[2408] 見出し、キャッチ、コピー

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

文章と異なる短い語句の塊には、いろいろな呼び名があるじゃないですか。
これらのニュアンスについて、編集側とライター側の認識が違うと、得てしてモメます。
モメるというより、「終わりの見えない空論が続く」と言うべきでしょうか。

ここからは私見ですが、見出し、キャッチ、コピーには、それぞれ以下のような違いがあると思うんです。
まず、見出し。
これは、「インデックス」だと考えています。
そのページやブロックが「何について書かれているのか」を示す案内文。
構成に近くて、ページネーションを兼ねる場合もある。
ですから、「見出しは何にするの?」という打合せって、成り立つんじゃないでしょうか。
一方、コピーは打合せで決めるものじゃない。ライターが独自に考えるものです。

新聞の見だし
新聞に並ぶ「見出し」も、ある意味でインデックス

続いてキャッチ。
これは、目を引かせるためのフック。
必ずしも中身を要約する必要はありません。
「このポイントが大切!」
「クラシアンで検索」
とかでも成り立ちます。

最後にコピー。
自分は、テキストもコピーに含まれると解釈しています。
要は、メッセージが伝わる文章のことです。

「恋は、遠い日の花火ではない」
有名なコピーですが、インデックスの役割を果たしていないため、見出しとは言えないでしょう。文頭に置かれていたとしてもです。
ガッと目を引く文ではないので、キャッチとも違う。
でも、こういう気の利いたセリフをして、「いい、キャッチ考えてよ」と頼まれることがあります。
自分からしたら、「このポイントが大切!」ほど優れたキャッチってないと思うんですよ。
そこが、終わりの見えない空論の始まりなんでしょうね。

話を戻しまして、コピー。
なぜ、テキストもコピーに含まれるのかといえば、文字数の規定がないから。
例えば、13文字以内だったらコピー、それを超えたらテキスト・・・なんてルールはないでしょ。
ただ、気の利いたセリフのことをコピーとする風潮はありますよね。
いずれにしても、メッセージを込めた文のこと。
「クラシアンで検索」は・・・よくよく考えると微妙ですが、コピーではない。
また、原材料一覧なんてのも、コピーとは違う。それはテキスト。

コピーで原材料一覧をやってみたい気はしますけどね。
南米の熱い風「唐辛子」、青森の暴れん坊「国産ニンニク」、フォークなのに刺すことを許さない「ロングパスタ」・・・とか。
スポンサーサイト

[2407]「気軽にお問い合わせください」が通じない職業

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

「まず、お電話を!」
とか、
「どのようなことでも、遠慮なくお問い合わせください」
といった誘導文言を、必ずしも好まない業界があります。
ズバリ弁護士です。

極論すると、自動車事故の物損で30万円を争うより、3億円の遺産争いを扱ったほうが、「もうかる」んですね。
また、いわゆる「質の悪い案件」・・・上司がムカツクから何とかしろ、保育園落ちたなどなど・・・を避けたい場合もある。
自分の感覚値で言うと、3人に1人の先生が、「何でもウェルカム」タイプではありません。
受任の段階で、一定の線引きをしたいとおっしゃるんですな。

工事現場イメージ
自分だけの感覚で「工事が迷惑」と言われても・・・

ところが、制作サイドの想定は、得てして「まず、お電話を!」「遠慮なくお問い合わせ」路線なんです。
まあ、これが通用しない業界って、ほとんどあり得ませんから。
でも、弁護士は違うんですよ。

その辺の事情をしつこく訴えていたこともあり、最近、デザイナーに取材現場へ出向いてもらうことが多くなってきました。
いいことですな。
事案にフィルターをかけたがる弁護士さんの場合、最初の問い合わせステップは、メールフォームなんです。電話じゃないんです。
そうは書かないにしても、「まず、メールを」あっての「おもしろそうだったら、こちらから連絡します」なんですね。
フロー自体が違ってくる。

もちろん、「雑談ウェルカム」タイプの弁護士もいますよ。
ても、それは、全体の6・7割。
「問い合わせの間口を広げる」という志向は、必ずしも成り立たない。
法律相談が無料の場合と有料の場合があるのは、主にこのため。
とくに、売れている先生ほど、フィルターを入れたがる傾向が顕著かな。
言い方は悪いですけど、客を選ぶパターンがあるってこと、そして、イチャモンや難癖を持ち込む人種がいるってこと。
このさばき方によって、サイトの方向性が違ってくる。
それくらい、事前に打ち合わせしといてよ・・・って思うんですけど。

