[2313] 他方と一方はセットなのか

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

標題の一方。
話のフリきっかけ・・・とでもいうんでしょうかね。
「一方、そのころ。先行していたロケ隊は」
なんて使われ方をするじゃないですか。
「他方、そのころ」
とはいわない。

そう考えると、一方の後に続く内容は、「話題から離れたもの全般」を含むと思うんです。
対する「他方」は、「二つの対になった片割れ」に限定される。
じゃあじゃあ、他方の前提となる「初期条件」を記述する際、一方は必要なのか。
そこですよね。

一方通行のケーブルカー
ケーブルカー・・・一方通行という茶濁でございます

サンプルとして、メロンパンとクリームパンにご登場いただきます。
想定するテキストは、「他方、クリームパンは・・・」。
これに対し、一方を使うメロンパンの記述を考えていきましょう。

「一方、メロンパンには中身がない」
いきなり一方ってのは乱暴ですし、メロンパンの前提条件が必要な気がします。
ところが「の」を入れると、多少、緩和されるのです。

「一方のメロンパンには中身がないが、他方のクリームパンは中身がある」
う~ん、微妙ですね。
メロンパンには中身がない一方、クリームパンは中身がある。
メロンパンには中身がないが、他方、クリームパンは中身がある。
でいいんじゃないでしょうか。

一方と他方の組み合わせについて、念のため各所を洗ってみましたが、「セットで使う」という表記は確認できませんでした。
なので、明らかに「二つの対になった片割れ」の場合、シングル他方はアリ。
一方・・・一方はもはや、「二つの対になった片割れ」ではなくなっています。
意味のない挿入句というか、「メロンパンには中身がない。一方、野球中継はどうなっているだろうか」みたいな使い回しも可能っちゃ可能。
「さて」とか「ところで」に近い。
そうなっちゃうと、ますます「他方」と「一方」がセットである必要性は薄いわけです。
むしろ、比較が「他方」。
フリが「一方」。
そういう意識でいいんじゃないでしょうか。
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[2312]「微妙」は、いつから否定表現になったのか

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

主な利用者は40代女性。
商品紹介のページを作る際、そんなサイト分析結果を受け取ったもので、思い切って文学してみました。
秋色をめでる散歩径・・・とかね。
あえて「道」じゃなく「径」。
そしたら、比喩はナシだと。
若い女性を意識して、もっと易しい文章にしてくれと。
話、違うじゃないですか。

加えて衝撃だったのが、「微妙」という表現について。
若い世代は、ビミョーをネガティブ表現として受け取るとおっしゃるんですよ。
「絶妙」にできないかと。
・・・オジサンは、ショックでした。

瀬戸物のビミョーにリアルな犬
ビミョーなリアルさ・・・はたして、ネガティブでしょうか

同じような例として、「ヤバイ」をポジティブな意味で使う場合があります。
使うというか、商業文では使いませんけど。
だって、それはそうでしょ。
何ていうのかな、公式じゃないし、本来の意味とは違うし。

ただ、微妙のような「本来の意味合いに別のニュアンスが加わったもの」については、よくよく吟味しないといけないようですね。
ほかに、何があるでしょう。
例えば「キビシイ」。
難しいもそうですけど、遠回しな拒否表現になっていますよね。
「稀有(けう)な存在」。
記者ハンで要注意に指定されているので使いませんが、これは本来、在り難い(ありがたい)と同義の、プラス表現なんです。単に珍しいということではない。

言葉は時間と共に変化するものなので構わないですけど、微妙がネガティブっていうのはビミョーだわ。

[2311] 悩ましい、縦書き英数表記

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

新しいメディアでモノを書く際、「です・ます」「だ・である」の別と共に確認したいのが、英数の表記方法です。
ほかにもいろいろあるでしょうが、まず、この二つを押さえるべきでしょう。
ことに縦書きの媒体では、必要不可欠です。

新聞の場合、一桁を全角「2人」などにして、二桁は「16人」とすることが多いようです。
縦書きでは、両者が同じ文字数になるんですね。
ちなみに朝日新聞は、三桁以上を、半角横書き・縦並べにしていました。
一方、ダイヤモンド社のビジネス書で、オール全角の指示を受けたことがあります。
ほかにも、考えられるパターンを並べてみましょうか。

縦書き英数のパターン
数字三桁以上は、横書き・縦並べのケースもあります

これらを後から直すのはやっかいなので、事前に知っておいた方がいいという訳です。
もしかしたら、関数か何かを使ったやり方があるのかもしれませんが・・・。
特に、自分のような「かな入力」オールドタイプは、全角英数に泣かされます。
ちなみに、「えむあんどえー」は「M&A」一発でした。
一方、「まいどきゅめんと」なんてのは無理。

あ・・・いまやっていて気付いたんですが、「カタカナひらかな_ローマ字」キーを使うと、全角英数が打てるんですね。
きのうまで、言語バーの設定をクリックしていました。
それはそれとして。

個人的には、横書き縦書きに限らず、オール半角が好ましいと思っています。
なぜなら、半角英数がワールドワイドだから・・・っていうか、横書きが世界標準だから。
縦書きを横書きメディアに変更するとき、モノによっては、変なことになるんですよ。
これは、配信や拡散を妨げる大きな要因になりかねない。
特に、新聞固有の「1桁全角・2桁半角」はいただけない。
テレビの横書きテロップで出て来ることがありますが、そもそも意味ないでしょ。
そういうことが起こり得るんです。
・・・といいますか、ホンネを言えば、いちいち打ち分けるのが面倒ってことです。

