[1756] 立ち去り際の美学

~フリーランスライターがつづる、人生を楽しむヒント~

20代・30代のころと比べて、明らかにうまくなっていることのひとつが、商談や取材が終わった直後の所作でしょう。
当たり障りのない話題で間を持たせつつグッズ類をカバンにしまう、一連の流れのことです。
若い頃は、なぜかあせるんですよね。
余計なことを言われたくないというのか、待たせるのが悪く感じちゃうというのか。
それこそ、宝石泥棒のようにして、筆記具やノート類をカバンへ流し込んでいました。

それがいまでは、「間」を怖いと思わない。
怖くないから、世間話ができる。
ときには裏話で盛り上がったりして、ロケが延びたりする。
そういうのが、全然、平気になりました。

ロケ直後の現場
撤収直前の現場、一例

取材やインタビューという仕事は、対象者の実の姿を伺ったりして近しい存在になりますから、その分、余裕ができるのかもしれないですね。
きのう・きょうの間柄じゃないんだと。
実際は、きのう・きょうの間柄なんですが。

それに、ロケの撤収で一番長引くのは道具類の多いカメラスタッフなので、あせらなくていい。
逆に、彼らをかばうというのか時間をかせぐというのか、そういう第三者感がある。
第三者感のこなし技術がだんだんうまくなって、一人のときでも応用できるようになる。
「さっきの、『人の行くところに弁当アリ』って、強いコトバですよね」
とか、
「こういう取材、結構、入るんですか」
みたいな。

向こうも、間延ばしだなってことは、わかっているんでしょうね。
いつの間にか、オトナになりました。

[1755]「木々の名は。その9」カキノキ

~フリーランスライターがつづる、人生を楽しむヒント~

(全員で合唱)
あ~まい柿の実、おいしいなぁ。
おいしい、おいしい、おいしいなぁ。
(子猿A)
「ねぇ、サル吉クン」・・・

小学校でやった劇の冒頭です。
まだ覚えていたことに、自分でもびっくりしています。
えー、本題。
今回は、カキノキです。

熟れる前の柿の木
まだこの時期、実は熟れ始めていない

実が付いていないと判別できなそうに感じるものの、慣れると、雰囲気でわかってきます。
一言で言って、葉っぱの密集度合いが濃い。
何ていうのか、独特のオーラがあるんですよね。トドっと茂っている感じ。
よく見ると、葉っぱの一部が、ボートのように湾曲しています。
「柿の葉ずし」なんかもそうですけど、カキノキの葉を何かに使ってみたいという気持ち・・・わからなくもないです。
秋までの間は、この見分け方で「確定」を打てるんじゃないでしょうか。

樹肌はピグモン系。
ガラスの破片で作ったステンドグラスのような造形をしています。

また、調べていて初めて知ったんですが、カキノキのことを英語で「パーシモン」というそうですね。
かつて、ゴルフのウッドのことを、「パーシモン」と呼んでいました。
頑丈で軽いから、好んで使われていたとのこと。
芯を食うと「カキーン」という音がしたからという説は、スミマセン、いま、勢いで作りました。

[1754] 台風の覚え歌

~フリーランスライターがつづる、人生を楽しむヒント~

まず 潮風が香り
次に 都市のホコリが舞い
最後に 冷たい山の風が吹く

台風が進むにつれて変わっていく風の流れは、南側に海岸線を持つ関東地方の場合、おおむねこのようになる。
巨大な渦は左回りだから、猛烈な南風を先陣に、「まず 潮風が香る」。
第二フェイズは台風の進路によっても異なるが、基本的には東西の風。南に位置すれば東京、北に位置すれば静岡の、「都市のホコリが舞う」。
中心が過ぎ去った後は、一転して北風。だから、「冷たい山の風が吹く」。
だから何だって話ですが、まあ、知っておこうかなと。

