[1495] リニューアル工事中でも行っちゃう? とある観光情報のコラム

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

映画のロケ地を巡るコラム、10月号のテーマは「デスノートx九州北部」になりました。
漫画は読んでいませんが、アニメと実写版なら追えています。
全然、大丈夫。
登場人物のライトとエル、ご当地にある太宰府天満宮の菅原道真、門司港レトロから行ける巌流島など、「天才と、そのライバル」という軸でまとめられそうです。
あまりロケ地ってませんが、このコラムはそういうところを気にしていないので、いいんです。
全体として、観光情報になっていればヨシ。

ところがですな、肝心なロケ地の一つである「北九市美術館」は、10月いっぱいまでリニューアル工事とのこと。
1カ月ズラすのもやむなしと思って報告したら、思いの外、GOってんですよ。
そうなっちゃうと、あの・・・本当のロケ地って福岡市地下鉄空港線「赤坂駅」しかないけど。
しかも、カーナビユーザー向けのメディアなので、車との相性悪いけど。
ロケッたの構内だし、キップ買わないと入れないし。
それでもGOだと。
ヨシ、わかった。後は知らん。

北九州市美術館
どちらかというと『図書館戦争』のイメージが強い、「北九市美術館」

頼みますから、記事見て、すぐ行かないでよね。リニュのことに触れときますので。
それにしても、仮囲いしてるし、中へ入れないし。
まあ、アーカイブ扱いになった後日、見ることもあるんだろうけれど、こういうのって、どうなのかな。
時事系のメディアでやったら、クレームがワンサですよね、きっと。
担当のSさん、メディア出身なのにな。
すっかりプロモーション屋になっちゃって、クライアントしか見てない。
読者意識より、1カ月ずらすストレスの方が、影響大なんでしょう。
それでもGOだと。
ヨシ、わかった。後は知らん。

このようにですね、「不親切な記事」というのは、必ずしもライターの凡ミスに起因していないのです。
だから、SNSなどでタタク場合は、媒体元にしてください。それなら、仮にライターが悪くても、窓口としては正しいことになります。
逆の場合、コッチは気を配っているのに、名指しで攻撃を受けてしまう。
とんでもない誤解です。
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[1494] 理事長や代表社員という肩書が好まれるワケ

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

例えば、個人経営のクリニックが法人化すると、院長に代わって「理事長」という肩書を使うようになります。
まあ、何かソレっぽいんでしょうね。
大きな病院だぞと、信頼できるぞと。

税理士や会計士事務所も同様で、ある程度の規模になると、所長のことを「代表社員」と記したりします。
おそらく、どこかの大手がやり始めたのでしょう。
あの呼び方っていいなと。
大きな事務所だぞと、信頼できるぞと。
要は、フロシキをなるべく広げているんです。

鹿児島の西郷隆盛像
理事長像的な茶濁としての西郷ドン(鹿児島ver.)

シロートからすると、院長や所長の方が、「トップだな」って感じじゃないですか。
でも、中にいる人たちは、ライバルの視線を気にしてか、理事長・代表社員ぶる。
これ、プロフィール書いているときに、思わず笑っちゃうんですよね。
虎の威を借りた何タラというか、ハリボテの城というか。
もちろん、それなりにそれなりの人もいます。
ただ、大方はそれなりじゃないそれなりの人で、「法人組織っぽい雰囲気を出したいんだよね」なんてことを、臆面もなくおっしゃったりする。

構成員の数としての個人的な感覚だと、理事長・代表社員と呼ばれる組織なら、30人以上はほしい。
別に30じゃなくてもいいんですけど、それくらいの規模感を誤認させる響きがあるんです。理事長・代表社員には。
一方で、カーチャン・バーチャンを入れた数人の中の理事長も、当然にしていらっしゃるわけです。
全然、組織していない。
ですから、ときどき、所長・院長の方がシンプルでいいんじゃないですか・・・的なことを申し上げているんですけど、通った試しがありません。

