[1397] わかっている人の書く、わからない文

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

今回は、専門用語が語弊をもたらすケースの一例です。

半年くらい前でしょうか。
相続に関する最高裁判決で、「預貯金は遺産に含まれる」という見だしが各紙面を飾りました。
これ、
「何を言ってるんだ、当たり前じゃないか」
なんて、思いませんでした?

一般人が考える「遺産」とは、故人が持っていた財産のこと。
その中には預貯金も含まれるわけで、だから疑問を感じてしまうのです。
ところが法律的な遺産とは、話し合い、つまり「遺産分割協議を経て取り分が決まる財産」のこと。
預貯金はいままで、法定相続分通りに分けられるのが一般的で、ある種、相続人の個人財産のように思われていたんですね。

お金は大切だから、もめないで、まず、分割しちゃおうよ。
細かな調整は、現金以外の遺産で図っていこうじゃないかと。

この流れを改め、「最初からお金も含めて話し合いなさい」としたのが、「預貯金は遺産に含まれる」の真意なんです。

棚からボタ餅
預貯金的な茶濁がなかったもので、「棚からぼた餅」

つまり、その筋だけで通る「正確さ」を通そうとすると、かえって誤解を招くことになる。
例外として、一般に知られたくないための符丁は、アリだと思うんですよね。
そうではなく、周知を前提とした場合、専門用語は避けるベキなんです。

さて、このたび成立した改正民法。
未払い金の時効について、新たに「権利を行使できると知ったときから5年」とされましたが、その意味、わかりますか?
単純に、未払い金発生時から5年じゃないんです。
また、うっかり売り掛けがあることを忘れていた場合でもない。それは単なる自分のミスですから。

「知ったときから5年」。これは、例えば債権者が孤独死なんかをして、知らずに権利が相続されていた場合などですね。
知りようがなかったんだから、しょうがねぇじゃねえかと。そういうシチュエーションに限り、時効をカウントするスタート時点がずらせる。
決して、「タンスを探したら、ずっと前に取り交わした書面が出てきた。じゃあ、いまから5年」ではないわけです。
そういう意味の「知った」とは異なります。
修正するとしたら、「棚から落ちたぼた餅をはじめて見たときから5年」ってな感じでしょうか。
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Author:てつまる
神奈川県を中心にフリーで活動しているライターです。
超IT系を除き、医療・各士業・経営者・アスリートへの取材、アーティストプロモート(情報発信)、イベントレポなどを手がけています。

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