台風のイメージ
我が街、藤沢市に接近中の台風イメージ

そんな台風ですが、温められた空気の上昇によって引き起こされる現象であることは、周知の通り。
ただ、エレベーターのような上下運動ではなく、渦を巻くところがユニーク。
地球の自転による影響を受けているらしいですが、もし、この力が働かなかったら、そこら中で空気が上下しているだけだと思われます。
しかし、渦を巻くことで、周辺のエレベーターが集約される。
文字通り、巻き込む。
そう考えると、なかなかにやっかいですよね。

自分はいつも、天気図に描かれた台風を、掃除機のように捉えています。
最先端のトルネード技術が、あの辺で地表の空気を吸収し、上空へはき出す。
そういえば昔、掃除機の先端に、いろいろなオプションが着いていましたよね。
イメージとしては、タワシみたいなヤツに近いかな。
トルネードになってから、とんと見かけなくなりましたが。
あれでゴシゴシやられ、むしろゴミを散らかしていく自然の驚異。
正直、毎回、ワクワクしている自分がいます。
大きく見れば、台風一過、空気が掃除されるもの。

[1753] 大声や暴力は、人を従わせる最もヘタな方法

~フリーランスライターがつづる、人生を楽しむヒント~

アメリカのドラマで良く見かける、やたらにわめき散らすシーン。
あれに「引く」ことってないですか。
何でそこまで感情をあらわにしてんだ。自分を見失っていないか・・・みたいな。
で、大抵は、最後までテンションをキープできた側が支配権を持つ。
つまり、これは、相手を従わせるプロセスだったんですね。

そもそも「怖さ」って何なんでしょう。
アメリカ人の怒鳴り合いと、その反作用としての怖さを見ていたら、実在しない架空の概念のように思えてきました。
架空というのか、瞬間的な位置エネルギーの偏りというのか、気の持ちようによっては無視できる存在なんです。

例えば、電池が切れかけてきたラジコンが、思うように動かなくなってきたとしてください。
そこで、電池を新しいものにすると、電波が強くなる。
人も同様で、魅力や理論構成力に乏しい人だと、他人を説得することができない。
そこで、威喝・恐喝というパワーをもって、人を操ろうとする。
つまり、「怖さ」の源は、本人の「弱さ」なのではないか。
大声や暴力を用いる人は、怖いのではなく、むしろ弱い存在・・・ということに気付いてしまったんです。

金太郎の像
力によって熊を従わせた人の例

そういえば、童話『北風と太陽』って、この核心を突いていましたよね。
負けた北風は、結局、人を動かせなかった。
つまり、「怖さ」を用いる人が最も恐れているのは、従わせられないことなんです。
相手が従わなかった瞬間、自分には「何もできない」ことがバレてしまう。

そう考えると、大声や暴力に対して、ちょっとしたゆとりが見えてきませんか。
「ああ、うまくいってないから、電池を替えてきたな」といったような。
電池が切れた瞬間、負けが確定。
大声で鼓膜が破れることなんてないし、暴力によって受けた傷はいずれ治る。
でも、負けは永遠に負けなんです。

話は変わって・・・変わらないんですけど・・・子どもへの接し方もそうですよね。
大声で「ナニナニしなきゃダメでしょ」なんて叫ぶのは、子どもが言うことを聞かないからなんです。
それって、親の負けを認めているようなものですよね。
あれは、アメリカ人の怒鳴り合いと同じぐらい、意味が無い。
そうじゃなくて、ゲーム感覚で妥協点へ誘導できたりする人が、本当に「強い」人なんでしょう。

[1752]「木々の名は。その8」クヌギ

~フリーランスライターがつづる、人生を楽しむヒント~

街角の樹木を調べてみようという、この企画。
第8回目は、夏休みにちなんでクヌギです。
別名、「カブトムシの成る木」・・・とは言われておりません。
でも、まあ、そんな感じ。

