[1385]バカボンじゃなくても使いたくなる「なのだ」

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

書き下ろしの記事を読んでいると、自分でも笑っちゃうところがあります。
いまは、「なのだ」の使いすぎにウケました。

すべてクリアするのが、指定業者としての責務なのだ。
メインテナンスするとは、つまり、そういうことなのだ。
職人でありながら、工程管理を行うマネージャーなのだ。

バカボンのパパか、おまえは。

すべてクリアするのが、指定業者としての責務といえる。
メインテナンスするとは、つまり、そういうことなのだ・・・これはイキにしようかな。
職人でありながら、工程管理を行うマネージャーも兼ねる。

1385.jpg
すぐ近くに見えても、その中はアメリカという国なのだ

この「なのだ」にはですね、宣言とともに認識を促すような効果がありまして、非常に便利な言葉なのだ。
「だ・である」と比べて、「なの」のところで、いまいちどかぶせていくんですね。
国だ・・・ではなくて、国なのだと。

したがって、読み手側からしてみれば、論旨のポイントを把握しやすいことになる。
「なのだ」の付いている部分が、書き手のイイタイコトです。おそらく。
連発している場合は、どうしようもないですけど。

上記の例で、真ん中の例文を無意識にイキとしましたが、やっぱりアレが一番言いたかったんだと思います。
前後が見えていないのでわからないでしょうが。
たぶん、3月の終わりか4月始めには、「はまれぽ」に載ってくるでしょう。
それはそれとして。

使用頻度が500文字に1回くらいでも、目立つというか、目に刺さってくると思います。
「なのだ」って、結構強いですからね。
3000文字で2回、2000文字で1回くらいが、限界なのではないでしょうか。
詰まり、用紙・・・じゃないって、つまり、要旨なんですよ。やっぱり。
ここぞというところまで取っておく必殺ワザみたいな使い方が、本来なら有効なのだ。

[1384]「やりかねない」と「しかねます」、「する」のはドッチ?

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

難しいですよ、こんな日本語は。
できれば、使わないに限る。
メールなどの私分だと、たまに間違えたりします。

言葉は、いちいち文法的に考えたりせず、受ける印象を重視しますよね。
できない場合は、どうしても否定をかぶせたくなる。
なので、
「そのような指示には、同意しかねません」
みたいなワーディングができてしまうのです。

いわく、「兼ねる」自体は、Couldn’t do that というニュアンスを含む否定表現であると。
だから、「Couldn’t do that ません」は、ひるがえって肯定だと。
そんなの、直感的に染みてこないですよ。ねえ。

1384.jpg
「やりかねない」的な茶濁でございます

一方、自分だけかもしれませんが、最初から「ない」を含む、しかねない、やりかねないは、何となくコントローラブルです。
これは、結局、「やっちゃう」ってことですよね。
かもしれないが含まれるものの、基本的にはGO。
こういう、使い切れるワーディングだけを選んでいくのが、作文の基本でしょう。

百歩譲って無理に覚えたとしても、読む相手が理解できていなければ、正しい意味は伝わりません。
なので、「そのような指示には、同意しかねます」みたいな言葉は、避けるべきだと考えています。
ある意味、ギャンブルに近いですよね。
「あっ、何とかやってくれるんだ」と思われたら終わり。
だから、コッチだけが日本語の習熟に努力しても、あまり意義はないんです。
むしろ、正しく覚えたことに満足し、多用したりしかねない。
・・・あっ、この場合は、「多用しちゃうかもね」という意味です。
みんなで使わなければ死語になるから、いっそなくしちゃえば・・・っていう発想を良くするんですけども、間違っているでしょうか。

[1383] 「は」と「が」の違いは、条件付けと主格

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

前回、東京「は」神田の生まれ・・・などで使われる「は」には、条件設定の意味があることを説明しました。
東京というアイテムに、神田属性を付けるようなイメージです。
「私は人間です」という場合も同じ意味合いで、私に人間というフラグが立つわけです。

