[1498] ウィキは、信頼できる参照情報たり得るか

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

取材を伴わない記事では、周知の事実といえない事柄に対し、参照元の明記を求められる場合があります。
このとき、一般人のブログなどは論外として、ウィキもNGとする版元が多いようですね。
これは、もともとウィキの設計思想が、「一刻千金」に基づくからだと理解しています。

ことわざでいう「一刻千金」とは、「一字でも修正する部分があれば大金を払うよ」と周知して、世の中に精査を求めたもの。
ウィキも同様で、
「多くの目にさらして修正を積み重ねれば、いずれ、正確な内容になっていくだろう・・・」
という編集方針。
よって、常に、発展途上の余地を残すことになる。
専門家の知恵より数の理論というのか、少数の真理より多数の誤解というのか。
そんな可能性もあって、参照がNGになっているんだと思います。

曽我墓に関するウィキ
「曾我兄弟の仇討ち」についてのウィキ・・・これって、ネタモトが山ガハじゃんね

「山ガハ」がいいかげんだったとは言いませんよ。
確かに、『富士ニュース』を見つけて、曽我墓を追いかけました。
でも、それをもって、「曽我墓は14箇所」というのは乱暴なわけです。
参照元が明らかだから正しいとは、断言できない。
少なくとも、百科事典の呈を名乗るメディアでは。

では、キーワードの検索結果を見て、多くの人が同意見を寄せている場合はどうか。
このケースでも、リスクは残ります。
なぜなら、固有の著名な媒体に引っ張られている可能性があるから。
ガリレオが宗教裁判にかけられたのは、数の理論ですよね。

他方、版元が一次情報の出元を確認し、「この人なら信用できるな」と判断した上で参照するのはアリでしょう。
やはり、正確さの裏付けには、専門家の知見が欠かせないと思うんです。
問われるのは、数じゃない。
ですから、現段階でのウィキは、リサーチの出発点やとっかかりに過ぎないのでは。
少なくとも、プロのライターとしては、そう思います。

[1497] 情報公開日についての考え方

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

こんな記事を担当しました、あるいは、こんな内容のコラムがUPされますということを「事前に公開できる」日のことを、情報公開日と言ったりします。
じゃあ、それまで全くオープンにできないかというと、あながち、そうとも言い切れないんじゃないですかね。

情報を公開できない理由として考えられるのは、第三者が秘匿情報を利用して、不当な利益に結び付ける可能性があるから。
ほかにも、リリースのタイミングとか商品発売の時期とか、いろいろあるでしょう。
しかし、この「利益損失」という点が、もっとも大きいと考えています。

例えば文春砲クラスのネタなら、他社に抜かれることで、その威力が弱まってしまうでしょう。
あたかも、「先」に出した方がオリジナルで、「後」がパクリと思われる可能性だってあるわけです。
しかし、サービス紹介のページならどうか。
しかも、どこにでもありふれているような内容で、オリジナリティや先見性などが皆無だったとしたら。
これなら「利益損失」にはつながらないですよね。
むしろ、紹介を早めているだけの話。
だからといって「やりたい放題」というわけではないんですが、グレーな場合の判断基準になると思うんです。

鎌倉駅西口
鎌倉に本社を置く某製菓メーカーの、商品紹介ページを担当します

仮に・・・仮じゃなくてリアルなんですけど・・・上記の情報を出したところで、誰かが「不当な利益」を得るとは思えない。
つまり、同じ情報でも、守らなくてはいけない部分と、そうではない部分があるんです。
この判断が難しいから、めんどくさい人はライター側に、「全部ダメ」を出す。
あるいは、判断が行えないライターを想定して、より大きな足かせをはめる。

自分の場合は、よっぽとのことがない限り、「情報公開日」の確認をしません。
販売で収益を出している情報雑誌だけは別かな。
ほかは、「最悪、仕事が切られるリスク」も想定して、そうではない部分の情報量を調整します。
つまり、出すっちゃ、出す。
ただし、ここまでなら「利益損失」が生じないよねってラインを引く。
NDRを結んでいたとしてもです。

