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[2263] 岐阜で起きた入院患者死亡事故をEBMとNBMで考える

~その記事、論点ズレてませんか?【ニュースの視点】~

4人の入院患者が死亡した、岐阜県の某医院の事件。
エアコンが故障していたことから、熱中症との見方も出ているようです。
これに対し同院の院長は、「暑い方がいいと言う人もいる」など、過誤がなかったとの見解を示しています。

さて、テレビなどで、「医者なんだから、万全の体制を取るのが当たり前」という意見を聞きますけど、今の医療の流れは、必ずしもそうじゃないんですね。
「医者なんだから、万全の体制を取るのが当たり前」
ということは、
「患者の確認を取らずとも、医師が当然と思うことを勝手にやって良い」
とも受け取れます。
これ、やったらダメですって。
昨今、何につけてもインフォームドコンセンサスの時代ですから。
患者の事前同意がないと、医療側は説明不足の責任を問われかねないのです。

熱中症が疑われている岐阜の医院
報道一例としての「朝日新聞DIGITAL」

こうした傾向は、がん治療などの在り方が見直されるにつれ、クローズアップされてきたのでしょう。
A薬・・・副作用は強いですけど、延命効果が期待できます。
B薬・・・副作用こそ少ないけど、劇的な改善は望めません。
どっちを選びますか。
そんな判断を、患者がする時代なんです。
医師が勝手に決めない、患者の人生は患者のもの。
インフォームドコンセンサスは、この考え方とセットで広まってきました。

そこで標題。
EBMとは、エビデンス・ベースト・メディスンの略。医学的根拠のある医療という意味です。
あえて言うなら、「医者なんだから、万全の体制を取るのが当たり前」という考え方の背景といえるでしょう。
医者は間違ったことをしないだろう。
医学的根拠があるんだから、患者は黙って従えばいい。

他方、NBMは、ナラティブ・ベースト・メディスンの略。ナラティブは「物語」などと訳されます。
あえて言うなら、「医者でも勝手なことをやっちゃダメ。患者の希望や意思を尊重しなさい」。
暑い方がいいなら、エアコンは入れませんよ。
医師として最低限のラインは口出しするけど、基本的に患者さんの物語を「お手伝いする立場」です。

このEBMとNBMは、お互いを退けません。むしろ、双方に留意すべきでしょう。
とはいえ、明確な比率やバランスなんて定義できないので、結局は各医師の判断に任せられるのだと思います。
そんな中での死亡事故。
難しいですよね。
この病院を擁護するつもりはありませんが、「医者なんだから、万全の体制を取るのが当たり前」 とも限らない。
とにかく、了承なしに最悪の事態を招くのは避けたい・・・そんな思惑があったんじゃないかな。
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Author:てつまる
神奈川県を中心にフリーで活動しているライターです。
超IT系を除き、医療・各士業・経営者・アスリートへの取材、アーティストプロモート(情報発信)、イベントレポなどを手がけています。

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