[1493] トリミングの自己主張

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

観光情報系の記事では、画像の提供をご当地の観光協会などにお願いすることがあります。
気の利いた所だと、メディア向けの「フォトライブラリー」が用意されていたりして、非常に助かります。
ただ・・・タテヨコ比を選べるように、複数のカットを載せといてくれないでしょうか。

ぜいたくを言うようですけど、提供画像の寸法って、まちまちなんですよ。
複数の写真を横並びにしたりすると、いかんともしがたいところがありまして・・・。
せめて、「トリミング可」にしていただけると、私のような者が泣いて喜びます。

1493.gif
映り込みをなくす例としてのトリミングイメージ

ちなみに、こうしたトリミング。
ライターのすることではなく、編集の領域とみなす向きもあるようですが、自分は、むしろ積極的にやっています。
文章との絡みはもちろん、全体をディレクションしているような感覚があるからです。
ライターからの提案というか、アピールの部分も含まれるかな。
あえて映り込みを入れてみたり、文章の主題に合わせて拡大したり・・・。
原稿って、そういうものじゃないかと思うわけですよ。

それはそれとして、各観光協会さんへリクエスト。
・「城の画」って、確かにサクラとセットだときれいですが、春のテーマでしか使えないので、実はやっかいです。紅葉とかもそう。シーズン色の出ないパターンが使いやすい。
・数百キロバイト単位の画像って、そもそも意味がわかりません。せめてメガっていただけないでしょうか。
・職員さんが一生懸命撮ったのだと思いますけど、たいてい、水平が取れていません。そのぐらいは、トリミさせてください。いいでしょ。
・クレジットを載せるのは構いませんが、どこかでまとめてご紹介させていただけませんか。画像ごとって、デザインによっては使えないんです。特にトップページのメインビジュアルとか。
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[1492] 記事に与えられたミッション

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

2カ月くらい前でしょうか。
ネタバレにならない範囲で、米軍基地取材について取り上げたことがあります。
その記事が、先頃アップされました。

いまだから言えることですが、今回の目的は「求人」でした。
もちろん企業紹介が前提ではあるものの、周知や広報というより、人材募集につなげたいと。
そこで、前もって従業員の方に、アンケートをお願いしました。
お題は、

「この会社に入って、一番驚いたことは何ですか?」

その内容を深掘りしていけば、新入社員の目線に立った記事が書けると思ったんです。
ですから、インタビュー内容も、かなり業務寄りになっているはず。
やりがいとか、心構えとか、他社の業務と何が違うかとか・・・。
それを、いかにも一般記事風に書いているところが、「ライターの腕」というわけです。

1492.jpg
担当した『はまれぽ』のイチオシ記事

いまのところ100以上の「いいね!」が集まっているので、一応は、読み物として受け取られているのでしょう。
でも、真のミッションは求人広告。
メディアの上手な使い方ですよね。
求人誌の枠を買ったところで、ここまでイメージを膨らませられませんから。
そして、古株のライターを使い、広告と思わせない広告を打つ。
・・・半分、自慢が入っています。

こういうのも、おそらく、コンテンツマーケティングに含まれるのでしょう。
メディアの特性ではなくて、テキストの中身をコントロールしながら効果を上げる。
読み物としてのオモシロサを維持しつつ、隠れたミッションもクリアする。
もちろん、こちらとしても楽しい。
推理小説のなかに、フックや前フリを含めていくような作業というのかな。ある意味、新しいマイルストーンのような記事だと、自分では位置づけています。

[1491]和歌山は、脇役が主役を料理しちゃう土地

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

連載モノが一つ加わることになりまして。
お題は、指定された映画のロケ地紹介と、その周辺にある観光情報。
以前もやったことがあるので、全然、問題ありません。
山ガハで全国を飛び回っていたころの知識も使えるし、どちらかというと得意じゃないかな。

でだ。第1回の映画は、スーパー家臣団が頼りのない主人を、ウソや虚構によって伝説化していく話。
ロケ地は和歌山県。
・・・わかる人にはバレバレですけど。
さて、映画と土地柄を、どう絡めていくか。
この辺の作業が、一番楽しいですよね。

