[1390]から・まで、以上・未満、以下・超

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

範囲を指定する表現について。
時間とそれ以外の単位では「書き方が異なる」ということを言いたいんですが、しばらく原則論にお付き合いください。

良くあるのは、
「16歳未満は1000円、16歳以上は2000円」
というパターン。
当たり前ですけど、16歳は2000円です。
同じ意味を15という数字で書くなら、「15歳以下は1000円、15歳超は2000円」になります。
ここまでは一般論。

次に「から・まで」ですが、これは必ずセットで用います。
「入場料1000円 3歳から15歳まで」
「より」は比較で使う言葉ですし、「まで」を省いてもダメ。
ところが、時間になると、例の「~」というヤツが出てくるんです。

1390.jpg
一例としての茶濁でございます

「まで」に呼応する記号がないのか、この場合に限り、省略可ということになっています。
厳密な決まりではないものの・・・時間表記に限定したほうが好ましいでしょう。
料金などに使われる場面を散見しますが、商業文なら、「から・まで」が原則。

レンタカー利用料
小型車 3500円~5000円
中型車 4500円~6500円

というのは、本来NG。
看板などでは、見やすさを重視して、使ってみてもいいですけどね。
ただし、「から・まで」は、構造的な欠点を含んでいるのです。

タイムチャージ
10時から16時半まで 1000円 / 10:00~16:30 1000円
16時半から20時まで 2000円 / 16:30~20:00 2000円

まあ、意味としては通りますが、正しいピッチじゃない。
16時半の立場があやふやになってしまいます。
なので、美しくはないですけど、以下のようにせざるを得ないでしょう。

10時から16時半まで 1000円 / 10:00~16:30 1000円
16時半を超えた場合 2000円
閉店時間 20時

「~」のパターンはやりようがないですね。
16:31~20:00とかにすれば別ですが。
形式にとらわれデタラメを書くより、本当の内容を記載してください。

[1389]ファインディング「にも」

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

FIXしていない未来の予定などに、「にも」を使うことがあります。
ドコソコの大統領が来月にも、訪日の見込み。
事件の真実は来週にも、明らかになる模様です。
みたいな感じですね。

イメージとしての「にも」は、ココ「にも」あったというような、「意図をしていない2個目の発見」で使われるじゃないですか。
なぜ、未来にも「にも」が使われるのか。
良く考えてみると、わからなくなってくるのです。

1389.jpg
こんなところ「にも」、春の息吹が

頼りの『新明解』にも載っていなかったので、いろいろと調べたあげく、
「複数の選択肢のうち、一つを明示する」
という用法になるのではないかと、勝手に結論付けました。

(自宅は調査済みという前提で)学校「にも」いなかったよ。
(いつものスーパーで売っているのに加え)こんなところ「にも」あったんだ。

この延長で、
(未来へ続くたくさんの日程のなかから)来月「にも」、訪日の見込み
(もしかしたら前後にズレるかもしれないけど)事件の真実は、来週「にも」、明らかになる模様です。
そういう解釈でいいのではないかと。
つまり、すったもんだがあった感やら、ビチっとは決まっていないあやふや感が、そのニュアンスに含まれるわけです。
もともと、推量とセットですからね。
逆に言うと、人間の意思が介在しない場合や、間違いなく起こる出来事には使えません。

春「にも」、このサクラは咲くだろう・・・とした場合、その裏に何かしらのストーリーがありそうです。
どんな夜「にも」、必ず朝は訪れるはずだ・・・同上。
この思わせぶり感が、報道の冒頭などで好まれるのでしょう。
「実はね・・・」っていう続きへつなげられますから。

[1388]見だしやキャッチには肯定表現

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

ヘッドコピーなどには極力、否定表現を使わないほうがいいとされています。
頭っからネガティブだと、中身もネガティブに映りそうだと。
確かに一理ありそうですが、自分の理由は、少し違っています。

否定というのは、一度作った概念を、改めてひっくり返す作業なんです。
つまり二度手間。
「血のつながりがない」
という場合、「血のつながり」って何だと考えさせてから、それを否定するわけですよね。
そんなの、めんどくさいじゃないですか。
単に「他人」と言い切ったほうが早い。
だから、キャッチには肯定表現が向いていると思うんです。

1388.jpg
肯定表現の白眉

あえて言うなら、もう1点。
見だしやキャッチをきちんと読んでいる人なんて、ほとんどいないと思います。
視界の隅に入るけど、精読はしない看板。

だから、
「化学調味料を使用していないやさしい味」
としたところで、
「化学調味料」
の部分しか、目に映らないんじゃないですかね。
そんなんだったら
「おふくろの味」
で十分じゃないですか。

もしやりたかったら、下にサブコピーみたいなものを付けて、そこでウンチクすればよろしい。
先に、看板である「おふくろの味」が目に入っていますから、「二度手間」が浸透するかもしれない。

ただね。
実際は、いろいろな要素を盛りつけたくなるので、ついついやっちゃうんです。
「想いをムダにしない」とか「後悔のない選択」とか。
改めて見直すと、「ムダ」と「後悔」しか目に入ってこないんですよね。
反省。

[1387]読点の位置考、「切り取り線」として考える

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

日本語は、装飾的な要素を文の中間にぶっ込みます。

僕はスイカが嫌いだ。
僕は、まるで砂をかんでいるような食感なので、スイカが嫌いだ。

英語だと、関係代名詞を使って、後ろに付け足していくんですよね。
それはそれとして、話を戻します。
つまり、二つの「、」で区切られた文章を取っ払っても、日本語として成り立つはずなんです。