[1493] トリミングの自己主張

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

観光情報系の記事では、画像の提供をご当地の観光協会などにお願いすることがあります。
気の利いた所だと、メディア向けの「フォトライブラリー」が用意されていたりして、非常に助かります。
ただ・・・タテヨコ比を選べるように、複数のカットを載せといてくれないでしょうか。

ぜいたくを言うようですけど、提供画像の寸法って、まちまちなんですよ。
複数の写真を横並びにしたりすると、いかんともしがたいところがありまして・・・。
せめて、「トリミング可」にしていただけると、私のような者が泣いて喜びます。

1493.gif
映り込みをなくす例としてのトリミングイメージ

ちなみに、こうしたトリミング。
ライターのすることではなく、編集の領域とみなす向きもあるようですが、自分は、むしろ積極的にやっています。
文章との絡みはもちろん、全体をディレクションしているような感覚があるからです。
ライターからの提案というか、アピールの部分も含まれるかな。
あえて映り込みを入れてみたり、文章の主題に合わせて拡大したり・・・。
原稿って、そういうものじゃないかと思うわけですよ。

それはそれとして、各観光協会さんへリクエスト。
・「城の画」って、確かにサクラとセットだときれいですが、春のテーマでしか使えないので、実はやっかいです。紅葉とかもそう。シーズン色の出ないパターンが使いやすい。
・数百キロバイト単位の画像って、そもそも意味がわかりません。せめてメガっていただけないでしょうか。
・職員さんが一生懸命撮ったのだと思いますけど、たいてい、水平が取れていません。そのぐらいは、トリミさせてください。いいでしょ。
・クレジットを載せるのは構いませんが、どこかでまとめてご紹介させていただけませんか。画像ごとって、デザインによっては使えないんです。特にトップページのメインビジュアルとか。

[1492] 記事に与えられたミッション

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

2カ月くらい前でしょうか。
ネタバレにならない範囲で、米軍基地取材について取り上げたことがあります。
その記事が、先頃アップされました。

いまだから言えることですが、今回の目的は「求人」でした。
もちろん企業紹介が前提ではあるものの、周知や広報というより、人材募集につなげたいと。
そこで、前もって従業員の方に、アンケートをお願いしました。
お題は、

「この会社に入って、一番驚いたことは何ですか?」

その内容を深掘りしていけば、新入社員の目線に立った記事が書けると思ったんです。
ですから、インタビュー内容も、かなり業務寄りになっているはず。
やりがいとか、心構えとか、他社の業務と何が違うかとか・・・。
それを、いかにも一般記事風に書いているところが、「ライターの腕」というわけです。

1492.jpg
担当した『はまれぽ』のイチオシ記事

いまのところ100以上の「いいね!」が集まっているので、一応は、読み物として受け取られているのでしょう。
でも、真のミッションは求人広告。
メディアの上手な使い方ですよね。
求人誌の枠を買ったところで、ここまでイメージを膨らませられませんから。
そして、古株のライターを使い、広告と思わせない広告を打つ。
・・・半分、自慢が入っています。

こういうのも、おそらく、コンテンツマーケティングに含まれるのでしょう。
メディアの特性ではなくて、テキストの中身をコントロールしながら効果を上げる。
読み物としてのオモシロサを維持しつつ、隠れたミッションもクリアする。
もちろん、こちらとしても楽しい。
推理小説のなかに、フックや前フリを含めていくような作業というのかな。ある意味、新しいマイルストーンのような記事だと、自分では位置づけています。

[1491]和歌山は、脇役が主役を料理しちゃう土地

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

連載モノが一つ加わることになりまして。
お題は、指定された映画のロケ地紹介と、その周辺にある観光情報。
以前もやったことがあるので、全然、問題ありません。
山ガハで全国を飛び回っていたころの知識も使えるし、どちらかというと得意じゃないかな。

でだ。第1回の映画は、スーパー家臣団が頼りのない主人を、ウソや虚構によって伝説化していく話。
ロケ地は和歌山県。
・・・わかる人にはバレバレですけど。
さて、映画と土地柄を、どう絡めていくか。
この辺の作業が、一番楽しいですよね。