[2310]「是非」か「ぜひ」かは、デザインなんだという話

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

ひょんなきっかけから、某製菓メーカーのお抱えライターになりそうです。
さっそく秋の新製品の取材が入りました。
この業界、動くときは、とんとん拍子で物事が進みます。

ライターが替わったといっても、元のサイトのトーンは生かしたいそうで、いま、必死になって前任者の人格になりきろうとしています。
ください/下さい、いただきます/頂きますなどのかな送りは、コッチの認識通り。
テキストのテンポも、まねできなくはない。
センスというか感覚は、かなり自分と近そうでした。
ただ、「ぜひ」については、珍しく「是非」を使っているんですね。

観音モナカ
是非、ご家族でお召し上がりください・・・というイメージ

さっそく、間に入っている代理店に確認したところ、前のライターも、最初は「ぜひ」だったとのこと。
それを、メーカーの意向で「是非」にしたそうです。
へー、そういうことをやってくるんだ。

いままで、文章の表現について修正や指示を受けたことはありますが、漢字かひらがなの選択はお任せでした。
記者ハンをインストールしていますし、そこまで口だしされることはなかったんです。
みそのメーカーが、こだわって「味噌」にしたことなんかはありましたが。
名詞がらみ以外は、こだわらないことが多い。

じゃあ、何で「是非」かというと、代理店の想像いわく「高級感」とのこと。
贈答品に使えるような製菓だぞと。
ふろしきに包んでやりとりされるお菓子だかから「是非」なんだと。
まあ、わからなくもなくもないかな。
少なくとも、ポテチではないわけですね。
うん、この一件で、むしろイメージ湧いたわ。
ライターの変更がバレないようなテキスト、作ってやる。
へー、漢字かひらがなの選択って、そういう側面もあるんですね。

[2309] 直接、後日、当時などの後に「、」を打つべきか

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

標題の件。
基本は「打つ」だと思っています。
ただ、前後の文章によっては、文頭が細切れになってしまうんですよね。

また、当時、品川では、シジミがおもしろいように採れていた。

このマシンガン読点状態には、いくつかの対処法があります。

また、当時の品川では、シジミがおもしろいように採れていた。
また、品川では当時、シジミがおもしろいように採れていた。
また、400年前の品川では、シジミがおもしろいように採れていた。

覚えておきたいのは2番目のケースで、主語に該当するコトバとくっつける方法を、ぜひともマスターしちゃいましょう。

シジミラーメン
シジミだし・・・という茶濁でございます

パターンとしては「打たない」という選択肢もあるんですが、やっぱり、読んでいて変です、

このかけ声は、後世ラッパなどの楽器によって代用されていきます。
このかけ声は後世、ラッパなどの楽器によって代用されていきます。

わからないことは、直接おたずねください。
わからないことは直接、おたずねください。

上の例は自然に思うかもしれませんが、いままでの流れからすると回避すべきつなげ方なんです。
また、漢字二文字に限らず、「はたして」「そのとき」などにも応用したいところ。

佐藤君はそのとき、オシッコがしたかったのだ。
君ははたして、何がしたいのだ。

佐藤君は、で切ってしまうと、「そのときオシッコ」になっちゃいますからね。
「後日」「そのとき」系は文頭で使いがちですけど、主語を先に持ってきて、その後に続けるのがコツ。
コツというか、読みやすくなるはずです。

[2308] 三人称「だ・である」で注意したい、伝聞と推量の見極め

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

テキストの発注時に確認すべき重要なポイントとして、「です・ます」なのか「だ・である」なのかという記述の問題があります。
さらにいうと、一人称なのか三人称なのかも必要で、一般的な組み合わせとしては以下となるでしょう。

○一人称です・ます
取材対象者の口調
「当事務所は常日頃より、満足のいくサービスを目指しております」

●三人称だ・である
取材者の口調
「同事務所が常に目指しているのは、満足のいくサービスだ」

可能性としては、「一人称だ・である」や「三人称です・ます」も考えられるんですが、実際のところ、あまり使われません。

避難勧告が解かれた富士山方面
自然現象のような一人称がなじまない場合は、「三人称です・ます」もあり得る

話を標題に戻しまして。
「です・ます」のカブリは、もともと丁寧な言い方だけあって、そんなに気にならないんです。

当社は常日頃より、満足のいくサービスを目指しております。
そのために必要なのは、お客様への感謝だと考えています。
「満足なくして感謝なし」がポリシーとなっています。

一方の「だ・である」は、基本的に上からなので、カブリがきつくなるのだ。

同社が常に目指しているのは、満足のいくサービスだ。
そのために心がけているのは、顧客への感謝の心だ。
「満足なくして感謝なし」が同社のポリシーだ。

これを回避する便利な方法として、言い切ってしまう体言止めや、三人称を生かした伝聞調などが考えられます。

同社が常に目指しているのは、満足のいくサービス。
そのために、顧客に対する感謝の心を忘れないという。
「満足なくして感謝なし」が同社のポリシーとなっている。

体言止めを嫌うところもありますけどね。
また、伝聞はヨシでも、推量をダメとしてくる編集もいます。なぜなら、本当かどうかがぼやけるから。

「満足なくして感謝なし」が同社のポリシーといえるだろう。

ここは、要注意ですね。
「ポリシーといえる」だけでも微妙なところで、なぜなら、書き手の考えにすり替わっちゃうんです。
したがって、置換候補とはなり得ません。
近い表現ですけど、「ポリシーだという」はセーフ。これなら、取材対象者のコトバですから。
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てつまる

Author:てつまる
神奈川県を中心にフリーで活動しているライターです。
超IT系を除き、医療・各士業・経営者・アスリートへの取材、アーティストプロモート(情報発信)、イベントレポなどを手がけています。

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