[2400] 本当のウラ話(もう時効だし的なネタばらし)

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

今回、ネタが思いつかなかったので、久々に過去記事を追ってみることにしました。
そうしたなか、「ああ、これね」と思ったのが、海の清掃船を追った記事。
2014年のいまごろ、ロケをしていたんですな。

メインテーマとなる「海の掃除」は、官公庁の仕事を民間の会社が受託しているというスタイル。
比較的、良くあります。
このような場合、取材の許可申請先は、基本的に官公庁ということになります。
いくら委託会社がOKでも、お役所が「ウン」と言わなければ、前に進まない。
ところがこのとき、「とあるウラ技」を使って、官公庁の許認可をパス・・・というかスルーしました。

海の清掃船を取材した「はまれぽ」の記事
記事の上では、「画像提供」という形になっているのだが・・・

清掃船に同乗し、作業中の画を収めるには、市の許可が必要。
「じゃあ、画像が提供された呈を取って、実際は乗っちゃえば」
そんな提案が、するりと委託会社から出されたもので、文字どおり便乗させていただいたんです。
作業自体は事実、つまり報道扱いなので、「丘で取材を受けた形」なら、許認可は要らないんじゃないかと。
そういう判断を、現場でしてくれたわけです。

なので、記事に使っている画は、「丘から撮った」ものか、「資料提供」としたもののいずれか。
でも、実際は、すべて自分で撮ってます。
「船長とのお別れ、がんばって」
なんて言ってますが、ずっと横で張り付いてました。
本当言うと、一個だけ資料複写が混ざってますけども・・・。

こういうグルというか、害のないウソというのか、あまり意味のない手続きをパスする手法は、結構あったりします。
判断が難しいですけどね。
当事者以外に迷惑をかけないことと、犯罪行為そのものでないことなら、場合によっては「乗った」でいいんじゃないでしょうか。
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[1499] 日が短くなって思うこと

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

夏の午後3時に現場入りするのと、冬のそれとでは、明らかにできることが変わってきます。
冬の場合、外観撮影や外ロケは、午後4時が限度でしょう。
その時刻を過ぎると、画が青くなる「青っかぶり」という現象が起きるからです。

フィルムを使っていた時代は、ことにこの傾向が顕著でした。
コダック系のポジで撮ると、独特の「コダックブルー」が発生したりして、わざとそんな効果をねらったものです。
それはさておき・・・。

なので、15時集合という設定は、季節により「外ロケやらんぞ」ということを意味しています。
というか、そういう認識を持ってもらいたいんです。
夏なら、なんとか持ちこたえることができる。
でも、冬は、思っている以上にキビシイ。
そもそも斜光って、影が出てきちゃうのでやりにくいんですが。
やっぱり、ロケるなら、正午が最適。

みなとみらい21地区の夕景
9月下旬の18:02、もう、すっかり夜です

飲食店とかだと、「イルミネーションがキレイだから、夕方でも構わないよ」という方がいらっしゃいます。
あのね、どんな外観をしているのか映らないですけど、本当にいいんですか?
その写真を見て店の前に来ても、日中と違う姿だから、気付かれないですよ。
キレイな画を撮りに来たんじゃないんです。
現状を押さえに来たんです。

「画像処理して、青っ気飛ばせます?」
言いたいことはわかりますけど、単に「青っ気を飛ばす」のではなく、赤と黄色を乗せるって作業ですからね。
少なくとも、ライティングを主たる役務として提供している私の画像処理能力では。
だから、関係のないところが真っ黄色になったりします。

取材に協力いただいているわけですから、強いことが言えないんですれども・・・。
自分の都合がいい時間ではなく、「見栄えの好ましい時間」っていう発想、どうにか持っていただけないですかね。

[1498] ウィキは、信頼できる参照情報たり得るか

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

取材を伴わない記事では、周知の事実といえない事柄に対し、参照元の明記を求められる場合があります。
このとき、一般人のブログなどは論外として、ウィキもNGとする版元が多いようですね。
これは、もともとウィキの設計思想が、「一刻千金」に基づくからだと理解しています。