和歌山県で思い出すのは、しょうゆトンコツの和歌山ラーメン、しょうゆ発祥地、ケチャップの消費量が日本一といったところ。
意外なことに、調味料付いているんですな。

1491.jpg
しょうゆの発祥地、「湯浅」の点景

考えてみたら、調味料って、スッカスカな素材でも、おいしい料理に変身させちゃいますよね。
一方のスーパー家臣団は、ヘタレな主人を、立派な武将へとデフォルメさせた。
・・・もうこうなったら、コジツケでいいんです。
理論構成を周到に組み立てて、無理のないつながりへ持っていけば、絡められない話じゃない。
要は、つなげ方。
そこさえクリアできれば、連載初回から、「おもしろいコラムを作ってくるな」という評価が得られるでしょう。
逆に、コジツケ度が強すぎると、「ウチは、こういうの要らないんだよ。ウケなんて狙わなくていいの」になっちゃう。

盛り込む中身は一緒でも、一方はヨシで、他方はダメ。
構成力が問われますよね。
ここはあえて、帰納法で進めてみましょう。
一見、何の関わりもない二つのストーリーが、最後にリンクしてくるイメージ。
さて、結果は6月初旬に掲載されるはずです。

[1490]特徴・強み・差別化・選ばれる理由

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

サイトの取材に先行して、担当営業から「指示書」を渡されることがあります。
簡単に言うと、ページネーションや設計図みたいなものですね。
ライターは、それに沿って、質問やらインタビューをしていくことになります。

そこで標題の件。
振られてきた「指示書」がスゴイんですよ。

・○○医院の「三つの取り組み」
・診療方針について3項目
・当院の特徴2点
・当院が選ばれる理由3点
・院長あいさつ

数でいうと12項目以上。これらを全部聞けと。
ダブらないことが前提なんでしょうが、できるわきゃないじゃないですか。

1490.jpg
施設の特徴「バリアフリー」的な茶濁でございます

なので、すぐに戻しました。

治療の特徴 x 3
接患の特徴 x 3
施設の特徴 x 3
別途、先生のあいさつ

ここまでは責任を持ってテキストにしておくから、ドコに何を入れるのかは、営業が決めてくれと。
そしたら、逆に整理できたのか、感謝されてしまいました。
要は、あまり考えていなかったんですね。

訴求ポイント、あるいは差別化って、使いようだと思うんです。
やたら並べりゃいいってものじゃない。
10個以上もあったら、目移りしちゃって、記憶に残らないじゃないですか。
パンもおいしい、ケーキもおいしい、ヤキイモ扱ってます、ソフトクリームありますよ、ピザ食べていってください、海鮮丼オススメ、あんみついかがですか、ラーメン人気です・・・何屋だって話でしょ。

それに、駅前立地じゃない地域密着型の医院って、必ずしも差別化で人を呼んでいないんです。
土地の方と長年のお付き合いがあって、すでに信頼関係で結ばれている。
そのような場合、一見さんに響くようなポイント出しを、むしろ好みません。
「それは、できたばかりの医院がやることだろう」と。
また、地元との絆にクサビを打ち込みかねない。
「あっ、あそこの医院は、私たちのことを見てないんだ」
みたいな印象を与えてしまうのです。

なので、営業が想定していた「痛くない治療」「削らない・抜かない」なんていうキャッチは、一切入れませんでした。
「会話から始まる治療探し」とか「人に優しいから、歯にも優しい」とか、そういう定性的なメッセージのほうがふさわしい。
それに、「痛くない治療」で選んだ人って、痛くなくなったら、治療の途中でやめちゃうんです。
そんなサイトを量産して、どうするつもりなんですか。

[1489]神奈川県内を走る電鉄6社の取材ハードル

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

むちゃブリ、史実への対応力、広報の度胸、マニアックな内容・・・。
電鉄への取材、その観点はいろいろあると思いますが、とりあえずザックリ「ひっくるめ」で考えたときの取材実現性について、個人的な感想を述べてみます。

