[2430] 取材でコピーコンテンツを作る謎

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

某・男性のお悩み系記事を、取材して書いてくれませんか。
インタビューは3時間。これを元にして8本くらいの連載が好ましいです。
タイトルや構成案はコッチで作るものの、細かいところはお任せします。

そんな依頼をいただきました。
8本3時間ってことは、1本30分。
まあ、一般即みたいなすでに出回っている事実プラス、オリジナルな部分をヒアリングして、ガッチャンコすればいいのかな・・・。
インターネット調べた内容半分、現場の「生の声」半分。
そんなイメージをしていたのです。

ところが。
出てきた構成案をみたら、ほとんどが一般即なんですよね。
ご丁寧に、参考サイトまで記してある。
取材しなくたって、このまま書けるじゃん。

チョンマゲのモニュメント
この辺に関するお悩み記事でございます

考えられること。

1. 参考サイトはあくまで参考なので、項目と記載内容を現場で確認してください。
→それは、取材前に営業が確認することでしょ。
「どんな内容を載せますか」ってところから始めていたら、とても1本30分じゃ、足りない。
それに、「このまんまでいいよ」ってことになったら、ただのリライトじゃないですか。

2.参考サイトの内容を確認し、真偽チェックをしてもらってください。
→それは、取材後の「校正作業」になるんじゃないの?
いずれにしたって、リライトでしょ。

あのさあ。キミが考える「取材」って何なのよ。
本来、オリジナルコンテンツであり、人が発する「生の声」なんじゃないの。
なのに、コピーコンテンツで事実を確認するんだったら、インタビュー要らないじゃんね。
例えばだよ、インタビュイーが
「ボクはこの研究が世界を変えると思っている。世の男性に『あきらめるな』と言いたいんだ」
ってなことを語り出したとしたら、それがインタビュー記事のメインになるんですよ。
医学的事実なんてインターネット上にいくらでもあるんだから、その人の「アツイ想い」を載せることで、オリジナルコンテンツが成立する。
そうでしょ。
なのに、ラーメン記事の取材で、具のトッピングを確認しに行くか?
要は、そういうことですよね。
「他店ではチャーシューとメンマとモヤシを入れていますが、貴店の場合、ナルトはどうしてますか」って、そりゃ、インタビューじゃないよ。
公式サイトを見ればわかるじゃん。
「店長にとってラーメンとは何ですか」みたいなのが、ヒアリングなんだって。

何ダロ。
「取材」という雰囲気をやってみたかっただけなのかな。
とにかくね、取材は「事実」メインじゃないの。「生の声」なの。
だって、「事実」メインだったら、会話文って出てこないでしょ。

「ラーメンは600円です、麺は120グラムです」と店長は熱く語った。

そんなバカな記事ないって。
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[2429] 写真のポーズが取れない人に、C3POとR2D2のススメ

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

インタビュイーのお写真を撮る際のお話。
やはり、慣れていないというのか、ピンピンにシャチホコ張っちゃう方がいらっしゃいまして。
そんなとき、何とかポーズを取ってもらうための小ネタがあると便利です。
とくにバストアップの写真では、顔回りに手があるとメリハリが出ます。

自分が多用しているのは、ペットの話。
「どれくらいの大きさですか」
なんて聞くと、大抵、手で幅を示そうとしますよね。
あのポーズが決まると、演説調に見えてくるから不思議。
見た目は、「熱く語っている」調。
しかし、その実は「ミーちゃんのサイズ」だったりするんです。

五月人形としての関羽像
しかめっ面としてのイメージ的な茶濁でございます

ペットの話じゃありませんでしたな。
標題、C3POとR2D2についてです。

これは、知り合いのカメラマンの持ち技なんですけど、ペットがいない人の場合に有効です。
つまり、カメラの前で、C3POのポーズを取ってもらうんです。
イメージとしては、知らない宇宙語を翻訳しているときの手の動き。
少し腕の位置を上げてもらって、胸から首くらいの高さで、ハンドパフォーマンスしてもらう。

C3POは、両手の高さを変えたいときの手段です。
対するR2D2は、両手を平行にしたいとき。
考えてみれば、R2D2が腕を上げるケースってありえないんですけどね。
しかし、それはそれ。
話してみると、意外と飲み込んでくれます。
まあ、顔の前でポーズするってのが前提になってますから。

後は、笑顔。
こればかりは、取材慣れが多分に影響します。
シロートの場合、「笑っている」という感覚では不十分で、むしろ変な顔になりがち。
表情を潰すくらいの笑顔が、写真に写った状態での「普通の笑い」なんです。
いい表情をいただくには、ひとえに話芸ですな。
なにもギャグを飛ばせってんじゃなくて、砕けた雰囲気にするというのかな。
そのうえで、話題を探っていって、ツボを見つける。

