていってしまうけど、冷めた状態なら狙った場所にとどまっているじゃないかと。

これを先生は「正確じゃない」とおっしゃるんですな。
内容としては合っているんだけど、このままの表記じゃ載せられないとのこと。
そりゃ、チーズと医療素材は違いますよ。
それをわかりやすく伝えるのが「例え」なのっ。
まあ、いくら言っても伝わらないわけです。

手作りカレーピザ
余りものによる手作りカレーピザの茶濁

ペイドやサイトコンテンツの場合、最終的な校正は取材元が行いますよね。
そうなるとですね、得てして、わかりやすさより正確さが重視されます。
おそらく、変な誤解を持たれるのが、何より嫌なんでしょう。

さらに、編集者が業界ズレしていて、「出稿者がいいって言うならいいじゃないの」というスタンスを固持していると、もはや手が付けられません。
特にこの傾向は、医業や士業のような専門性の高い媒体で顕著になるようです。
もう、一見しただけだと、何が書いてあるのかわからない。

ライターとしては、意をくんでわかりやすく伝えたいわけですよ。
でも、Webのような無料のメディアでは、お金のやりとりを編プロと取材元でしか行いません。
すると、どうしても、お金の出所の意向を優先するようになります。
書籍でも、ページの販売で収支が成り立っているような仕組みだと、一緒ですよね。

そんなことで、最近、納得できない仕事ばかりしています。
少なくとも、ニホンゴを書いていないです。
私見ですけど、条件のいい案件ほど正確性を求めるので、ニホンゴから離れていきます。

[2306] セオリーのないセールスコピーのセオリー

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

記事や紹介文ではなく、「買う」というアクションに直結するようなテキストのことを、セールスコピーというそうです。
でまた、専門のセールスコピー・セミナーなるものを見かけるものの、あまり意味がないのではないでしょうか。
なぜなら、書き方は、ターゲットやシチュエーションによって変わり得るからです。

C向けなのかB向けなのか。
あるいは、ニーズ層なのかウォンツ層なのか。
消費財か動産かでも違ってくるでしょう。
要は、「自分がその立場になったとき、思わず手を伸ばしたくなるコピー」を考えればいいのであって、そこにセオリーなんてないと思うんですよ。
無数のセミナーが開催されていること自体、正解のない証拠ですよね。
冷静に見れば、「まちまちなことを言っている」に過ぎないのではないでしょうか。

サザエのカラ
例題) 価値のないサザエのカラを、投資家へ売るにはどうしたらいいのか

例えばですけど・・・。
サザエは、約10万個に1個の割合で、逆巻の希少種がいるそうです。
マニアなら、そのカラに20万円の値を付けるとのこと。
そこで、江ノ島の食堂から、カラ5万個を1万円で引き取ろうと思います。
出資していただけませんか。もうけは折半です。

ロジックの裏付けがあれば、思わず「乗った」になりますよね。
セールスコピーって、こういう話でしょ。
つまり、筋書きがあってのリサーチやマーケティングなんですよ、本来は。
ストーリーが先。リクツは後。
セミナー受けたからって、こういうストーリーが立案できるようになるのかな。

どうしたら「乗った」と言わせられるのか。
それを、案件ごとに工夫した結果がセールスコピーであって、仕組みや決まり事で書くようなものじゃないと思うんですが。

[2305] トリバゴのサブリミナル効果を企画書で使ってみた

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

「ホテル? トリバゴ!」ってCFがありますよね。
あれを見ていたら、かつて隆盛を極めたサブリミナル効果じゃないかと思えてきたわけです。
「バザールでこざーる」のような、社名やサービス名のインプリンティングというのか。
大阪電通の得意技として有名でしたっけ。
あの、忘れていた流れが、再び時を経てよみがえってきたなと。

そこで、たまたま手掛けていたホワイトペーパーに流用してみようと思いつきました。
企画書の端々で、「ホテル? トリバゴ!」をやってしまえと。
ただ、テレビと違って音声は出ないので、フキダシが必要。
そうなると、誰にしゃべらせるのかが問われますよね。

サブリミナルっぽいイラスト
別に、赤城乳業のホワイトペーパーを手掛けていたわけではありません

フォントのなかには、「字」の代わりに、「絵」を対応させているものがあります。
今回目を付けたのは、そのなかのひとつ、Vacation MTです。
山ガハ時代から、結構、お世話になっています。
この、小文字「r」を使ってみることにしました。

もともとはボールをナニしていたのに、ハイタッチ風なトーンへ変わりましたよね。
もちろん、好ましい偶然です。
ただ、そのままQ数を大きくしても機種依存の可能性がありますから、画像扱いにしないといけない。
ついでに外枠を消して、フキダシを付ければ完成。

