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[3312] 「ウェー」か「ウェイ」か

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

朝日新聞の副読紙に「核のハイウェー」という表記がありました。
副読紙ならではの表現かと思いきや、調べてみると、そういう書き方をするようですね。
ちなみに記者ハンは、すべてを全角で打つ「ハイウエー」を推奨しています。
試しに、新明解さんに確認したところ、この語句自体を扱っていませんでした(第五版)。

じゃあじゃあ、「アウェイ」はどうなのか。
なんと、記者ハンは、小文字を含む「アウェー」推しなんですね。
「アウエー」じゃないんです。
まあ、確かに、あうえーって変ですもんね。
なので朝日さんは、両者の中間を取って、「ハイウェー」にしたのかと思われます。

「ハイウェー」とする朝日新聞の用例
「GLOBE」8月4日号の紙面から

さて、どうしたもんですかね。
ちなみに、ロープウエーは大文字推奨でした。
マイウェイは、この書き方で小文字オンリー。
でたなっ、いわゆる「表記が定着しているときは、旧来に倣う」ってヤツですね。
それがわからんから、苦労しているのに。

記者ハンを盲信するなら、
アウェー(小文字)
ハイウエー(大文字)
マイウェイ(ヨミに近い表記)
という、3つの表記が存在することになる。

読売小町などの素人を対象にした意識調査は、そのほとんどが「ウェイ」派でした。
しかも、何を根拠にしてんだか、「ウェイ」が“正しい”とまで言い切ってますね。
これは、まったく当てにならん。
記者ハンに準じた個別判断とすべきか、朝日さんのように折り合いを付けて統一すべきか。
いずれにしても、「ウエー」か「ウェー」かですな。

あっ、「ノルウェイ」は「ノルウェイ」なんだ。
やめた、やめた。
結論。記者ハンに準じた個別判断。
多数の語句の揺れはいたしかたなし。まず、同じ語句の揺れを回避すべき。
暫時、それでいきますか。
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[3311] ポジティブに使う「かわいいかよ」

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

朝日新聞の記事を見て、初めて「かわいいかよ」という表現を知りました。
本来は否定ニュアンスですけど、いい意味で使われるみたいですね。

記事では、このような「かよ」の使い方について、専門家の解説を交えながら、
・疑問の強調
・ボケへの称賛
という2つの効果があると論じていました。
「かわいいの? どうなの? そうなんじゃないの?」
「どうせたいしたことないと思っていたら、予想以上じゃん、そうくるかよ」
そんな論旨なんでしょう。
うーん。そこまで深いかな・・・このコトバ。

市場の定食屋が出すデカ盛り丼
「普通盛りでこの量かよ」的な茶濁でございます

思うに、「名詞+かよ」って、すでにポジティブニュアンスなんですよね。
「14歳で博士号かよ」とか、「高校生なのにMAX164キロかよ」とか。
または、「可能+のかよ」。ポジティブじゃないけど、否定でもないんですね。
「並ばなくても食べられたのかよ」とか「なんだ、手ぶらで行けるのかよ」とか。
つまり、もともとあやふやだったところにきて、じゃあ、形容詞と結びついたらどうなるの・・・って話だと思います。

例を出してみましょうか。
「やっぱ、天然の氷って、ここまで冷たいかよ」
「Win10に買い換えたら、こんなに早いかよ」
あるんですよね。ポジティブに使う例は・・・もしかしたら、「の」を省略した形なのかもしれませんけど。
いずれにしても、ストレートに「感嘆」の使い方があるってことで、いいんじゃないでしょうか。

もちろん、商業文では使いませんよ。
二義を生みますから、ほかのワーディングにします。
とくに「かわいいかよ」は、コトバとして“なってない感”があります。

まっ、今回は、「かわいいかよ」の是非ではなくて、ポジティブ「かよ」の考証です。
Web上は賛否両論みたいですけど、白黒付けられないんじゃないの。
もともと、あやふやなんですよ。
あやふやっていうか、心が大きく動いたときの接尾語みたいなものですから、どっちにも動く。
例えるなら、「のだ」みたいなもの。
「かわいいのだ」「おいしくないのだ」
是非を問うような話じゃない気がします。
どっちのパターンが多いのかという、マジョリティの話なんでしょう。

[3310] おすすめ、オススメ、お勧め、お薦め

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

標題。レコメンドの場面で、どれを使うかという問題。
商業文の場合、よほどのことがない限り「オススメ」は使いません。軽いノリになっちゃうから。
「お勧め」か「お薦め」かについては、さまざまな解説を見たんですけど、