これ。結構なスキルだと思うんですけど、振り付け+笑顔フィーっていただけないんでしょうか。
現場では、ライターに振られたりします。

[2428] 紙コンテンツと公式サイトコンテンツの違い

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

以前にも似たようなことを書いたと思いますが、改めて、現在の心境です。

公式サイトコンテンツの主眼は、商品やサービス内容の詳細、つまり「事実」。
他方、それを紹介する紙メディアは、想いやバックグラウンド的な「読み物」でいい。
だって、事実は公式サイトに載っているのですから。

それが、少し前までの、自分の認識でした。
ところが紙メディアって、ブツとして残るというのか、保存性があるんですよね。
そうなるとですよ、むしろ「事実」を記録する媒体としては、紙のほうに分がある。
最近、そんなふうに考えはじめてきたんです。
また、それを望むクライアントが、一定の割合でいらっしゃいます。

税理士事務所の保存版書籍
自分の中で転機になった「保存版」的な書籍案件

つまり、紙コンテンツと公式サイトコンテンツの違いって、実はなかったりするんです。
・・・というと言い過ぎか。
ライターが意図して差別化しようとしても、それをヨシとしない場合がある。
そうなると、取材しなくてもいいじゃんって話ですよね。
サイトに書いてあることをところどころ要約して、テニヲハを整えればいい。
でも、取材はやってクレと。
何だか、単純なリライトを避けることが目的で、言い換えワードを聞きに行っているような感覚があります。

まっ、それじゃ、せっかくいただいているフィーに見合わないので、想いやバックグラウンドも聞きますよ。
「税理士に欠かせない素質って、何だと思われますか」
「その着想に至ったのって、何かきっかけがあったんですか」
でも、文字数が限られている紙面の場合、優先度は下がりますよね。
ムリクリ文章の流れの中に入れ込んでますけど、要らないっちゃ、要らない。
というか、「読み物」として柔らかくするためのプロセスなんですよ、これは。
事実の圧縮とは相反するんです。

不思議なことに、こうした「保存版」的案件のほうが好条件。
ヒアリング重視の「読み物」的案件は、得てしてフィーが安い。
自分としては、後者のほうがパワーを使うんですけどね。
ジレンマですが、事実をよりリアルなものとして描写するために、取材していくしかないでしょう。
やり過ぎると「読み物」。
省略すると「リライト」。
困っちゃったな。

[2427] アニキャラ街おこしに地元が反対する理由

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

これからお話しするのは、あくまでも「架空」のフィクションです。

さて、ロケ番組のリサーチなんかを振られた場合、おおむねWebで済ませるんですが、フィーによっては現地へ出向くこともあります。
費用を負担してくれる小旅行的な感覚。
もちろん、お仕事はきっちりこなします。

そんななかの今回、事前の調査によると、街がアニメとコラボしているようなのです。
スタンプラリーみたいな企画もあって、キャラを全制覇したらどーたらこーたらみたいな。
ところが地元の参加率は、ざっと目分量で5%。意外と薄いんですよ、アニメの露出度が。
そこで、参加していない店に理由を聞いてみたら、「ウチの雰囲気じゃない」と。
今回のアニメが「萌えキャラ系」だったこともあり、地道というか硬派な店主としては、乗りづらかったようですな。
コラボを宣伝しているウェブサイトはノリノリなのに、対する地元はイマイチ。
こういうことがあるから、現地入りはおもしろいし欠かせないんです。

アンパンマントレイン
四国にある某電鉄、反対例ではないので注意

加えて、ライバル店の対立構図ってのが、あったりするんですね。
「向こうの店が載らないんだったら、出てもいい」
「向こうの店が載るなら、ウチは参画してないけど載せろ」
「あの店が載るなら、この商店街は取材禁止」
取材禁止って、商店街の組合長が言ったりするんですけど、やり過ぎですよね。
個人の思惑が組織に影響力を与えている。
おっと、繰り返しますが、あくまでも「架空」のフィクションです。

悲しいのは、行政が先に動いちゃうと、チグハグさをパワーアップさせてしまうこと。
ラッピングバスなんかが、地元のいさかいをよそに、しれっと走っている。

どうしよう、95%が参加していないなら、非参画店をメインにすべきか。
ちなみに、自分が個人として勧められる店舗で組んでみたところ、参画店舗は「0」でした。
でも、これだけインターネットで取り上げられていて、それに触れないのも不自然ですよね。
メディアに電話したら、「1店舗くらい入れとけば・・・」的な指示だったので、テキトーに選んどきました。
あとは、うまくロケってください。アニメ好きのタレントとか呼ぶと、企画が崩壊しますからね。たのみますよ。

[2426] 二次コンテンツって何なのさ

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

某編プロが「二次コンテンツ」とか「三次コンテンツ」とか言うんですけど、何すか、それ。
ググっても、出てきません。
コンテンツの二次利用ってわけでもなさそう。
三次利用の意味が、パクリのパクリみたいになっちゃいますからね。