ことわざでいう「一刻千金」とは、「一字でも修正する部分があれば大金を払うよ」と周知して、世の中に精査を求めたもの。
ウィキも同様で、
「多くの目にさらして修正を積み重ねれば、いずれ、正確な内容になっていくだろう・・・」
という編集方針。
よって、常に、発展途上の余地を残すことになる。
専門家の知恵より数の理論というのか、少数の真理より多数の誤解というのか。
そんな可能性もあって、参照がNGになっているんだと思います。

曽我墓に関するウィキ
「曾我兄弟の仇討ち」についてのウィキ・・・これって、ネタモトが山ガハじゃんね

「山ガハ」がいいかげんだったとは言いませんよ。
確かに、『富士ニュース』を見つけて、曽我墓を追いかけました。
でも、それをもって、「曽我墓は14箇所」というのは乱暴なわけです。
参照元が明らかだから正しいとは、断言できない。
少なくとも、百科事典の呈を名乗るメディアでは。

では、キーワードの検索結果を見て、多くの人が同意見を寄せている場合はどうか。
このケースでも、リスクは残ります。
なぜなら、固有の著名な媒体に引っ張られている可能性があるから。
ガリレオが宗教裁判にかけられたのは、数の理論ですよね。

他方、版元が一次情報の出元を確認し、「この人なら信用できるな」と判断した上で参照するのはアリでしょう。
やはり、正確さの裏付けには、専門家の知見が欠かせないと思うんです。
問われるのは、数じゃない。
ですから、現段階でのウィキは、リサーチの出発点やとっかかりに過ぎないのでは。
少なくとも、プロのライターとしては、そう思います。

[1497] 情報公開日についての考え方

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

こんな記事を担当しました、あるいは、こんな内容のコラムがUPされますということを「事前に公開できる」日のことを、情報公開日と言ったりします。
じゃあ、それまで全くオープンにできないかというと、あながち、そうとも言い切れないんじゃないですかね。

情報を公開できない理由として考えられるのは、第三者が秘匿情報を利用して、不当な利益に結び付ける可能性があるから。
ほかにも、リリースのタイミングとか商品発売の時期とか、いろいろあるでしょう。
しかし、この「利益損失」という点が、もっとも大きいと考えています。

例えば文春砲クラスのネタなら、他社に抜かれることで、その威力が弱まってしまうでしょう。
あたかも、「先」に出した方がオリジナルで、「後」がパクリと思われる可能性だってあるわけです。
しかし、サービス紹介のページならどうか。
しかも、どこにでもありふれているような内容で、オリジナリティや先見性などが皆無だったとしたら。
これなら「利益損失」にはつながらないですよね。
むしろ、紹介を早めているだけの話。
だからといって「やりたい放題」というわけではないんですが、グレーな場合の判断基準になると思うんです。

鎌倉駅西口
鎌倉に本社を置く某製菓メーカーの、商品紹介ページを担当します

仮に・・・仮じゃなくてリアルなんですけど・・・上記の情報を出したところで、誰かが「不当な利益」を得るとは思えない。
つまり、同じ情報でも、守らなくてはいけない部分と、そうではない部分があるんです。
この判断が難しいから、めんどくさい人はライター側に、「全部ダメ」を出す。
あるいは、判断が行えないライターを想定して、より大きな足かせをはめる。

自分の場合は、よっぽとのことがない限り、「情報公開日」の確認をしません。
販売で収益を出している情報雑誌だけは別かな。
ほかは、「最悪、仕事が切られるリスク」も想定して、そうではない部分の情報量を調整します。
つまり、出すっちゃ、出す。
ただし、ここまでなら「利益損失」が生じないよねってラインを引く。
NDRを結んでいたとしてもです。

だって、そんなこと本来、コッチの自由じゃないですか。
それに、この手の話って、レベルが低い人に向けたもので、信用されていないことの証でしょ。
文筆業以外の業種だって当てはまることなんだから、情報漏えいに該当するかどうかが基本で、全部ダメって意味じゃないと思っています。

[1496] 国内大手キャリアが手掛ける、お取り寄せサイト

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

本当は「お取り寄せ」じゃないんですけど、検索結果に載りたくないので、避けまくっています。
ピザとか店屋物などを自宅まで届けてくれるサービスってありますよね。
漢字二文字で、○○一丁とか、○○迅速とか。
ここでは仮に、「テルマエ」としておきましょうか。