これがわかっていると、「は」と「が」の違いを明確に説明することができます。
「が」は主格を表すインジケーターのようなもので、これが付いていると、主人公がわかる。
一方の「は」は、厳密に言うと動作と関係なく、条件付けに過ぎないのです。
「このバスは、美術館まで行きます」という場合、あくまでバスの描写表現。
「このバスが、美術館まで行きます」なら、だれがどうするという、主格と動作の記述。
何となくですけど、違いがわかりますかね。

1383.jpg
「ハガでの鬼」・・・ということで、節分的な茶濁でございます

もう一つ重要なのは、時間的な感覚も違うということでしょう。
「私が人間です」の場合、例えば神様の前にいろいろな生物が集まり、もともと人間だった者が名乗りを上げた感覚。
「私は人間です」なら、神様がサルか何かと勘違いしていて、そうじゃないよと、「私は人間属性だよ」と、そのとき始めて宣言したニュアンス。

もう一例。
「このときポケットに入っていたのは、一枚のビスケット」・・・そんなこと、始めて知りました。
「このときポケットに入っていたのが、一枚のビスケット」・・・イザというときのために、知っていて残しておいたんです。

「正月のテレビは退屈だ」・・・年が明けてからじゃないと言えません。
「正月のテレビが退屈だ」・・・年末から知っていました。予言しちゃいます。

「は」の条件付けは、宣言時以前に波及しない。
「が」の主格明示は、時間を問わない。
「人気なのは、この商品」・・・ちょっと前まで、そうでもなかった。
「人気なのが、この商品」・・・すでに街の定番。
あっ、これ、気をつけて使い分けないといけませんね。

[1382] 東京「は」神田の生まれ・・・などの「は」

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

サイトコンテンツのあいさつ文などでは、

皆さま、はじめまして。藤沢駅の近くで「藤沢商店」を営む、藤沢子と申します。

なんて始まり方をするのが定法です。
ところがマイナーな地名や駅名の場合、より広い範囲の地域属性と絡めたくなるんですね。
例えば「踊場駅」なんて、どれだけの人が知っているんでしょうか。
そこで横浜市をかぶせたりするわけですが、どうも、しっくりこない。

横浜市の「踊場駅」の近くで・・・のがカブリます。
横浜市の「踊場駅」近くで・・・ごまかし感たっぷり。
横浜市内、「踊場駅」の近くで・・・いまいち。

ここで悩むのが「は」の使用です。
横浜市は「踊場駅」の近くで・・・という書き方って、ときどき見かけますよね。
あれは、どういうロジックというか建て付けなんでしょう。

1382.jpg
多くの辞書が引用する「東京は神田の生まれ」

『新明解』さんによると、「は」には条件設定の用法があるのだとか。
例えば、「私は男性です」の場合、ある種のフラグ付けですよね。
「横浜市は戸塚区にある」も同様、地域を絞り込んでいることになります。
一方、「食べては寝る」のように、条件の併記にも使われる。

あとは、使うかどうかですね。
文法的には合っているかもしれないけど、周知されていない表現なら控えるべきでしょう。
むずかしいですね。
ただ、使えると、かなり楽なんですよ。
こればっかりは、いくらワーディングの代替を考えても、思いつきませんでした。
横浜市のほぼ南端に位置する「踊場駅」の近くで・・・みたいな、余計な装飾を付けるしかないみたいです。

結論・・・暫時、見送り。

[1381]お好きなほうと方、ご持参のうえと上

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

「方」と「ほう」、あるいは「上」と「うえ」の書き分けについてです。
記者ハンはともに「漢字で構わない」としていますが、ひらくメディアもありますよね。
これはですね、例えば「方」の場合、「ほう」と「かた」の誤認を避けているんだと思っています。
お好きな方・・・だけだと、どっちだかわからないわけです。