どうやら、話の内容からして、一人称・二人称・三人称のことらしいんです。
一次コンテンツとは、メッセージの発信者と書き手が一緒の文体。つまり、一人称です。
二次コンテンツとは、書き手がメッセージの発信者を取材して書く二人称のこと。
三次コンテンツとは、一般的な情報をソースにしたもの。メッセージの発信者が不在という意味の三人称になります。
「なります」って言うか、そんな単語、創るなって。

スパゲッティのメニュー
一次コンテンツ例としての、スパゲッティメニュー

どうなんだろ。
周知の言葉でないことに加え、業界用語ですらないような気がする。
少なくとも、いままで聞いたことがありません。
おそらく、その会社である程度のポジションに就いている人が常用しているんでしょうね。
そうなると、符丁かな。
まあ、お付き合いする以上、頭の中に単語登録せざるを得ないんですけど。

この、「自分では当たり前に思っているコトバが『符丁』に過ぎない」現象って、インタビューでも起こり得ます。
以前ご紹介したのは、「フィーチャリングであり、カップリングだ」とのたまわった経営者の話でした。
「事業パートナーを探して、ご依頼者と結び付ける」ではダメで、「フィーチャリングであり、カップリングだ」と書きなさいと。
そんなこと書いても、大抵の人はわからんわけですよ。
でも、構わないと。そう書けと。

なぜ、こんな話を蒸し返したのかというと、さっきの編プロが関係してきます。
いわゆる「二次コンテンツ」の企画なんですけど、想定文字数に対して取材時間が圧倒的に少ないんです。
ざっくり2時間で3万文字想定。
んなワケ、行くかいっ。
テープに記録されたコトバがすべて文字にできると考えている。

経験則からすると、ギリで6時間。できれば9時間かな。もちろん、取材日程は2・3日に及びます。
ぜったいどこかで、ややこいことになるって。
「本当にそう書いてもいいんですか、意味が伝わらないかもしれないですよ」みたいな確認って、必要なんだから。
そういう作業で、30分くらい簡単に飛ぶんだから。
後で「足りネェ」ってなるより、先にのりしろを持っておいたほうが、スマートなの。
とりあえず、その日程じゃあ、やろうと思っていることの半分もできませんって。

そう、「フィーチャリングであり、カップリングだ」の例を出して、説明してあげました。

[2425] 仮デザイン意味で使われる「アテコミ」は囲碁用語!?

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

新規の企画を立ち上げる際、とくに紙では、文字数や使用する画像の数が決まっていなかったりするんですね。
とりあえず、それっぽいデザインを上げてみてから、あーだこーだすることが多い。
文字のボリュームが少なくないか・・・とか、この囲み記事にも画がほしいな・・・とか。

よくあるのは「テキストテキストテキスト」みたいなダミーコピーなんですけど、クライアント確認が絡む場合、もうちょっとマシなコピーを付ける場合があります。
画も、とりあえずでいいから、どこかからパクってきたりして。
そんなタタキ台を頼まれたので、

「要は、アテコミを作れってことですね」

と返したら、ポカンとされたのです。

創作料理のアテコミ
戸塚のトツカレーをアテコンだ図

「アテコミ」って、あまり使わないのかな。
「アテコミ」に限らず、「とりあえずアテコンどいてよ」なんて、言いますけどね。
それでもって、ある程度の方向性が承認されたら、いよいよもって本テキストを作ったり撮影を手配したりする。
たいていは2回ほど路線変更があるので、先に撮影すると、ムダになったりするんですね。
テキストもムダになるじゃん・・・と思うけど、ライティングの苦労はあまり重視されません。
それは、それとして。

「アテコミ」の認知度を調べる意味で検索してみたら、どうやらその語源は、囲碁にあるようです。
「アテツケ」もそう。
どう囲碁と関係してくるかは、調べてみてください。
自分は、付いていけませんでした。

話を戻しまして。
個人的なイメージですけど、
「タタキ」は、低い精度で大幅な手入れを前提とするもの。「テキストテキストテキスト」可。
「アテコミ」は、おおざっぱな方向性が決まっていて、細部を煮つめるもの。
「ゲラ」は、だれかがいじるかもしれないけど、大きくは外れないもの。
そんな感じじゃないですか。

例えば、インタビュイーへの確認は、「タタキ」や「アテコミ」じゃなくて、「ゲラ」ですよね。
デザインの一部が変わるかもよ・・・的な余地を残しておいて、テキストだけチェックしてもらう。
そう考えると、「タタキ」や「アテコミ」は、インナー用語なんですな。
だから、外に出ないで、あまり知られないのかも。
「アテコミ」は正式な校正に使えない、「ゲラ」は使える。
そう信じて、これからも生きていこうと思います。
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Author:てつまる
神奈川県を中心にフリーで活動しているライターです。
超IT系を除き、医療・各士業・経営者・アスリートへの取材、アーティストプロモート(情報発信)、イベントレポなどを手がけています。

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