オマエ、ホントに意味がわかって書いてんのか

というレベルのものが多いので、絞りきれていません。
そこで「お薦め」を封印し、「お勧め」の一本で通していました。
ところが・・・。
朝日さん、やってきましたな。

紙面の「おすすめ」表記
内容としては、「リクナビの内定辞退推測機能」についての記事

そうか、そうか。
ひらがなで通しちゃえば、「お勧め」か「お薦め」で迷う必要はありません。
一応、他例も押さえておきたいので、「おすすめ」でニュースを検索してみましょうか。
ただし、固有のブツやサービスを「おすすめ」しているものは外します。得てして「売り」だったりするので。
「おすすめ10選」などの類いも除外。
誘導色が薄い表現を選んでみました。

 熱中症対策の「おでこに冷却シート」がおすすめできない理由
 -Yahoo!ニュース

 生命保険は何種類ある?違いやおすすめの会社をFPがわかりやすく解説!
 ウーマンエキサイト

 自由研究におすすめ! おいしい水ってどんな水?
 学研プラス公式ブログ

検索結果TOP100を追ってみたものの、たったの3つ。
ほか97件は“誘導”でした。
うーん。ということは、97%の確率で「売り」に使う表現なんですな。「おすすめ」ってヤツは。
なんだか、コトバの信用性に欠けるような気がしてきました。

推奨か、この間やった勧奨か、やはり、その辺のコトバを使っておいたほうが無難でしょう。真意を込めるなら。
ただ、ひらがなで逃げるという手がなくもないと。
とりあえず、「お勧め」の一本使いはやめて、状況により考えます。

[3309] 巡りをめぐる、読売の混乱

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

27日の読売新聞で、表記揺れを見かけました。
一方は本文中の「女性・女系をめぐる議論」。
他方は見だしで「演習巡り韓国批判」。
何か意図的なものがあるんでしょうか。

「めぐる」「巡る」でグーグルのニュース検索をかけたところ、その検索件数は、ほぼ一緒でした。
思っていたより「めぐる」派が多いですね。
曲や映画のタイトルでは、むしろメジャーになりつつあるかもしれません。

次に「めぐり」「巡り」で同様の検索をしてみたところ、より顕著な方向性がみえてきました。
つまり、「○○めぐり」といった名称では、ひらがなの使用が多いんです。
逆に、「◆◆を巡り」などの動詞では、漢字の使用が多い。
読売の表記揺れはどちらも動詞なのですが、おかげで、そういう名詞の用法があることを知りました。

「めぐり」と「巡り」の表記揺れ
27日の読売紙面、用例採取にはしません

仮に、「名称-ひらがな、動作-漢字」という分けがあるとして、問題は、それを使うかどうかですね。
やるんだったら徹底してやる。
動作のほうは漢字でいいとしても、名称のすべてを「めぐり」で統一すべきか否か。
湯めぐり、ロケ地めぐり(やべっ、やってるじゃん、この仕事)、軍港めぐり、名所めぐり・・・。
待てよ、動作-漢字ってことは、

「軍港を巡る、歴史めぐりツアー」

なんて可能性もあるわけですよね。
実際は、ワーディングを変えるでしょうけど。
それでも、意識していないと、離れた場所でゴチャにするかもしれませんよね。

「横須賀で歴史めぐりツアーが開催される。主催者発表によると、普段は立ち入れない軍港などを巡る予定」

なんてことになりかねないわけですよ。
どうしよう、実質「巡り、巡る」を封印するかな。回遊するとか探訪するとかにしておけば、名称-ひらがなとのダブリは起きません。
うーん、少し気持ちが傾いているな。
だって、「○○めぐり」のほうがカワイイもの。

他方、名称とのダブリが起きない場合、「女性・女系を巡る議論」なんてのは、漢字でいいんじゃないでしょうか。
よし、暫時、この運用で様子をみます。
名称-ひらがな が大原則。
名称とダブりそうな場合のみ、動詞は代替語。
それ以外の平場は、動作-漢字。

[3308] 勧奨と推奨

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

先日、ワクチン接種の積極的な“勧奨” という記事を依頼されまして。
元がリリース文だったので、とくに何も考えず書き上げました。
ところが後になって、この「勧奨」とは何なんだろうと。「推奨」とは何が違うのだろうと、思ってしまったんですね。