実際は、後に続く助詞で識別できるんですけどね。
人は主格になるので、お好きな方は・・・だと「かた」なんだなと。
目的格として、お好きな方を・・・とくれば「ほう」だなと。
じゃあ、これだとどうでしょう。

お好きな方のみ、お持ち帰りいただけます

「かた」だとすれば、数量制限はありません。
「ほう」なら、二者択一を迫られます。
参りましたね。
現実としては、「かた」を「方」にして、「ほう」を「ほう」にしています。
紛らわしいようなら、ワーディングを変えましょう。

1381.jpg
焼き鳥「フリーク」は、お好みの「串」を

一方の「上」。
記者ハンは同じく無頓着。
誤認するようなケースも考えられない。
でも、ご持参のうえを多用しています。
これはですね、続く言葉によって、ニュアンスが変わってしまうからなんです。

ご持参の上物入れにお預けください。

「上物入れ」を持っていくって何?・・・ってことになりかねない。
まあ、読点を打てばいいだけの話なんですけどね。
とはいえ、仕事ベースのテキストでは、「うえ」にしておいた「ほう」がいいんじゃないかな。

キリがないように思えますが、語尾の漢字関係に限定するなら、この二つをチェックしておけば十分。
あっ、「なか」と「中」がありましたが、これについては [348] で書いています。
よく間違えるミスと一緒にログ化しておいて、納品前に、[編集]-[置換]でやっつけましょう。
ただし、一括変換してしまうと、上野が「うえ野」になったりします。ご注意を。
めんどうでも、逐一、[次を検索]で探すしかないですな。

[1380]わかったうえでの漢字とひらがな

~正解なんてない!日本語の選び方【文章作成のコツ】~

文章は意図を届けるツールです。
ルールを優先し過ぎて意味が伝わらないとしたら、まさに本末転倒。
逆に、ニュアンスを強調したい場合などは、王道から反れたっていいんです。
特に、タイトルコピーなんかでは、あえて「記者ハン」に逆らうことがあります。

例えば、「貯まる」という漢字。
記者ハンでは、「溜まる」とともに、ひらがなを推奨してきます。
でも、ファイナンシャル系のヘッドコピーだったら、迷わず「貯まる」を使いますよね。
「たまる」って言われても、ピンと来ないじゃないですか。

ほか、時制のほとんども、ひらがなを使いなさいと言ってくる。
明日ではなく「あす」。今日ではなく「きょう」。
「みょうにち」や「こんにち」などのヨミと区別するためだそうですが、ドッチだっていいって。
それより、「きょうよりあすのために」なんて幼稚っぽさを避けるほうが先決だと思います。

1380.jpg
読みやすさや字面で決める場合も

以前、泉区の地名を取材したとき、「いずみ派」と「いづみ派」がいることを知りました。
山ガハでも、「引地川」に関して6類のヨミが考えられるという調査をしましたよね。
「ひきちかわ」や「ひきじがわ」など、実際に4パターンが混在していたのでした。
こういう主義主張がらみも、なくはない。
「J」じゃなくて「G」なんだという意図を込めて、「ヂ」を使う場合だってあるでしょう。
お尻の病気以外、うまい例が思いつきませんが。

一方、マイルールではありますが、医療系コンテンツに限り、「目指す」をさけて「めざす」にしています。
「痛い病院はやだなぁ」と思っている人に「目指す」って、逆効果ですもんね。

目の不安「ゼロ」を目指す中央眼科

なんてイヤですよ。やっぱり。
ですから、必要最低限の日本語をわかっていて、なおかつイジルのはOK。
というか、そんなことは自分で決めればいいんです。
「時間を殖やす」とすれば、工夫しているニュアンスが出るじゃないですか。
「お得用」に対する「お徳用」だって、もともと造語ですからね。
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てつまる

Author:てつまる
神奈川県を中心にフリーで活動しているライターです。
超IT系を除き、医療・各士業・経営者・アスリートへの取材、アーティストプロモート(情報発信)、イベントレポなどを手がけています。

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