[279]東京女子医大の医療ミス、治験は認められているのに何が問題なのか

~その記事、論点ズレてませんか?【ニュースの視点】~

東京女子医大がプロポフォールを大量投与したことで、2歳の男の子を死亡させた事件。
マスコミがあおりすぎというか、「情」の問題にすり替わってしまっているという気がするので、少し整理してみたいと思います。

まずは、医薬品における「適応範囲の拡大」について。
本来「プロポフォール」は、集中治療室にいる子どもに対し、原則として使用を禁止されていますよと。
ところが、医療機関には、こうした制限を見直す方法として「治験」が認められているんですね。
ただし、厚生労働大臣に計画を提出する必要があります。
もちろん、被験者や、未成年の場合は両親との同意が必要でしょう。
つまり、「人体実験」をしたことが、そのまま違法になるわけではない。
今回の事件は、適正なプロセスを経ていなかったという意味で、過失ではないかと思っています。

279.jpg
比較的、視野の広い取り上げ方をしている「クローズアップ現代」

次に気になるのは、「プロポフォール」の使用実態。
これは「クローズアップ現代」がまとめています。
日本集中治療医学会の調査によれば、2割の病院が子どもに対し、ICUで投与したことがあるそうです。
さらに、その8割以上が使用基準を持たず、事前の同意も得ていないのだとか。
ということは、約6分の1の割合で、同じことが起こっていることになる。
サイコロを振って「1」の目が出るぐらいの確率ですね。
東京女子医大固有のケースではないとすると、「真犯人は誰なのか」が見えづらくなってきませんか。

一番いいのは、「適応範囲の拡大」はヨシで、医師が黙って施術するのをダメにすること。
治験がダメになると、医薬品の発展がまったく望めなくなる。
今回の事件、そこへ収束していくんでしょうかね。
「情」の問題として片付けられて、東京女子医大 = 悪者で終わると、サイコロというかロシアンルーレットはこれからも続くでしょう。
むしろ、たまたま「バンっ」となっちゃったのが東京女子医大であって、ロシアンルーレットそのものを禁止するような判決に結びつかないと、意味がないように思います。
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神奈川県を中心にフリーで活動しているライターです。
超IT系を除き、医療・各士業・経営者・アスリートへの取材、アーティストプロモート(情報発信)、イベントレポなどを手がけています。

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