和歌山県で思い出すのは、しょうゆトンコツの和歌山ラーメン、しょうゆ発祥地、ケチャップの消費量が日本一といったところ。
意外なことに、調味料付いているんですな。

1491.jpg
しょうゆの発祥地、「湯浅」の点景

考えてみたら、調味料って、スッカスカな素材でも、おいしい料理に変身させちゃいますよね。
一方のスーパー家臣団は、ヘタレな主人を、立派な武将へとデフォルメさせた。
・・・もうこうなったら、コジツケでいいんです。
理論構成を周到に組み立てて、無理のないつながりへ持っていけば、絡められない話じゃない。
要は、つなげ方。
そこさえクリアできれば、連載初回から、「おもしろいコラムを作ってくるな」という評価が得られるでしょう。
逆に、コジツケ度が強すぎると、「ウチは、こういうの要らないんだよ。ウケなんて狙わなくていいの」になっちゃう。

盛り込む中身は一緒でも、一方はヨシで、他方はダメ。
構成力が問われますよね。
ここはあえて、帰納法で進めてみましょう。
一見、何の関わりもない二つのストーリーが、最後にリンクしてくるイメージ。
さて、結果は6月初旬に掲載されるはずです。

[1490]特徴・強み・差別化・選ばれる理由

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

サイトの取材に先行して、担当営業から「指示書」を渡されることがあります。
簡単に言うと、ページネーションや設計図みたいなものですね。
ライターは、それに沿って、質問やらインタビューをしていくことになります。

そこで標題の件。
振られてきた「指示書」がスゴイんですよ。

・○○医院の「三つの取り組み」
・診療方針について3項目
・当院の特徴2点
・当院が選ばれる理由3点
・院長あいさつ

数でいうと12項目以上。これらを全部聞けと。
ダブらないことが前提なんでしょうが、できるわきゃないじゃないですか。

1490.jpg
施設の特徴「バリアフリー」的な茶濁でございます

なので、すぐに戻しました。

治療の特徴 x 3
接患の特徴 x 3
施設の特徴 x 3
別途、先生のあいさつ

ここまでは責任を持ってテキストにしておくから、ドコに何を入れるのかは、営業が決めてくれと。
そしたら、逆に整理できたのか、感謝されてしまいました。
要は、あまり考えていなかったんですね。

訴求ポイント、あるいは差別化って、使いようだと思うんです。
やたら並べりゃいいってものじゃない。
10個以上もあったら、目移りしちゃって、記憶に残らないじゃないですか。
パンもおいしい、ケーキもおいしい、ヤキイモ扱ってます、ソフトクリームありますよ、ピザ食べていってください、海鮮丼オススメ、あんみついかがですか、ラーメン人気です・・・何屋だって話でしょ。

それに、駅前立地じゃない地域密着型の医院って、必ずしも差別化で人を呼んでいないんです。
土地の方と長年のお付き合いがあって、すでに信頼関係で結ばれている。
そのような場合、一見さんに響くようなポイント出しを、むしろ好みません。
「それは、できたばかりの医院がやることだろう」と。
また、地元との絆にクサビを打ち込みかねない。
「あっ、あそこの医院は、私たちのことを見てないんだ」
みたいな印象を与えてしまうのです。

なので、営業が想定していた「痛くない治療」「削らない・抜かない」なんていうキャッチは、一切入れませんでした。
「会話から始まる治療探し」とか「人に優しいから、歯にも優しい」とか、そういう定性的なメッセージのほうがふさわしい。
それに、「痛くない治療」で選んだ人って、痛くなくなったら、治療の途中でやめちゃうんです。
そんなサイトを量産して、どうするつもりなんですか。
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てつまる

Author:てつまる
神奈川県を中心にフリーで活動しているライターです。
超IT系を除き、医療・各士業・経営者・アスリートへの取材、アーティストプロモート(情報発信)、イベントレポなどを手がけています。

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