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[3418] 売りにくるジムチョーさんという存在

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

大きな病院や法人経営しているようなクリニックになってくると、事務長さんという方がいらっしゃいます。
本来なら医療と事務は分業すべきで、たとえばクレーム対応などを医師がやっていると、ちっとも治療をはじめられないわけです。
もちろん、マスコミ対応も事務長さんのお仕事。

ところがですな、やり手の事務長さんに限って、すぐ「売り」にくるんですよ。
こちらは客観的な医療記事を書きたいのに、医院のアピールをしだす。
「一般には、どんな方法が用いられているんですか」ということを聞きたいのに、「ウチではコレがオススメ」とか言ってくる。

あのね、オススメが知りたいわけじゃないの。
この分野の標準というか、「フツーに最寄りの医療機関を受けると、“おおむね”どういうことになるのか」が知りたいの。
そのうえで、その方法が「イイ」とか「ワルイ」とかは、言ってくださって結構。
そうじゃなくて、最初から宣伝行為に走るのは待ってください・・・って話。

木製の福助人形
昔の福助 事務長的な茶濁でございます

ここは、メディア側のふんばりどころですね。
記事の本数が欲しくて、事務長さんの言いなりになってしまうか。
それとも、客観姿勢が貫けないとがんばって、突っぱねるか。
自分は、どちらでも、ようござんす。

それに、いざ医師と面会すると、むしろ客観だったりします。
「売り」は事務長さんに任せているから、医療現場に集中しているんですね。
ただし、校正するときに「事務長さんが絡む」ということは、覚えておきましょう。
事務長さんがアピール路線なのに、客観的な記事内容だと、大幅な直しをくらいます。
このパターンが最悪。「ウチのオススメが全然入ってないじゃないの」と。

ですから、事務方と医療方のすり合わせは、やっておいてほしいですね。
メディア側が押し切られた場合、得てして、すり合わせられてません。
そんなときは、力関係でいえば「院長 = 取材相手」のほうが事務長より強いですから、「院長がこう言ってました」と念を押しておきます。
取材中に、「事務長さんがコレを推しにきてましたけど、それって、北海道の患者でも沖縄県の患者でも、フツーに受けられるんですかね」なんて振っておくとベスト。
他方、最初から客観コースで統一されていれば、あまりトラブルは起きません。トラブルというより、「余計な手間」か。

推しの強い記事を見かけると、「あっ、メディア担当が踏ん張れなかったんだ」と思いますね。
ペイドは別ですけど。
ペイドは、お金で都合のいいことを書かせているわけですから、傾斜だらけです。
どうやったって、その坂道へ転がり込ませるようなライティング。
最初からそう決まっていて、そのうえでヤレって言うなら、やりますけどね。
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てつまる

Author:てつまる
神奈川県を中心にフリーで活動しているライターです。
超IT系を除き、医療・各士業・経営者・アスリートへの取材、アーティストプロモート(情報発信)、イベントレポなどを手がけています。

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