さて、キャリア大手のD社さんが、いろいろな「テルマエ」サービスのポータルサイトを構築しています。
で、そのオウンドメディアとして、「テルマエの歴史」をシリーズ化していきたいと。
たとえば、ピザのテルマエはどうして始まったのか、豆腐のテルマエでラッパを吹くのはどうしてなのか・・・。
今回、依頼が来たのは、その初回を飾る総論的なコラムです。

スーパーカブのイメージ
わざわざ、イメージ画像を撮りに出かけました

テルマエが始まったのは、どうやら江戸中期のようですね。
インターネットを調べてみると、当時のタウン誌に該当する書籍があって、その表記を出自としている説が散見されました。
ただ、それをそのままパクってもしょうがない。
そこで自分は、落語に出自を求めてみました。

出だしは、落語「時そば」のお金を数えるシーンから。
このいきなり感が、自分の持ち味だと思っています。ツカミとでもいうんでしょうかね。
あと、ほかのサイトにない情報として、70年代におけるファミレスの登場を絡めました。
テルマエの歴史は、ここで一度、先細るんです。
それが、なぜいまのようなブームを起こしたのか・・・。
ヒント、映画E.T.
あれがきっかけで「ラ」がぶわーっときて、ついでにビャーっとなって・・・。
これ以上、書けません。

仕事として、割とおもしろかったです。
D社さんも「おもしろい」と感じてくれれば、連載決定。
各論の一回目は「そば・うどん」になるんじゃないかな。
あっ、「時そば」のネタ、そのときまでキープしときゃ良かった。

[1495] リニューアル工事中でも行っちゃう? とある観光情報のコラム

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

映画のロケ地を巡るコラム、10月号のテーマは「デスノートx九州北部」になりました。
漫画は読んでいませんが、アニメと実写版なら追えています。
全然、大丈夫。
登場人物のライトとエル、ご当地にある太宰府天満宮の菅原道真、門司港レトロから行ける巌流島など、「天才と、そのライバル」という軸でまとめられそうです。
あまりロケ地ってませんが、このコラムはそういうところを気にしていないので、いいんです。
全体として、観光情報になっていればヨシ。

ところがですな、肝心なロケ地の一つである「北九市立美術館」は、10月いっぱいまでリニューアル工事とのこと。
1カ月ズラすのもやむなしと思って報告したら、思いの外、GOってんですよ。
そうなっちゃうと、あの・・・本当のロケ地って福岡市地下鉄空港線「赤坂駅」しかないけど。
しかも、カーナビユーザー向けのメディアなので、車との相性悪いけど。
ロケッたの構内だし、キップ買わないと入れないし。
それでもGOだと。
ヨシ、わかった。後は知らん。

北九州市立美術館
どちらかというと『図書館戦争』のイメージが強い、「北九市立美術館」

頼みますから、記事見て、すぐ行かないでよね。リニュのことに触れときますので。
それにしても、仮囲いしてるし、中へ入れないし。
まあ、アーカイブ扱いになった後日、見ることもあるんだろうけれど、こういうのって、どうなのかな。
時事系のメディアでやったら、クレームがワンサですよね、きっと。
担当のSさん、メディア出身なのにな。
すっかりプロモーション屋になっちゃって、クライアントしか見てない。
読者意識より、1カ月ずらすストレスの方が、影響大なんでしょう。
それでもGOだと。
ヨシ、わかった。後は知らん。

このようにですね、「不親切な記事」というのは、必ずしもライターの凡ミスに起因していないのです。
だから、SNSなどでタタク場合は、媒体元にしてください。それなら、仮にライターが悪くても、窓口としては正しいことになります。
逆の場合、コッチは気を配っているのに、名指しで攻撃を受けてしまう。
とんでもない誤解です。
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てつまる

Author:てつまる
神奈川県を中心にフリーで活動しているライターです。
超IT系を除き、医療・各士業・経営者・アスリートへの取材、アーティストプロモート(情報発信)、イベントレポなどを手がけています。

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