1387.jpg
挟んだ具を入れ替えても、ハンバーガーとして成り立つ

少し、例文を出してみましょうか。

【取っ払っても文意が変わらない例】
安いサービスが高価なものより優れているということは、普通に考えれば、あり得ない話でしょう。
→安いサービスが高価なものより優れているということは、あり得ない話でしょう。

【変わる例・・・読点の位置が適切ではない】
安いサービスが、高価なものより優れているということは、普通に考えればあり得ない話でしょう。
→安いサービスが、普通に考えればあり得ない話でしょう。

【取っ払っても文意が変わらない例】
気をつけたいのは、残留する金属と「食べ物に含まれる酸」が問われるため、果物に限らないことです。
→気をつけたいのは、果物に限らないことです。

【変わる例・・・読点の位置が適切ではない】
気をつけたいのは残留する金属と、「食べ物に含まれる酸」が問われるため、果物に限らないことです。
→気をつけたいのは残留する金属と、果物に限らないことです。

ただ、商業文はともかく、私分ならどうでもいいんじゃないですかね。

【正確だが、違和感がある】
このように「読むリズム」と「書きコトバ」は、必ずしも、一致していません。

【不正確だが、読みやすい】
このように、「読むリズム」と「書きコトバ」は、必ずしも一致していません。

実際、サイトコンテンツでも、悩みに悩みます。
どうしても結論が出なかった場合に限り、「取っ払っても文意が変わらないかどうか」で判断するといいでしょう。

[1386]手が止まったテキスト実例と最終稿

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

以前にも書きましたが、助詞のカブリについて、あまり以前ほど気にしなくなりました。
真意を優先すべきで、テクニックは二の次。
とはいえ、ニュアンスが変わらない範囲であれば、何とか重複を避けたいものです。
例えば、次のような文。

面会交流権の充実「を」大前提としたうえで、新たな家族の形「を」模索していくことになりました。

身動きすらできず、しばらくフリーズしてしまいました。
どうやっても、脱出できないんです。
新たな家族の形「の」模索に注力しました・・・まあ、「の」はカブッてもいいんですが、美しくはない。それに、ちょっとくどい。

1386.jpg
親権を決める際の要素、「兄弟不分離」的な茶濁でございます

以前紹介したのは、
君「が」家を出るというなら、ボク「が」家族を守ろう
みたいな、それぞれが独立した文になっている場合の「カブリ」でした。
これは、無理に直す必要がない。

一方、前述の「を」は目的を表す助詞なので、独立せずに二分してしまう。
これは、自分的にマズイわけです。
とりあえず蛍光ペンを塗っておいて、後でもう1回考え直してみましょう。

はい、戻りました。
元文を読むと、また、落とし穴にはまってしまうので、同じ意味のテキストを新規に考えてみます。
「断捨離」ですね。

新たな家族の形について十分話し合ったうえで、面会交流の中身を充実させていくことになりました。

あれ? 何を悩んでいたんでしょう。
こういうことは得てして起こりがちで、「を」をさけるとか、「の」でいけないかとか、助詞の問題にこだわりすぎるからはまってしまうんです。
大切なのは、ジレンマを「断ち」、思い込みを「捨て」、元文から「離れる」こと。
自然体こそが「断捨離」の本質であって、部屋を掃除することとは何の関係もありません。

[1385]バカボンじゃなくても使いたくなる「なのだ」

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

書き下ろしの記事を読んでいると、自分でも笑っちゃうところがあります。
いまは、「なのだ」の使いすぎにウケました。

すべてクリアするのが、指定業者としての責務なのだ。
メインテナンスするとは、つまり、そういうことなのだ。
職人でありながら、工程管理を行うマネージャーなのだ。

バカボンのパパか、おまえは。

すべてクリアするのが、指定業者としての責務といえる。
メインテナンスするとは、つまり、そういうことなのだ・・・これはイキにしようかな。
職人でありながら、工程管理を行うマネージャーも兼ねる。

1385.jpg
すぐ近くに見えても、その中はアメリカという国なのだ

この「なのだ」にはですね、宣言とともに認識を促すような効果がありまして、非常に便利な言葉なのだ。
「だ・である」と比べて、「なの」のところで、いまいちどかぶせていくんですね。
国だ・・・ではなくて、国なのだと。

したがって、読み手側からしてみれば、論旨のポイントを把握しやすいことになる。
「なのだ」の付いている部分が、書き手のイイタイコトです。おそらく。
連発している場合は、どうしようもないですけど。

上記の例で、真ん中の例文を無意識にイキとしましたが、やっぱりアレが一番言いたかったんだと思います。
前後が見えていないのでわからないでしょうが。
たぶん、3月の終わりか4月始めには、「はまれぽ」に載ってくるでしょう。
それはそれとして。

使用頻度が500文字に1回くらいでも、目立つというか、目に刺さってくると思います。
「なのだ」って、結構強いですからね。
3000文字で2回、2000文字で1回くらいが、限界なのではないでしょうか。
詰まり、用紙・・・じゃないって、つまり、要旨なんですよ。やっぱり。
ここぞというところまで取っておく必殺ワザみたいな使い方が、本来なら有効なのだ。
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てつまる

Author:てつまる
神奈川県を中心にフリーで活動しているライターです。
超IT系を除き、医療・各士業・経営者・アスリートへの取材、アーティストプロモート(情報発信)、イベントレポなどを手がけています。

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