だって、そんなこと本来、コッチの自由じゃないですか。
それに、この手の話って、レベルが低い人に向けたもので、信用されていないことの証でしょ。
文筆業以外の業種だって当てはまることなんだから、情報漏えいに該当するかどうかが基本で、全部ダメって意味じゃないと思っています。

[1496] 国内大手キャリアが手掛ける、お取り寄せサイト

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

本当は「お取り寄せ」じゃないんですけど、検索結果に載りたくないので、避けまくっています。
ピザとか店屋物などを自宅まで届けてくれるサービスってありますよね。
漢字二文字で、○○一丁とか、○○迅速とか。
ここでは仮に、「テルマエ」としておきましょうか。

さて、キャリア大手のD社さんが、いろいろな「テルマエ」サービスのポータルサイトを構築しています。
で、そのオウンドメディアとして、「テルマエの歴史」をシリーズ化していきたいと。
たとえば、ピザのテルマエはどうして始まったのか、豆腐のテルマエでラッパを吹くのはどうしてなのか・・・。
今回、依頼が来たのは、その初回を飾る総論的なコラムです。

スーパーカブのイメージ
わざわざ、イメージ画像を撮りに出かけました

テルマエが始まったのは、どうやら江戸中期のようですね。
インターネットを調べてみると、当時のタウン誌に該当する書籍があって、その表記を出自としている説が散見されました。
ただ、それをそのままパクってもしょうがない。
そこで自分は、落語に出自を求めてみました。

出だしは、落語「時そば」のお金を数えるシーンから。
このいきなり感が、自分の持ち味だと思っています。ツカミとでもいうんでしょうかね。
あと、ほかのサイトにない情報として、70年代におけるファミレスの登場を絡めました。
テルマエの歴史は、ここで一度、先細るんです。
それが、なぜいまのようなブームを起こしたのか・・・。
ヒント、映画E.T.
あれがきっかけで「ラ」がぶわーっときて、ついでにビャーっとなって・・・。
これ以上、書けません。

仕事として、割とおもしろかったです。
D社さんも「おもしろい」と感じてくれれば、連載決定。
各論の一回目は「そば・うどん」になるんじゃないかな。
あっ、「時そば」のネタ、そのときまでキープしときゃ良かった。

[1495] リニューアル工事中でも行っちゃう? とある観光情報のコラム

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

映画のロケ地を巡るコラム、10月号のテーマは「デスノートx九州北部」になりました。
漫画は読んでいませんが、アニメと実写版なら追えています。
全然、大丈夫。
登場人物のライトとエル、ご当地にある太宰府天満宮の菅原道真、門司港レトロから行ける巌流島など、「天才と、そのライバル」という軸でまとめられそうです。
あまりロケ地ってませんが、このコラムはそういうところを気にしていないので、いいんです。
全体として、観光情報になっていればヨシ。

ところがですな、肝心なロケ地の一つである「北九市立美術館」は、10月いっぱいまでリニューアル工事とのこと。
1カ月ズラすのもやむなしと思って報告したら、思いの外、GOってんですよ。
そうなっちゃうと、あの・・・本当のロケ地って福岡市地下鉄空港線「赤坂駅」しかないけど。
しかも、カーナビユーザー向けのメディアなので、車との相性悪いけど。
ロケッたの構内だし、キップ買わないと入れないし。
それでもGOだと。
ヨシ、わかった。後は知らん。

北九州市立美術館
どちらかというと『図書館戦争』のイメージが強い、「北九市立美術館」

頼みますから、記事見て、すぐ行かないでよね。リニュのことに触れときますので。
それにしても、仮囲いしてるし、中へ入れないし。
まあ、アーカイブ扱いになった後日、見ることもあるんだろうけれど、こういうのって、どうなのかな。
時事系のメディアでやったら、クレームがワンサですよね、きっと。
担当のSさん、メディア出身なのにな。
すっかりプロモーション屋になっちゃって、クライアントしか見てない。
読者意識より、1カ月ずらすストレスの方が、影響大なんでしょう。
それでもGOだと。
ヨシ、わかった。後は知らん。

