[1190]「釣り堀の魚になった気分」と言われて

~ライターとか、やってます【文章で食べていく方法】~

手前みそですが・・・。
この間、歯科医院の先生に「聴き方がうまいね」と言われました。
医師も患者から情報を引き出す必要があるため、質問の仕方には敏感になっているのだとか。

その先生いわく、「エサをまかれた感じがする」と。
つまり、ストレートに質問せず、関連しそうな単語をちりばめて投げかけ、食いついたところに合わせられた感じがすると。
意識していませんでしたが、確かに、そんな操作をしていたかもしれませんね。

というのも、ありがちな「メリット・デメリット論」とか「歯科素材の比較」なんて、金輪際やりたくなかったんです。
そんなことは、覚えておく必要のない情報じゃないですか。
医院に来て、先生に質問すれば事足りる。
サイトコンテンツとして必要なのは、「心に残る」気付きや発見、そしてマインドセットでしょ。

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イメージとしての撮影風景

例えば、入れ歯の素材を延々と並べたとして、心に残りますか?
インプラントとの比較をすれば、問い合わせが増えるんでしょうか。
そうじゃないですよね。

年を取っても、硬い食べ物を嫌がらないでね。口を動かすと脳が刺激されて、ボケにくくなるよ。だから、入れ歯を作って頑張って「かもう」ね。
歯が一本欠けただけでも、まわりの歯が隙間を埋めようとヨレてくるよ。顔の形や体幹のラインがズレるかもよ。入れ歯を作る是非は、本数じゃないんだよ。
入れ歯にも定期的なメンテが必要。摩耗したり、加齢によって口の形が変わったりするからね。

そういう啓発のほうが、よっぽど大切じゃないですか。
入れ歯を作る気にさせたら、素材なんて、放っておいても聞きに来るの。
だからこそ、手を替え品を替え・・・エサを替え針を替え、釣りに取り組んでいたわけです。
おかげさまで、たくさんの気付きや発見を釣り上げることができました。
先生もハッピー、担当営業もハッピー。

メリット論のような愚にも付かないことをやっていたって、時間とお金のムダですよ。
もう、いいかげん、お子ちゃまレベルから卒業しませんか。
自分なら、そういう取材とコンテンツマーケティングが可能です。

[1189]「音源渡し」の書きおこしに潜むリスク

~ライターとか、やってます【文章で食べていく方法】~

取材音源は別途にあるので、いつものように、サイトの形へまとめてくれないか。
そんな依頼がありまして。
悩んだ末、遠回しにお断りいたしました。

もし、純粋なテープ起こしだったら、受けていたかもしれません。
いわゆる「バリ取り」をして、きちんと読める「書きコトバ」として納品するなら、別に問題はないわけです。
しかし、サイトコンテンツとなると、ちょっと話が違ってきます。
ロジックというのかな・・・読ませるための組み立てが求められると思うんですよ。
音声の順にテキストを並べればいいのかというと、必ずしもそうじゃない。
音声は材料であって、それをもとに戸建てを造っていく感覚。
基礎工事に使う部分、屋根をふく素材、床材にインテリアと、それぞれのパーツを仕分けて、かつ、抜け漏れのないようにしないといけない。

なのに、「材料は勝手に調達したから、後は造ってくれ」って、ちょっとリスクですよね。
コンクリの量は足りるんだろうか、瓦は用意してくれているんだろうか、窓の数だけガラスがあるんだろうか・・・。
なので、サイトコンテンツとして承らず、「バリ取り」ならいいですよと返信したら、案の定ペンディングになりました。

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熱さや幅は同じでも、寸足らず・・・という茶濁です

もうひとつ気にかかったのは、自分が得意とする弁護士事案だったこと。
おそらく、自分のほうが「うまく」聞けるはずです。
なので、「そこで終わるなよ」とか「問いと答えになってないじゃん」みたいなフラストレーションは、かなりあろうかと。
よって、いつも納品しているコンテンツより、かなりレベルが低くなりそうでした。

これは信用問題になりかねないですよ。
「士業なら、とりあえずコーノさん」という流れができているなか、「ほかのライターと変わらないじゃん」になってしまう。
それだけは、何としても避けたかったわけです。
そもそも「士業なら、とりあえずコーノさん」って、そういう意味じゃないですからね。
戸建てを一から請け負うなら、任せてください。
そうじゃなく、「手元にある部品だけで何とか家の形にしろ」って言われてもね。
手抜き工事が前提じゃないですか。