一番相談しやすいのは、前にもどこかで書いたと思いますが、ダントツで相鉄さんです。
「県外への認知度が、まだまだ低い」という課題を抱えているため、大抵の話に乗っていただけます。
自らオモシロイ企画もやっていますしね。
とにかく「話題になろう」という気概が、良い意味でうかがえます。

江ノ電は、対応がキッパリ二分化する会社です。
沿線ネタや最新事情など、新しい話題に関してはOK。
一方、歴史的な考証になってくると難しい。
なぜなら、かつての火事で、社史のほとんどを失っているからです。
「図書館で調べられる以上のことはわからない」
という、お決まりのパターンで終わることが多いですね。

1489.jpg
市電のことは市電博物館、これは6社から除きます

一番微妙なのは東急。
歴史も古いし「いい場所」を走っているので、各地に郷土研究家がいらっしゃる。
話題によっては、電鉄より専門家に聞いたほうが早い。
本社への通し方というより、地場のコネが問われるところです。

小田急は、不思議なことに、「話題がない」んです。
あれは、なぜなんでしょうね。
イベントとか、そういうのは除きますよ。
何ていうか、動きがないというか、沿線が安定しちゃっているんですかね。

東急。
電鉄はフツーの対応ですけど、ヒエラルキーの下に位置する方々が愉快。
デパートとかエージェンシー、不動産関連などですね。
人材の厚みを感じます。
だから、電鉄本社を突破できると、後は楽。取材もおもしろいです。

最後は、言わずもがなのJR。
ハナから諦めて、ほかの突破口を探したほうが早いんじゃないですかね。
鉄道周りのNPOとか関連団体とか。
反応を待っていると、年が明けます。

[1488]アクションを起こさせる「魔法のコトバ」

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

現在、仕事の7割は医療と士業。
なかでも特に多いのが、歯医者さんと弁護士になります。
意外なことにこの両者、「問題が大きくなる前に相談」という意味では、共通した部分があるんですね。
歯医者は「痛くなる前に治療」だし、弁護士は「もめる前に対策」。
しかし実態としては、手遅れになってから行くことが多いようです。

この傾向は、いくらホームページなどで訴えても変わらない。
そこで、発想の切り替えをうながす「魔法のコトバ」というのを、探し続けているワケです。
そのようななか、歯医者でピンと来たのは、以下のようなロジックでした。

人は、他人から見られると、オシャレになる。
世間から隔絶されると、どんどんズボラになっていく。
だから、意識して、歯を他人に見せるようにしなさい。
定期検診は、オシャレ心を育てるために行うのです。
歯医者へ定期的に来るだけで、歯は健康になりますよ。

初めて聞いたとき、「なるほどねー」と感心しました。

1488.jpg
一方の弁護士は、ケツが関係してきます

では弁護士。
感心したロジックには出会っているんですが、とても書けない内容でした。
ここは私分なので、遠慮なくご紹介します。

オマエらのケツを弁護士が拭くなんて、正直、勘弁してほしい。
なんで、そんなことで汗をかかなきゃいけないんだ。
やったことの後始末じゃなくて、これからの予定を相談してくれりゃあいいじゃないか。
そのほうが、いろいろためになるアドバイスができるのに。
何も起きていない「いま」が、ベストタイミングなんだ。

ね、おっしゃることはごもっとも。
汚れ仕事より夢のある計画を練るほうが、誰だっておもしろいんです。
依頼者にしたって、攻略本を見ながらゲームするようなものなので、リスクや失敗が少ない。
だけど、現実としては、お漏らししてから他人にケツを拭いてもらう。
まあ、ストンと納得できるストーリーですけど、サイトコンテンツにはできません。
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てつまる

Author:てつまる
神奈川県を中心にフリーで活動しているライターです。
超IT系を除き、医療・各士業・経営者・アスリートへの取材、アーティストプロモート(情報発信)、イベントレポなどを手がけています。

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