改めて調べてみたところ、
「推奨」は人物に対して、「勧奨」は物事に対して使われる言葉
という解説を見つけました。
えっ? ナニナニ、どういうこと?
どんな場合だって、人に物事を勧めるじゃないですか。
もしかしたら、行為が推奨で、物品が勧奨ってこと?
だとしても、「推奨スペック」とか言いますし、「ワクチン接種」は行為でしょ。
この解説、全然ダメ。

その後、いろいろとあたってみましたが、オススメ度合いのより強いほうが「勧奨」であるようです。
やってもやらなくてもいいんだけど、まあ、あえて選ぶとしたら・・・くらいが「推奨」。
やることが前提で、この選択肢以外ありえない・・・くらいになってくると「勧奨」。
この理解でいいようです。

血液検査イメージ
かなりテキトーな茶濁でございます

次に考えるベキは、はたして「勧奨」というコトバがどこまで認知されているか。
コミュニケーションは受け手への伝わり方が全てですから、知らないコトバの使用をできるだけ控えたいもの。
もし、異なった意味で伝わると、誤解すら起こしかねないですからね。

そこで改めて「勧奨」なんですけども、おそらく、オススメ的なニュアンスは伝わるんでしょう。
そのうえで、「コレ一本しかありえねぇぞ」という絞り込みニュアンスを理解してもらえるかどうかです。
…難しいですよね。

時事記事なら、そのまま普通に「勧奨」で通しちゃうかな。
その一方、一般的な読み物であれば、おそらく使いません。
「強く勧めること」とか「普及・啓発の強化」とか、前後のトーンによって書き分けるでしょうね。
もっともやっちゃいけないのは、強い傾斜がかかっていないにも関わらず、「勧奨」を使うこと。
例えば、高齢者の免許返納なんかは、まだまだギロンの余地があるので、「勧奨」レベルではないでしょう。
さまざまな運転アシスト装置も開発されていますしね。
返納一本じゃない。

逆に、個人的な思いを「勧奨」に込めてみてもいいと思います。
ラーメン店なら、環七沿いの「一番」を勧奨します・・・みたいな。
あっ、そうか。わからない人には伝わらないか。まあ、字面的に、ソレっぽさは出ますけどね。
結論として、時事でリリースが使っていたら、それに倣う。
平時は封印。
人か物事かという解釈は、勧奨に値せず。

[3307] 新聞の事例研究-その12-陥落と転落

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

先週の「踏み間違い」と「踏み間違え」のほうが重要だと思ってパスしちゃったんですが。
実は、気になっていた記事がありました。

それは関取、貴景勝に関するもので、
「大関から陥落し、関脇転落直後の場所で10勝以上を・・・」
みたいな解説が付いていたんです。

つまり、陥落は、「元の位置」とセットで使われるんですな。
意味としては、おちいることとか、攻め落とされることですから、陥落する前の対象物が必要。
対する転落は、「移動先」を意識して使われると。
記述内容としては、低い立地や悪い状態の記述、つまり、結果としてどうなったのか。
確かに「首都陥落」とか、「第二位に転落」などといいます。

これ、意識してたかな。
無意識で乗りきっていたものの、明確に使い分けてはいなかったかもしれませんね。

残念なお地蔵さん
足元に「転落」という茶濁でございます

試しに、Web上の文章を拾ってみましょうか。
●「負け越し」についてのwikiの解説
「小結の地位への陥落を免れたケース・・・」
間違いですね。
陥落は元位置ですから、「大関の地位からの陥落を免れた」です。
あるいは、「小結の地位への転落を免れた」。

●livedoorニュース
「ドラッグストアチェーンの首位を保っていたマツモトキヨシホールディングスが、売上高4位に陥落している・・・」
同じく間違い。
首位からの陥落で、4位に転落。

●dmenuニュース
「棚橋がわずか1ヵ月で王座から転落」
うーん、難しいけど、転落は移動先とセットで、低い立地や悪い状態の記述が必要ですから、違うのかな。
元位置ルールに従うなら、やっぱり陥落。

このようにですね、結構、ゴチャになっています。
まあ、高いところから転落したって言いますけどね。
注意するとしたら、低いところへ陥落したとは言わないこと。
自分としては、元位置+陥落で、移動先+転落にします。

貴景勝さんは気の毒ですけど、いい気付きを与えてくれました。
メジャー紙の記者って、きちんと使い分けているんですな。
よしよし、いい用例収集でした。
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てつまる

Author:てつまる
神奈川県を中心にフリーで活動しているライターです。
超IT系を除き、医療・各士業・経営者・アスリートへの取材、アーティストプロモート(情報発信)、イベントレポなどを手がけています。

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