これ、何でもいけます。
「家電? パナソニック!」
「ケチャップ? デルモンテ!」
「出金伝票? コクヨ!」

こんなサブリミナルを全ページに付けたら、嫌でもサービス名を覚えるんじゃないかと。
企画や仕様に関心を持ってもらったところで、肝心のサービス名が記憶に残ってなければ、意味ないじゃないですか。

この作業をやっていて感じたんですが、サービス名は「4文字以内」がベスト。
ちなみに、このときは11文字でした。
もうね、全然もたついちゃってダメなんですよ。
仮に、11文字の例として「マーズパスファインダー」としましょうか。

「火星探査? マーズパスファインダー!」
「ホテル? トリバゴ!」

重たくって、サブリミナルにならないでしょ。
ですからね、商品の名前を付けるときは、よくよく考えてください。
「4文字以内」かどうかで、取れる広告戦略が変わってきます。

[2304]「たり」の重複ルールが使いにくい場合の代替語

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

繰り返して使うのが原則の「たり」。
サ変の動詞で用いると、どうもシーシーしちゃうんですよね。
「したりする」という部分がどうしても避けられない。

「追加したり変更したりするときに重宝します」

そこで最近、多用しているのが「あるいは」です。

「追加する、あるいは変更するときに便利です」
「追加、あるいは変更の場面で重宝します」

「または」でもいいんですが、「あるいは」のほうがソレっぽくなる。
評論家が使っていそうなコトバですもんね。
それに、文頭で「また、」を使っていると、知らずに重複している場合があるんです。

「また、追加、または変更の場面でも重宝します」
よって、「あるいは」が一番使いやすい。

宇宙食のヨーカンとタコヤキ
宇宙食の一例として、ヨーカン、あるいはタコヤキなどが挙げられる

「あるいは」の後に「、」を打つ人もいるようですが、読点だらけになるのも何なので、自分は使いません。
ただ、「たり」にも捨てがたいところがあって、ニュアンスをボカせるんですよね。
「吸ったりもんだりできます」と聞くと、それ以外のこともできるような気がしてくる。
「吸う、あるいはもむことが可能」だと、できることが限られる。

また、商業文では使わないものの、シングルたりって、意外と好きだったりします。
明言を避けられるというのか、トーンが柔らかくなったりしますよね。

話しを戻して「あるいは」。
結構、目につくコトバなので、多用できないところが玉に傷。
そこで、ときどき、まんま並列という技を使うことがあります。

「例えば、小腹がすいたときにちょっと食べる、朝ご飯の代わりとして空腹を満たす、そんな使い方が考えられます」

要は、「したりする」っていう部分に、ものすごいアレルギーを感じてしまうんです。
文字のムダというのか、工夫のなさというのか。
文字のムダ、あるいは工夫のなさというのか。
文字をムダにしていたり、工夫のなさが露見したりするというのか。
ね。変でしょ、やっぱり。

[2303] 最大限の努力って、もう、誰も信じないから

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

政治家がたびたび使う「最大限の努力」。
これって、実質、「手を抜かない程度に、そこそこやってます」くらいの意味しか持たないと思いませんか。
だって、本当に最大限だとしたら、ほかのことへ手が回らないはずでしょ。
余力があるということは、最大限じゃない。

この、鼻白み感があるもんで、商用文でも避けるようにしています。
「当院は、衛生管理に最大限の留意を図っています」
→まあ、病院だからね。当局から刺されないくらいのことはやってます。
この程度のニュアンスしか、込められないと思うんですよ。

じゃあ、どうしているのかというと、ごく普通の言葉を書いています。

春の芽生え
自然な姿こそ、力強さを感じることもある

患者さんに気持ち良く通ってもらうには、清潔さが何より。
特に、始めて来院される方は、衛生面を気にされるのでないでしょうか。
「ここなら安心」と実感していただきたくて、わたしたちは、目に見えない部分にもこだわっています。

文字数が増えますけどね。
でも、それに比例したメッセージが伝わるはずなんです。
やってもいない前提の「最大限」を使うより、気持ちや理由を置いておくことが大切。
器具の使い捨てウンヌンとか、患者さんごとに取り換えるとか、そういう細かな話は、むしろ要らなくなってきたりする。
というか、どこもやっているので、置く意味がないわけです。
少なくとも、それが「最大限」ってことじゃないだろうと。
コアにくるのは、あなたたちの気持ちだろうと。

話は戻って、政治家の「最大限」。
何か、こう、見ていて目を伏せたくなってくるわけですよ。
気持ち入ってねぇなと。
よく、そんなこと言ってられるなと。
慣れちゃってフォーマット化しているんでしょうね。
その時点で、最大限じゃないわけですが。
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Author:てつまる
神奈川県を中心にフリーで活動しているライターです。
超IT系を除き、医療・各士業・経営者・アスリートへの取材、アーティストプロモート(情報発信)、イベントレポなどを手がけています。

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