[1188]話しコトバを書きコトバにできる「テロップ」の魔力

~ライターとか、やってます【文章で食べていく方法】~

以前にも書いたことですが・・・。
コミュニケーションの前提になるのは「相手の理解度」。
いくら正しい日本語に習熟しても、相手が間違った覚え方をしていれば、意味をなさない。

この傾向は、話しコトバにおいて、より顕著になります。
聞いたときの印象がすべてですから。
そういうツモリで言ったわけじゃないのに・・・というのは、良くある話ですよね。
例えば、「とっても良いですよ」が「取ってもいいですよ」と思われ、ミカン泥棒されかねない。

そこで問題になるのが、インタビューの生録。
紛らわしいセリフをチェックして再撮したり、N曲みたいにアドリブに台本を用意したり、そういうムダが無視できないわけですよ。
実はテロップって、このムダの解消法なんです。

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あくまでイメージとして作った茶濁でございます

書きコトバなら文字で伝えられますから、誤解の心配がない。
これね、気にしていない方が多いと思うものの、ものすごく有効な武器なんです。
誰が始めたのかは知りませんが、顕彰されるべき発明ですよ。

繰り返しますけど、コミュニケーションは「相手がどう受け取ったか」で決まる。
同音異義語には、常にこの心配がつきまとう。
しかし、そこにテロップを付けるだけで、見事にクリア。
すごくないですか?
再撮もカンペも要らない。
撮って出しができる。
出演者が多少間違っていても、強引に直せちゃうの。

テロップがあるおかげで、尺の中に収められる情報も増やせます。
多少ややこしくったって、読んでくれますから。
ホント、無敵なんだって。
このすごさ、わかんないだろうな。

[1187]懐に飛び込むための断捨離

~ライターとか、やってます【文章で食べていく方法】~

某医院の取材が終わった後、担当営業から、
「きょうの先生は、自分にも見せたことがない笑顔をしていました。何回も通っているのに・・・」
と、まんざらでもないことを言われました。
続いて、「初めて会う人なのに、どうしてガードが下げられるんですか」と。
あのね、それはね、君がガードを上げさせているんです。

何て言うのかな、君を見ていると、「バカ丁寧が旗印」みたいな印象を受ける。
ちょっと、他人行儀じゃないのかな。
また、常にビクビクしている感じがするんだよね。
失礼があったらいけないとか、怒られたらどうしようとか。
だからね、ガードを上げているのは、君のほうなの。
君の警戒心を相手が感じ取って、それで構えちゃうんだよ。

1187.jpg
ありのままの姿がわかると、人は安心する

自分はね、言ったら悪いけど、あんまり仕事している感覚はないんだな。取材中でも。
良くやってるでしょ。
録音を切って、「オフレコで聞きたいんですけど、正直、先生が自分で使うとしたらドレにするんですか」とか、「個人的な興味で聞きます。そういう患者に対し、『バカか、こいつ』って思うときはないんですか」とか。

取材から離れないと、実のところって、出てこないわけ。
さっきだって、薬事法の許可が取れていない薬の話を、ポロっと言っちゃったじゃない。
それに、実を共有した相手に対しては、怒りとか不信感が向かないの。
だから、オフレコと言いつつ部分的に使っちゃっても、許されるの。
逆に、表面的なつながりしかできていないと、根本がすれ違っちゃうんだよね。

仕事から、いったん離れろって。
個人的に興味を持ったことを、いろいろと話しなさい。
看板の色でもいいし、「この模型、やけにデカくないですか」でもいいし。
そうすると、「実はね・・・」ってのが出てくるから。
それが、本当の断捨離なの。
仕事を意識するから、自然体になれないの。

もし怒られたら、「しめたっ」てなもんですよ。問題の核心に迫れたんだから。
そういうことを悩んでたんだって、教えてくれているようなものじゃないですか。
無難って発想からも離れなさい。無難からは無難しか生まれません。
レッドシグナルが出たら、むしろチャンスと捉えるべき。
だって、そこをつつけば、ビジネスになるじゃないですか。

[1185]「ライターに得意分野は必要なのか

~ライターとか、やってます【文章で食べていく方法】~

自分の関わったパソコンメーカー老舗のサイトが、無事、立ち上がりました。
主要なテキストは、すべて自分が担当しています。
IT系のリテラシーなんて持っていませんし、使っているOSはいまだに「Win7」ですけど、そんなことは全く障害にならなりませんでした。
代表取締役へのインタビューにしろ、現場の取材にしろ、大切なのは「聴き方」ですよね。