一番手っ取り早い見分け方は、縦に裂け目の入った樹皮。
アコーデオンの蛇腹というのか、イメージとしてはピグモン。
似たようなピグモンにクスノキがあるんですけど、クスノキは横にもヒビが入るので、ウロコ状になる。
対するクヌギは、裂け目が上下に走るんですよね。

クヌギの樹皮
表面に繊維があるかのような、クヌギのピグモン

あと、よく見ると、アリが列をなしています。
このアリさんたちは、なぜか、特定の葉っぱで集団待機をしておられます。
葉からも、甘い汁が出るんですかね。
もしくは、葉に寄生する虫と共生しているのかもしれません。
いずれにしても、カブトムシに限らず、いろいろな虫に好かれているのがクヌギです。

その葉っぱですけど、クヌギは火炎型。葉の先がいくつかに分かれてとがっています。
クスノキはトゲがなく、子どもが描くような一般的な形。
これも、ピグモン系を見分けるファクターになるでしょうか。
また、スクノキは早い段階で二股になることが多く、どちらがメインともいえないV字の樹形をしています。
その点クヌギは、基幹が決まっているようです。
ただ、どちらのピグモンも、自由奔放な枝分かれをしているんですよね。
無定見というか、法則無視というのか。
「そこから、そう曲がるか」みたいな見方が楽しめるのも、ピグモン系の面白さといえるでしょう。

[1751] 歯医者さんの在り方が大きく変わる、「か強診」という制度

~フリーランスライターがつづる、人生を楽しむヒント~

ここ1カ月、「か強診」についての書籍を執筆していたんですが、やっと脱稿いたしました。
実は昨年から、歯医者さんの一部が、歯医者さんではなくなっています。
それが、「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」、通称「か強診」という制度です。
簡単に言うと、体の健康も診てくれるプライベート医院みたいなイメージですかね。

なぜ、歯医者さんが、体の健康という領域まで面倒をみてくれるのか。
それは、一般医院より歯科医院の方が、ある意味で通いやすいから。
体の健康診断というと、マメな人でも、年に1回前後じゃないですか。
しかし、歯の検診なら、やりようによっては1カ月に1回くらいまで短縮できる。
そのとき、体の異変に気付いたら、一般医院を紹介して、早期の治療を図りましょうと。
そういう仕組みなんです、この「か強診」は。

ただし、「か強診」の認定歯科医院は、いまのところ10院に1院くらいの割合。
全部が全部ということではないので、ご注意ください。
ちなみに「か強診」なら、以下のようなことが毎月、保険を適用しながら受けられます。
・歯石取り
・フッソ塗布
・・・ついでに、食事や生活習慣の相談など
通常の歯医者さんでは、3カ月に1回しか保険適用が認められていません。
もはや医療費の負担増が無視できないため、国もここまで大きくかじを切ってきたのでしょう。
で、ここから大切なところです。

か強診のイメージ
歯医者さんで「歯の悪いところを直す」のは時代遅れ

「か強診」は、いわば、プライベートドクター。
歯が悪くなくても、原則として毎月、通うんだと。
するとどうなりますか?
初診なんて受け付けている余裕は、なくなるはずです。
固定客で手一杯になるでしょう。
すでに、一見客を断っている歯科医院も散見され始めています。
「か強診」の認定割合は約10院に1院。つまり、争奪戦状態に突入しているんです。皆さんの知らないうちに。
ぜひ、いまのうちからツバをつけておくことをお勧めします。
歯が悪くなくても行っていいんですから。
医師側も、そのことを重々承知していますしね。
「か強診って仕組みを知ったんで、とりあえず来てみたんですが・・・」で全然OK。

選べるうちが華ですよ。
「か強診」だけど、先生がキライ。でも、もう、ココしかない。
あるいは、通える距離に空いている「か強診」がない。
そんな状況が1年以内に来ますから、絶対。
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てつまる

Author:てつまる
神奈川県を中心にフリーで活動しているライターです。
超IT系を除き、医療・各士業・経営者・アスリートへの取材、アーティストプロモート(情報発信)、イベントレポなどを手がけています。

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