[2406] 観光協会のない、市街地のロケ地紹介

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

某メディアで連載している、映画のロケ地紹介。
12月号は、某市街地が選ばれました。
映画のメイン舞台は団地。
城北系の私鉄沿線で、ギリ東京都といったシチュエーションです。
これ以上は書けません。

さて、普通なら、近隣にある見どころの画像などを、観光協会に頼んで借り受けるわけです。
ところが、ごくフツーの市街地なので、観光協会が存在しない。
ネタは無理くり作るとしても、画がはめられんのですよ。
さて、困った。

団地のイメージ
この写真は横浜市内某所ですけど、大枠、こんなイメージ

さらに市街地の場合、観光地とは異なり、土日に「役所」がお休みなんですね。
もちろん大代表は通じますが、細かな対応となると無理。
おそらく多くの読者は、メディアを見て、土日に訪れようとしますよね。
しかし、問い合わせ先が大代表だと、「このグルメ、どこで食べられるんですか?」的なところまでフォローしてくれないわけです。
さて、困った。

さらに、さらに・・・。
観光協会があれば、レジャーやグルメ、仏閣などの対応を一手に引き受けてくれます。
それが観光ってことですから。
では、「観光」という概念のない市街地ならどうでしょう。
レジャー・グルメ・仏閣の各対応を、公園課・物産課・文化資料課などに、それぞれ求めなきゃならんのです。
でました、縦割り行政。
っていうか、フツーの街ですからね。それが当たり前なのかもしれません。

いやはや、いい勉強になりましたよ。メディアにとっても。
フツーの街をロケ地にした映画は、作品選定の段階で外すべきだと。
ちなみにですね、こういうときに限り、おもしろいネタが集まるもので。
・・・大代表、ニッチ過ぎて、対応できないだろうな。

[2405] 制作サイドの方程式は、現場で通用しないことが多い

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

「ウチは競合がいないので、差別化って言われてもね。地道にやってきただけですよ」
実際、そういう取材対象者って、少なくないんです。
サイト制作に関わっている方、ぜひ、知っておいてください。

プランナーが組んだサイトの設計書は、得てしてバリバリのマーケティング論でできています。
少し前にはやった「3C」なんぞを持ち出してきて、
市場・・・顧客ニーズをヒアリングしてください。地域性、具体的な問い合わせ内容など。
競合・・・ライバルの動向について、わかっている範囲のことを。
強み・・・優位性を保てる差別化、独自のサービスを聞き出してください。
なんて指示が出たりするんですけど、冒頭の一言で飛びます。

あのね、ほとんどの顧客は、理想論より結果論なの。
「3C」を考えながら、ギョーザを焼いていたりしないの。
サイト制作に関わっている方、ぜひ、知っておいてください。

焼きギョーザイメージ
ギョーザは一例というか極論です、とりあえずの茶濁

ギョーザに限らず、弁護士にしたって医師にしたって、「地道にやってきただけ」というのがホンネだと思うんですよ。
インタビューに制作が同行してくれると、この辺の感覚をわかってもらえます。
要は、冷静にクライアントを観察して、その良いポイントをアピールすれば事足りる。
まず、そこでしょ、大切なのは。

「3C」は・・・っていうか、いまだに?・・・単なる分析手法ですからね。
主と従でいえば「従」。
目的と手段でいえば「手段」。
それなのに、「従」や「手段」が前提って、おかしいでしょ。

試しに、「3C」でムリクリ押し通してみましょうか。
市場・・・千葉県内中心の若い世代。
競合・・・内房側は特に想定なし、外房は無視、あえていえば都内の競合。
強み・・・駅から歩いて5分。
これで、誘客できるサイトが作れるんですか。

ですからね、あなたたちの考えていることって、やっぱり「空論」じゃないかと思うんです。
不要とは言わないものの、教科書をそのまま持ってこられても困る。
そういうもんじゃないんですよ、現場は。
どちらかというと「結果論」で成り立っていて、そのなかにKFSが詰まっている。
そのヒアリングを「任せなさい」。
ちゃんと、差別化してあげますから。

[2404] 新人の初受注案件、フォローすべきか放置すべきか

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

さあさあ、1年で最もおっかない季節がやって参りました。
ちょうどこの時期、編プロの新人が世に放たれ、初受注なんぞを決めてくるのです。
コッチは、年間50件以上のサイト制作に関わっているわけで・・・。
そんな自分からしたら、やっていることがメチャメチャに思えてきます。