話し手の表面的なセリフをうのみにするのではなく、「で、結局、どうなんですか」というところまで掘り下げる。
取材の論点整理を通じて、むしろクライアント側に、「ウチの会社って、そういう存在だったんだ」と気付いてもらう。
情報を羅列するたけでなく、読んでいる側の「関心」をマインドセットする。
そうした作業に「得意分野ウンヌン」なんて、要らないと思うんですよ。

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ビスケットに詳しくなくても、魅力的に盛りつけることはできる

もちろん、「グラハム」という言葉や「クッキーとビスケットの違い」などを知っていたほうが、話は早いと思います。
でも、必要条件じゃないでしょ。
わからなきゃ、臆さずに聞けばいいだけの話ですから。
「このライターは、イイトコロ突いてくるな、信頼できるな」
と思ってもらったら、何でも聞けます。喜んで答えてくれます。

それと、「サイトの役割」は、詳しい情報を全部載せすることではありません。
断言しますけど、絶対に違いますからね。
サイトの目的は、アクションを起こさせるためのマインドセット、その1点です。
余談として「クッキーとビスケットの違い」があってもおもしろいけど、だからといって、注文が増えるわけじゃない。
肝心なのは「どういう想いを伝えたいか」、そして「どうやったら伝えられるのか」。

実際、士業と医業は、自分なりに鉄板だと思っています。
だけど、身についた専門的な知識が何に役立つかといえば、「取材が早く済むこと」くらいです。
仮に、
「昨今、親権獲得の場面で注目を集めているフレンドリー・ペアレント・ルール、今後の方向性はどうなんでしょう」
なんて質問したところで、一般読者は付いてこれないネタですよ。
「お互いの好き嫌いだけで決めず、子どもの立場を考え、相手にも一定の理解を示さないと、裁判の心証を悪くしますよ」
で十分じゃないですか。
要は、こうしたツボを引き出せるかどうか。
専門分野の有無じゃ、ないんです。

[1185]「ライター」と「日本語が書ける人」の違い

~ライターとか、やってます【文章で食べていく方法】~

MMチャンという、たいそう真面目なディレクターがおりまして。
直球一直線。一度投げ出したらアウトカウントなんて関係ナシ。倒れるまで、脇目もふらない・・・というお方なんです。
でも、端から見ると、セカンドに向かってピッチングしていたりするんですが。

その彼が、「交ざる」と「混ざる」の違いって何だろう・・・的なことを言い出すのです。ライターを目の前にして。
さすが、脇目のできない男MM。
ここに、専門家がいるだろって。
ということで、原形を残しているかどうかの違いについて、説明してあげたわけです。

ちなみに、チョコとキャンディを「交ぜる」という場合、原型がお菓子箱の中に残っています。
チョコとキャンディを「混ぜる」場合は、お鍋の中で溶け合い、原型を残していません。
「うぉぉ、深い」なんて、感動してましたけど。
別に深くないよ。

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アソートは「交ぜる」の典型、「混ぜる」だと粉々って話です

この件があって考えたのは、結局「ライター」って、日本語の専門家とは思われていない・・・ということ。
多くの場合、「めんどくさいテキスト打ちを代行してくれる人」なんでしょうね。

本当は、そうじゃないんですよ。
日本語には、多くのルールや示し合わせた基準というものがあります。
「混ざる」と「交ざる」にしてもそう。
「申し立て」と書くのか「申立て」と書くのか、「こうしたなか」なのか「こうした中」なのか「講師田中」なのか。

もちろん、ライターだって、全部を知っているわけではありません。
そんなのは、金田一先生くらい。
そうじゃなくて、現実的なラインで正しいワーディングを選択できるのが、目の前に座っているライターなんです。

別の記事でも書きましたが、弁護士がリーガルチェックをするのと同様、ライターにワーディングチェック(リテラリーチェック)をかけさせるべきだと思います。
だって、正誤まぜこぜにしてピッチングを続ける人間が、ここにいるんですから。
ほかにもいるでしょ、普通に。
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てつまる

Author:てつまる
神奈川県を中心にフリーで活動しているライターです。
超IT系を除き、医療・各士業・経営者・アスリートへの取材、アーティストプロモート(情報発信)、イベントレポなどを手がけています。

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