このようにですね、「不親切な記事」というのは、必ずしもライターの凡ミスに起因していないのです。
だから、SNSなどでタタク場合は、媒体元にしてください。それなら、仮にライターが悪くても、窓口としては正しいことになります。
逆の場合、コッチは気を配っているのに、名指しで攻撃を受けてしまう。
とんでもない誤解です。

[1494] 理事長や代表社員という肩書が好まれるワケ

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

例えば、個人経営のクリニックが法人化すると、院長に代わって「理事長」という肩書を使うようになります。
まあ、何かソレっぽいんでしょうね。
大きな病院だぞと、信頼できるぞと。

税理士や会計士事務所も同様で、ある程度の規模になると、所長のことを「代表社員」と記したりします。
おそらく、どこかの大手がやり始めたのでしょう。
あの呼び方っていいなと。
大きな事務所だぞと、信頼できるぞと。
要は、フロシキをなるべく広げているんです。

鹿児島の西郷隆盛像
理事長像的な茶濁としての西郷ドン(鹿児島ver.)

シロートからすると、院長や所長の方が、「トップだな」って感じじゃないですか。
でも、中にいる人たちは、ライバルの視線を気にしてか、理事長・代表社員ぶる。
これ、プロフィール書いているときに、思わず笑っちゃうんですよね。
虎の威を借りた何タラというか、ハリボテの城というか。
もちろん、それなりにそれなりの人もいます。
ただ、大方はそれなりじゃないそれなりの人で、「法人組織っぽい雰囲気を出したいんだよね」なんてことを、臆面もなくおっしゃったりする。

構成員の数としての個人的な感覚だと、理事長・代表社員と呼ばれる組織なら、30人以上はほしい。
別に30じゃなくてもいいんですけど、それくらいの規模感を誤認させる響きがあるんです。理事長・代表社員には。
一方で、カーチャン・バーチャンを入れた数人の中の理事長も、当然にしていらっしゃるわけです。
全然、組織していない。
ですから、ときどき、所長・院長の方がシンプルでいいんじゃないですか・・・的なことを申し上げているんですけど、通った試しがありません。

[1493] トリミングの自己主張

~記事はどのようにして作られるか【取材現場の裏話】~

観光情報系の記事では、画像の提供をご当地の観光協会などにお願いすることがあります。
気の利いた所だと、メディア向けの「フォトライブラリー」が用意されていたりして、非常に助かります。
ただ・・・タテヨコ比を選べるように、複数のカットを載せといてくれないでしょうか。

ぜいたくを言うようですけど、提供画像の寸法って、まちまちなんですよ。
複数の写真を横並びにしたりすると、いかんともしがたいところがありまして・・・。
せめて、「トリミング可」にしていただけると、私のような者が泣いて喜びます。

1493.gif
映り込みをなくす例としてのトリミングイメージ

ちなみに、こうしたトリミング。
ライターのすることではなく、編集の領域とみなす向きもあるようですが、自分は、むしろ積極的にやっています。
文章との絡みはもちろん、全体をディレクションしているような感覚があるからです。
ライターからの提案というか、アピールの部分も含まれるかな。
あえて映り込みを入れてみたり、文章の主題に合わせて拡大したり・・・。
原稿って、そういうものじゃないかと思うわけですよ。

それはそれとして、各観光協会さんへリクエスト。
・「城の画」って、確かにサクラとセットだときれいですが、春のテーマでしか使えないので、実はやっかいです。紅葉とかもそう。シーズン色の出ないパターンが使いやすい。
・数百キロバイト単位の画像って、そもそも意味がわかりません。せめてメガっていただけないでしょうか。
・職員さんが一生懸命撮ったのだと思いますけど、たいてい、水平が取れていません。そのぐらいは、トリミさせてください。いいでしょ。
・クレジットを載せるのは構いませんが、どこかでまとめてご紹介させていただけませんか。画像ごとって、デザインによっては使えないんです。特にトップページのメインビジュアルとか。
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てつまる

Author:てつまる
神奈川県を中心にフリーで活動しているライターです。
超IT系を除き、医療・各士業・経営者・アスリートへの取材、アーティストプロモート(情報発信)、イベントレポなどを手がけています。

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