今回は医科だったんですが、何て言うか、オチがないんですよね。
「こんなお悩みは、ありませんか」から始まって、
「代表的な症例」と続き、
「当院の特徴」を列記して、
「治療方法」を一通りなめると。

まあ、必要最低限の呈はなしているものの、来院へ結び付けるメッセージがないというのか、スペックで終わっちゃっているというのか、要は「だから、どうした」感が満載なのです。
これじゃあ、集患に結び付かないだろうな・・・と思いつつ、さて、どうしたものでしょうね。

足の骨格模型
「肉付けがない」という茶濁でございます

もちろん、ベテランライターとしてのアドバイスはできますよ。
けど、彼らなりに頑張っての、取材指示なわけです。
そして、肝心なことに、人生初の受注なんですよね。
記念すべき一里塚を、他人の色に染めて良いのだろうか。
・・・結構、悩みます。

むしろ、指示通りにやってあげて、教訓として残すこともできる。
いまは「残念」でも、3年後や5年後に「あのときは、何も知らなかったよなー」が言えればいいんですから。
逆に、手伝っちゃうと、自分で気付かないままスルーってことになりかねない。
それより、いつでも立ち返れる原点を作ってあげたほうが、本人にとっても良いのでは。

ただ、放任主義で怖いのは、先方から「作り直し令」が出ること。
この場合、ライターに帰責があるのなら、もちろん無償対応しますよ。
そうじゃなくて、担当者の不慣れに原因があるとしたら、これは「追加依頼」です・・・少なくとも、自分の認識では。
もちろん有償。当たり前じゃないですか。

今回は、その辺を、タダでやってあげちゃうかな。
初受注に免じて・・・ってことで。
その代わり、反省文を書かせよう。
自分のドコが間違っていて、何に起因していて、どうすべきだったのか。
それが、成長ってことですよ。

って、何で外部の人間が人事やってんだか。

[2403] 事件は現場で起きている、裁判の申立書に見る悲喜こもごも

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

法律事務所のサイトを作る際、ケーススタディを多用しています。
「慰謝料とは」とか「時間外労働の基準とは」みたいな語句説明をやるより、ケースという読み物に落とし込んだほうが、具体的でわかりやすいと思うんですよ。
親しみやすいというのか、入りやすいというのか。

ところがですな。今度の先生、裁判官が読む「申立書」を渡すので、読み込んできてほしいと。
そりゃ、あなたたちは、自分が書いた資料ですから、何が書いてあるか一目瞭然ですよ。
しかし、フツーのライターにとっては、ちょっと酷じゃないですかね。
きょう1日じゃ、さばききれませんでした。

裁判の申立書のコピー
法律用語の塊が100枚以上、しかも両面

それにしても、現実というのは、通り一辺倒じゃいかないんですね。
単に「残業代請求」といっても、過去に難クセをさされて、度重なる減給処分を受けた後、「本来の給料をベースに争いたい」・・・なんてケースがある。
マタハラの例では、育休を取るならパートに落とすと脅され、それでも抵抗したら、過去に同じ処分を受けた社員が会社の交渉人として派遣され、渋々のんだものの、「やっぱり納得いかない」と反論し、地方へ飛ばされ、やっぱり本社がいいからパートで働かせてクレと懇願し、それを合意の証として受け取られた・・・みたいな、組んずほぐれずのケースもある。
どこから手を付けていいかわからないですよね、こうなると。

つまりですな、残業だけとか、マタハラだけを扱うケースっていうのは、現実として少ないんです。
必ず付加要素が積み重なっていて、自分じゃどうにもならないから、弁護士を頼る。
少し冷たいことを言うなら、自分で難しい局面へ追い込んでおきながら、他人に助けを請う。
もっと早く相談していたら、こうならなかったのに・・・という場面が多々あります。

本当は、「あれ?」「そうでしたっけ?」という段階で、法律事務所へ行くべきなんです。
「やられた」とか「チクショー」段階じゃ、遅いの。
っていうか、そうしてくれると、こんな枚数の「申立書」を読まずに済みます。
過去30年のいきさつをチェックさせられる身になってください。
頼みます、本当。
お仕事のお問い合わせ
カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
プロフィール

てつまる

Author:てつまる
神奈川県を中心にフリーで活動しているライターです。
超IT系を除き、医療・各士業・経営者・アスリートへの取材、アーティストプロモート(情報発信)、イベントレポなどを手がけています。

最新記事
カテゴリ
お世話になっているサイト様
最新コメント
最新トラックバック
コトバカウンター
special thanks to
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR